低リスクで利益率10%戦略 FXオプションを使った方法と失敗時の対処
「利益率は年間10%くらいで十分、あとはリスクを減らしたい」
こんな気持ちでFX運用をされている方もいるかもしれません。
本当にリスクを抑えた形をお探しであれば、今回紹介する戦略は使えると思います。
スワップポイント以上の利益を「より低リスク」で取る
FXオプションを使えば、損する確率を確実に減らす事ができます。
利益をある程度確保しなhがらできるので「リスクを抑えて手堅い運用」がやり易くなります。
- 損する確率を減らす。
- 利益率はある程度を確保する。
この考えに基づいて作った実際のポジションはこちらです。
米ドル円108.450円のときに仕掛けたポジションです。
- 作成日:2020年2月3日
- FXオプション内容:米ドル円 プットオプション売り
- 作成時点の米ドル円:108.450円
- 権利行使価格:106.000円
- 権利行使期日:3月25日
- 売買数量10万通貨
- プレミアム:0.356
- 利益上限:0.356×10万通貨=35,600円
- 損益分岐点:106.000ー0.356=105.644円
連載読まれてきた方は、この表記で「あ〜、そういうことね」と思われているかもしませんね。
プットオプション売りは「上げ相場で利益・下げ相場で損失」で「利益限定・損失限定なし」という性質を持ちます。
損失となるかどうかのポイントは、権利行使日3月25日に権利行使価格106円を下回るかどうかです。
106円以上であれば上限利益35,600円を最終利益として確保できます。
そして、損益分岐点は105.644円です。
米ドル円108.450円時に・・・・
・・・です。
ポジションを作った時点では、「損する確率の低いポジション」であることは間違いありません。
権利行使日まで1カ月半くらいで35,600円の利益です。
100万円の資金でこういうポジションを1年に3回も仕掛ければ利益額は10万円くらいになります。これで利益率は10%です。
このポジション、期間が1ヶ月半ということは、続けて仕掛ければ1年に9回くらいいけるんじゃないの?
そうすれば、3.5万×9=31.5万円の利益も取れそうだね。
そういう計算が成り立つ年もあるかもしれませんね
でも、いつもうまくいく訳ではないんです。
時期を見ながら仕掛けていくべきなので、年に3回程度で利益率10%程度が無難に狙える水準かなと思っています。
繰り返しになりますが・・・
この方法、「損する確率を減らす」ことはできます。でも、絶対損しない訳ではありません。
このポジションでも、実際にそういう事態が起きています。
現実に起きた現象
この記事を書いている2020年3月9日の朝現在の米ドル円レートは104円前半です。
ここからさらに円高になりそうな気配も感じる状況です。
先程のポジションの権利行使価格106円を余裕で下回っていますね。
ポジションを作ったときは「ここから2円程度の下げなら満額利益を確保できる利益となりやすいポジション」でした。
最初の2週間くらいは調子が良かったのです。
米ドル円が112円くらいまで上昇したこともありました。
その時は、「もうちょっと数量増やしても良かったかな」なんて思ったくらいです。
でも、米ドル円はそのあと大きく下落しています。
「損する確率は低い」ものの、損失となるようなことは現実に必ず起きます。
なので、この戦略で攻める時は損失となったときの対処法は予め決めておくべきです。
対処法は2つあります。
単純に損きり
FXポジションとして保有継続する。
私のポジションの対処方針は、後者です。
大きく下落したときの私の対処方針
3月9日現在、このままいけばこのポジションは含み損状態のまま権利行使日を迎えることになるでしょう。
利益が出しやすいとはいっても、絶対に損しない訳ではないということを再認識させられる局面です。
私のポジションの処置方法はこれです
「権利行使日以降、FX買いポジションとして保有継続」
プットオプション売りは、権利行使日に権利行使価格を下回っていると権利行使価格で豪ドル円買いポジションが発生します。
私は、発生した豪ドル円買いポジションをそのまま保有していくという方針です。
過去記事でいくとこのパターンです。
参考記事:FXの実質買値を下げる方法と手順の事例
今回のケースだと、米ドル円が権利行使日に権利行使価格106円を下回ったままであれば、このFXオプションポジションはFXの米ドル円買いポジションへと変身します。
