スワップポイント生活 含み損を減らす方法
スワップポイント収入を増やしていくためには、含み損への対応策が必須となります。
この運用法で含み損減の効果がどれくらい期待できるのかなどをまとめました。
スワップポイント生活の実現に向けて
「含み損少ないスワップポイント生活」
この実現を、この運用法で目指しています。
「月●●万円のスワップポイント生活」という感じで取り組まれている方も多いだろうと思います。
でも、それを安定した状態で実現することはなかなかできません。
スワップポイントの高い高金利通貨などは、定期的に暴落期があるため、含み損を抱えやすい傾向があるからです。
「含み損をスワップポイントがいつ埋めてくれるか」
そんな運用になりがちです。
このため、高金利通貨が上昇期にはいっても、「いつ下落するかわからない」という気持ちにならざるを得ません。
その気持ちで利益圏に入れば、「待っていました」とばかりに決済することにもなります。
この繰り返しだと、「利益少なく損失は甚大」という「小利大損」パターンにもなりやすいです。
結果として、この形では安心してスワップポイントを蓄積していくのは難しいです。
この運用で目指す「含み損少なきスワップポイント生活」」は、その辺の含み損減を意識しています。
ポジション全体で大きな含み損になりにく形を維持しながら、スワップポイント受取を続けていく方針でやっていきます。
公開する成績も「含み損益を考慮した総合成績」でお見せして、効果を確認しながらやっていく方針です。
具体的にこの効果がどんな感じなのかは、運用状況をもとに説明させていただきます。
2019年11月現在の運用状況
口座状況は、このカテゴリーでまとめています。
最新記事はこちらです。
この運用を始めたのが3月です。
記事一番最後の損益推移のことろをご覧ください。
実際のところ、先月10月くらいからやっと総合損益がプラスになってきたところなんです。
私はこの結果に満足しています。
なぜかと言えば、「米ドル円105円までの円高相場で含み損を抑える効果」を確認できたからです。
FXオプションではなく、普通にFXで米ドル円買いポジションを作っていれば総合損益が含み損150万円前後になったであろう時期もありました。
それが現実には含み損を考慮した総合損益は100万円を超えない範囲で済んでいます。
こういうのはあらかじめ想定はできても、実際に効果を確認することはなかなかできません。
どれくらいの含み損を抱えるかなどは、スワップポイント生活を目指すものの一番の課題です。
FXオプションを使えば、含み損を軽減できるということがわかれば、これからの活用法の工夫もしやすくなります。
運用初期にこういうことがわかったのは、幸運でした。
含み損を抑えられた秘密は、FXオプションのプレミアム受取にあります。
プレミアムの効果についての解説
現在FX口座で保有中の30万通貨買いポジションのうち20万通貨は、FXオプション→FXポジション発生という経緯を経たものです。
- FXオプションで10万通貨保有(プレミアム受取)
- 権利行使日にFXポジション発生
- 高スワップポイントのくりっく365口座で建て直し
こんな流れです。
このポジションの権利行使時の損益の中身をみて頂くと、プレミアムの効果が見えてきます。
106.67円 10万通貨の発生経緯
- 110.74円の時にFXオプション作成
- 権利行使にて発生したFXポジション
- プレミアム受取 235,800円
- ポジション作成時損きり−334,000円
- 差引損益 ー98,200円
参考:権利行使時記事
235,800円のプレミアム受取がなければ、差引損益はー334,000円でした。それが、−98,200円損きりで済んでいます。
107.120円 10万通貨 発生経緯
- 111.60円の時のFXオプション作成
- 権利行使にて発生したFXポジション
- プレミアム受取 204,600円
- ポジション作成時損きり−389.100円
- 差引損益 −184,500円
参考:権利行使時記事
204,600円のプレミアム受取がなければ、差引損益は−389.100円でした。それが、−184,500円で済んでいます。
この2本のポジションだけでプレミアム受取総額は、440,400円になります。これが円高時に含み損を減らす力となってくれます。
買い平均値を下げていく効果
運用開始時の米ドル円は110円台でした。今から見れば高いのですが、当時の私の判断としては「この辺で買ってもよいかな」という値でした。
そこで、110円〜111円のころに将来米ドル円買いポジションとなる可能性のあるFXオプションを20万通貨作っています。
その時点で、単純にFXで米ドル円買いポジションを作っていれば保有ポジションの買い平均値はこうなっていました。
- (110.74円+111.60円)÷2=111.17円
これが、FXオプションを使うことで・・・
- (106.67円+107.120円)÷2=106.895円
・・・となっています。
このポジション作成のために、−282.700円の損きりもしています。
