ストラングルの売り 損きり遅れた実例
今回は、ストラングルの売りで損きりしないとどうなるかという現実のポジションをご紹介します。
参考記事:ストラングル売りについて
損きりしないとどうなるか
この戦略に限りませんが、FXオプションでも見込みが違いとなった時の対処法を予め決めておくようにすべきです。
決めないと、こんな事になります。
これは、私が実際に保有している「ストラングルの売り」ポジションです。
2022年5月11日、米ドル円130.23円の時の画像です。
解説すると・・・・
- 米ドル円プット売り 権利行使価格112円
- 米ドル円コール売り 権利行使価格117円
ポジション作ったのは、米ドル円が114.52円くらいの時でした。
仕掛けたときは、「まあまあかな」と思っていたのですが、その後に大変な値動きになりました。
米ドル円が急上昇を開始して、120円を超えて130円まで到達してしまったのです。
これによって、コール売りはプレミアム0.833で仕掛けたものが、13.119まで上昇してしまっております。
「売り」なので、プレミアムが上昇すればどんどん損失が増えていきます。
画像一番左の赤字、ー122,860円の含み損という状況なのです。
1万通貨でこれだけの含み損は大きいですよね。
状況変化に対応せずに放っておくとこういう事になってしまいます。
おい、大変じゃないか!何で、損きりしないんだよ。この連載のために放っておいた訳じゃないだろ。
はい、そんな訳はありません。
このポジションについては、別の仕掛けが絡んでいるんです。
その辺を詳しくご説明しましょう。
含み損を放っておいた理由
このストラングルの売りポジションは、これだけの仕掛けではありません。
種を明かすと、「ループイフダン」のポジションと組み合わせて作ったものなのです。
2月に作ったポジションです。
つまり、コール売りがどれほど含み損となっても、ループイフダン口座にそれ以上の含み益となっている米ドル円買いポジションがあるということなんです。
なので、この仕掛けについては心配ご無用となります。
じゃあ、あれかな。他の人も同じようにすれば大丈夫ってことか?
そうはいかないのです。
この仕掛けには、この仕掛けなりのリスクがあえいます。
それを理解しないで、使ってはいけません。
ループイフダン+ストラングルの売りのリスク
この「ループイフダン+ストラングルの売り」は、今回の上げ相場ではうまく機能してくれています。
上げ相場には強いんです・・・・どれだけ上げても大丈夫なんです。
でもですね。
下げ相場には弱いんです。
この仕掛け上げ相場ではこうなります。
- コール売り・・・・・含み損増加
- ループイフダン・・・含み益増加(コール売り含み損+2万円くらい)
- プット売り・・・・・11,650円利益
プット売りは、利益限定なのでこれ以上増えることはありません。
でも、全体として利益が損失を3万円くらい上回っている形です。
でも、これが権利行使価格112円を下回るような下げ相場ではこうなります。
- コール売り・・・・・8,330円利益
- ループイフダン・・・含み損増加(プット売り含み損+4万円くらい)
- プット売り・・・・・含み損増加
112円から5円も下げれば15万円クラスの含み損になります。
つまり、2万通貨分の損失を出すリスクを持っているのです。
米ドル円は2月時点で既に「大きく下げる可能性は薄い」と思える値動きを続けていました。
なので、今回は少し大き目のリスクを取って仕掛けたということなのです。
ストラングル売りにFX買いポジションを加えるやり方は、余程自信のあるとき以外はオススメできません。
私自身も、この時しかやっていません。
FXオプション講座2022 目次
- 第1回:コール買い プット買い 小資金で大儲けの理屈と落とし穴
- 第2回:コール売り・プット売りが勝ち易いのはなぜか?
- 第3回:「売り」で負けることもある 現実の事例
- 第4回:オプションの権利行使価格の見方使い方
- 第5回:最大損失を減らす方法 リスク調整その1
- 第6回:損しにくくする方法 リスク調整その2
- 第7回:インフレ対策にコール売りを使う
- 第8回:荒れ相場でFXオプションで起こる3つの現象
- 第9回:FXとFXオプション比較 6つの売買の復習
- 第10回:まちぶせ戦略・・利益を取りながら目標値まで待つ
- 第11回:一攫千金戦略・・大変動期で大きく狙う
- 第12回:ビッグヘッド戦略・・・長期目線での上げ相場狙い
- 第13回:ツインドラゴン戦略・・・攻撃力2倍で攻める
- 第14回:キングギドラ戦略・・・3倍の凄さとデメリット
- 第15回:ストラングルの売り・・高ボラティリティに仕掛けるメリット
- 第16回:損きりすべきときにしなかった実例
- 第17回:カバードコール戦略の特徴と仕掛け方
- 第18回:リアル運用:カバードコール戦略体験談
- 第19回:乗換技その1:買いポジションの含み損を減らす方法
- 第20回:乗換技その2:下げ相場で有利なポジションを作る方法
- 第21回:現実のポジション解説:下げ相場で有利なポジションを作る方法
- 第22回:乗換の技 その3 売りポジションの含み損を減らす方法
- 第23回:乗換の技 その4 コール売り⇒コール売り
- 第24回:乗換の技 その5 プット売り⇒プット売り
- 第25回:コール売り⇒プット売り 方向転換したいときの乗換
- 第26回:利益出しやすいFXオプション 成績公開しない理由
ここで使っているFXオプション口座はサクソバンク証券です。