この買いポジションを、そのままサクソバンク証券で保有していくのも問題なくできます。
私の場合、買いスワップポイントの高いくりっく365にポジションに移動させるような形で保有していきます。
移動と書くと誤解してしまうかもしれませんが、ようするに・・・
サクソバンク証券損きり ⇒ くりっく365新規ポジション
・・・という売買をすることです。
売買数量10万通貨・権利行使価格106円で、移動時の米ドル円レートが102円台であれば、40万円程度の損きりになります。
損きりにはなっても、移動後のくりつく365買値が安くできるので問題はありません。
こうすることで、長期保有すればするほど高スワップポイント口座を使うメリットが大きくなっていきます。
2月のFXオプションを作った時期に戻って考えると、もともとは米ドル円108円台の時に作ったポジションです。
108円台でFX口座で買っていれば、米ドル円102円台での含み損は60万円以上でした。
それに比べれば、損失を大分減らせたという感じでもあります。
私の場合は、こんな感じにしておき、あとはスワップポイントを貯めながら米ドル円の上昇期を待つことになります。
「損失の確率を減らす」「リスクを減らして手堅く利益を取る」という目的の方には有効な戦略です。
何事も絶対はありませんので、今回の損失となりそうな事例は参考になるだろうと思います。
FXオプションからのスワップ投資 目次
- 第1回:FXオプションを使ってスワップポイント投資の安全性を高めた運用法
- 第2回:スワップポイント生活 低リスク+含み損減とできる方法実行中
- 第3回:FXオプション注文画面の見方「権利行使価格」「権利行使期日」「プレミアム」の仕組み
- 第4回:FXオプション プレミアム売買の仕組み
- 第5回:「途中決済」「スポット」「キャッシュ」の違い FXオプション決済方法
- 第6回:コールオプション買い「損失上限あり・利益上限なし」はこう使う
- 第7回:コールオプション売り「利益上限あり・損失上限なし」はこう使う
- 第8回:プットオプション買い 暴落相場をリスク限定で攻める有効な一手
- 第9回:プットオプション売り FXよりも安値でポジションが作れる仕組み
- 第10回:FXオプションからのスワップ投資 概観
- 第11回:スワップポイント生活の新しい形 手順1〜4
- 第12回:【準備】FXオプションからのスワップ投資 売買ルール編
- 第13回:【運用通貨選び】高スワップポイント手動は失敗の元
- 第14回:【運用資金目安】「リスク管理のための保有数量基準」について
- 第15回:【仕掛け方 3つの型】「一の型」「二の型」「三の型」考え方と基準
- 第16回:【FXオプション⇒FX変換後の運用ルール】 5つの攻め方
- 第17回:ポジション増のタイミング
- 第18回:FXオプション 運用上重要な基本事項 まとめ
- 第19回:「損するかもしれないリスク」と「大損するリスク」FXオプションで確実に軽減する方法
- 第20回:FXオプション 実践者が感じる4つのデメリット
- 第21回:「損失限定・小資金で勝負」「上げ相場でも下げ相場でもスワップ投資」
- 第22回:往来相場を狙うストラングル売り戦略 魅力と欠点
- 第23回:大きな変動相場を取るストラドル買い戦略 短期と長期 使い分けのポイント
- 第24回:低リスクで利益率10%戦略 概要と失敗時の対処法
- 第25回:FXオプションを使い始めてFXの成績も良くなったのはなぜ?
- 第26回:超高ボラティリティ相場で有効 ストラングル売り戦略
- 第27回:読者の声:スプレッド拡大期の対処について
- 第28回:FXオプションをFX投資家の「もう一つの収入源」にする
- 第29回:FXオプション失敗からの教訓【2020年3月】
- 第30回:玉帳記入徹底のすすめ FXオプション失敗からの教訓その1
- 第31回:FXオプションの玉帳記入方法
- 第32回:失敗しないためにログイン前に決めるべき3つの事:FXオプション失敗からの教訓 その2
- 第33回:特殊ルール追加と基本ルールの位置づけ:FXオプション失敗からの教訓 その3
- 最終回:スワップ派 もう一つの砦 ここまでの実績と今後の展開
- 参考資料:移動平均線とRSIを使用 MT4に設定する方法
最後まで読んでいただきありがとうございます。
FXオプションで使っているのはサクソバンク証券です。