- −282,700円÷20万通貨=−1.41円
ということで、この部分は、スプレッド換算でー1.41円です。この部分を考慮した買い平均値はこんな感じになります。
- 106.895円+1.41円=108.304円
こう見ていくと今回の売買は、FXであれば買値111.17円のポジションがFXオプションを使うことで、108.304円まで買値を下げる効果があったというこになります。
買値を下げることに成功したお蔭で、保有FXポジションは現在含み益になっています。
もしも、単純に111.17円で米ドル円20万通貨の買いポジションを作っていれば、米ドル円現在値109円台ではスワップポイントを考慮しても含み損でした。
今回のように110円→105円という5円程度の円高だと買値を2〜3円下げる効果は大きなものがあります。
10円・20円規模の下落となった場合でも、薄くはなるものの、相応の効果は期待できると見ています。
ポジション保有中にも効果を発揮
このプレミアム効果は、期日がきて権利行使したときだけではありません。
ポジション保有中でも、含み損を抑える効果があります。
FXオプションは、有効に使っていけば「円高時にFXよりも含み損を抑える手段」にできます。。
この効果をうまく使えば、スワップ投資家にとっての宿命でもある「円高期の含み損増加の苦しみ」をFXオプションを使うことで減らす事ができるんです。
私は、これを「含み損抑制効果」と呼んでいます。
いずれ詳しく説明しますが、スワップ投資をされた方であれば「円高期に含み損が減らせる」ことがどれほどありがたいことかはご理解いただけるはずです。
この運用を始めたばかりの時期に、適度な円高でこの辺の効果を確認できたのは大きな収穫でした。
ここまで読んできて、すでに混乱されている方もいるかもしれません。
この辺の詳細説明は、この連載で順番に書かせていただく予定です。
疑問点などあれば、ささいなことでもかまいませんので質問してくださるとうれしいです。少しでもわかりやすい記事を書いていくための参考にさせてください。
FXオプションからのスワップ投資 目次
- 第1回:FXオプションを使ってスワップポイント投資の安全性を高めた運用法
- 第2回:スワップポイント生活 低リスク+含み損減とできる方法実行中
- 第3回:FXオプション注文画面の見方「権利行使価格」「権利行使期日」「プレミアム」の仕組み
- 第4回:FXオプション プレミアム売買の仕組み
- 第5回:「途中決済」「スポット」「キャッシュ」の違い FXオプション決済方法
- 第6回:コールオプション買い「損失上限あり・利益上限なし」はこう使う
- 第7回:コールオプション売り「利益上限あり・損失上限なし」はこう使う
- 第8回:プットオプション買い 暴落相場をリスク限定で攻める有効な一手
- 第9回:プットオプション売り FXよりも安値でポジションが作れる仕組み
- 第10回:FXオプションからのスワップ投資 概観
- 第11回:スワップポイント生活の新しい形 手順1〜4
- 第12回:【準備】FXオプションからのスワップ投資 売買ルール編
- 第13回:【運用通貨選び】高スワップポイント手動は失敗の元
- 第14回:【運用資金目安】「リスク管理のための保有数量基準」について
- 第15回:【仕掛け方 3つの型】「一の型」「二の型」「三の型」考え方と基準
- 第16回:【FXオプション⇒FX変換後の運用ルール】 5つの攻め方
- 第17回:ポジション増のタイミング
- 第18回:FXオプション 運用上重要な基本事項 まとめ
- 第19回:「損するかもしれないリスク」と「大損するリスク」FXオプションで確実に軽減する方法
- 第20回:FXオプション 実践者が感じる4つのデメリット
- 第21回:「損失限定・小資金で勝負」「上げ相場でも下げ相場でもスワップ投資」
- 第22回:往来相場を狙うストラングル売り戦略 魅力と欠点
- 第23回:大きな変動相場を取るストラドル買い戦略 短期と長期 使い分けのポイント
- 第24回:低リスクで利益率10%戦略 概要と失敗時の対処法
- 第25回:FXオプションを使い始めてFXの成績も良くなったのはなぜ?
- 第26回:超高ボラティリティ相場で有効 ストラングル売り戦略
- 第27回:読者の声:スプレッド拡大期の対処について
- 第28回:FXオプションをFX投資家の「もう一つの収入源」にする
- 第29回:FXオプション失敗からの教訓【2020年3月】
- 第30回:玉帳記入徹底のすすめ FXオプション失敗からの教訓その1
- 第31回:FXオプションの玉帳記入方法
- 第32回:失敗しないためにログイン前に決めるべき3つの事:FXオプション失敗からの教訓 その2
- 第33回:特殊ルール追加と基本ルールの位置づけ:FXオプション失敗からの教訓 その3
- 最終回:スワップ派 もう一つの砦 ここまでの実績と今後の展開
- 参考資料:移動平均線とRSIを使用 MT4に設定する方法
最後まで読んでいただきありがとうございます。
FXオプションで使っているのはサクソバンク証券です。