キングギドラ戦略 FXオプションならではの攻め方
前回、上げ相場狙いのツインドラゴン戦略をご紹介しました。
プット売り1+コール売り2の割合で仕掛けることにより、リスクを抑
えて利益を大きく追及できる形にしています。
・下げ相場リスク10万通貨
・上げ相場リターン20万通貨
これでも、かなり強力なんですけどね。
この上げ相場を狙う力をもっと強力にすることが出来ますので、今回は
それをご紹介します。
仕掛け名は、「キングギドラ戦略」です
キングギドラ戦略とは
キングギドラについては、下記などをご参照ください。
参考記事:キングギドラとは
キングギドラは、映画「ゴジラ」に出てくる怪獣の一つです。「胴体一つに頭三つ」という異様な体形で、頭一つ一つが強力な攻撃力をもちます。
今回の戦略は、3倍の力で攻撃するというイメージで作っています。
つまり・・・
- 下げ相場リスク10万通貨
- 上げ相場リターン30万通貨
・・・の形です。
どうやって作るか、実際のレートを使ってご説明します。
キングギドラ戦略 仕掛け内容
キングギドラ戦略も、プット売り+コール買いという組み合わせで行います。
- 画像時点の為替相場:米ドル円127.59円
一見、ツインドラゴン戦略と同じです。
でも、そのままキングギドラ戦略に変更することは難しいので、一工夫入れています。
画像上の中でで、次の2つのようなポジションを作ります。
- 権利行使価格 127.50円
- 権利行使日 2022年10月12日
- 数量10万通貨
- プレミアム 3.846
- プレミアム受取金額:3.846×10万通貨=384,600円
- 権利行使価格 130.00円
- 権利行使日 2022年6月22日
- 数量30万通貨
- プレミアム 1.162
- プレミアム支払金額:1.162×30万通貨=348,600円
- 384,600円受取ー348,600円支払=36,000円受取
ポジションを作る時に、手出し資金なしで作るというのは、ビッグヘッド戦略・ツインドラゴン戦略と同様です。
キングギドラ戦略の工夫点は、権利行使日です。
プット売りとコール買いで権利行使日を変えています。
- プット売り 権利行使日10月12日
- コール買い 権利行使日 6月22日
コール買いの方が3カ月半短いですね。
同じ権利行使日でやると、プット売りの3倍のコール買いは、ちょっと難しいのです。
FXオプションは、期日が現在に近ければ近いほどプレミアムが下がってきます。
なので、プット売りよりも短期のコールで、3倍の買いポジションを作ることが可能になります。
ということで、長期のプット売りで大きいプレミアムを受取、短期のコール買いを3倍にすることで、攻撃的な仕掛けとなっています。
その時点の状況にもよるのですが、これくらいの調整でキングギドラ戦略を作ります。
目論見通り上昇すると、なかなか強力です。
FX VS キングギドラ戦略
米ドル円が現在値127.59円⇒140円に上昇した場合の損益を比較してみましょう。
FXの利益
- (140−127.59)×10万通貨=1,241,000円
キングギドラ戦略の利益
- (140−130)×30万通貨=3,000,000円
- 300万円÷124.1万円=2.4倍
下げ相場のリスクは、FXもキングギドラ戦略も10万通貨でほぼ同じです。
でも10円以上上昇するような局面では、2.4倍の利益差が出ます。
無論、良い事ばかりではありません。
コール買いの権利行使日後が寂しくなる
当然ながら、この仕掛けをして、想定通りに上昇しないこともあります。
特に、コール買いの権利行使期間は約2カ月と短いので早目に権利行使期日が到来します。
6月22日の権利行使日後に大きく上昇した・・・なんて事も有り得ますよね。
7月に米ドル円大上昇となっても、その時はコール買いは権利行使期日到来で消えてしまっていて、プット売りのみが残っていることになります。
そういう寂しいパターンも覚悟しておいてくださいませ。
これは、あれだな。仲良かった配偶者が無くなって寂しく老後を迎えたような感じだな。
う〜ん、近いような見当違いのような・・・ま、まあ、先にいきましょう。
もし仕掛けていあたらどうなったか。
この原稿を書いている4月28日現在、米ドル円は130円を超えてきています。
画像を撮った時点127.59円だったのですが、翌日には2円以上の上昇です。
たらればですけど・・・・昨日そのまま仕掛けておけば良かった・・・なんて、思ってしまいますね。
2022年4月辞典の為替相場は、「円安」に対してとても寛容であり、誰も止めようとしていないように感じます。
この環境と勢いが続く限り、さらに上げ続ける可能性も充分にあります。
キングギドラ戦略で勝負をかけるには、調度良い局面かもしれませんね。
キングギドラ戦略 メリット
- 大きく上昇したときの爆発力は抜群
- 仕掛け時の手出し資金は不要
- 下げ相場の含み損リスクは、プット売り数量分で済む
下げ相場ではFX同様のリスクを覚悟しながら、上げ相場でFX以上の爆発力を出せるのが、キングギドラ戦略の特徴です。
流れに乗った時は、凄いですよ。
キングギドラ戦略 デメリット及び留意点
- コール買いの権利行使期間が短期となる。
- 小さめの上昇だとFXの方が有利
- 下げ相場では、損失のリスクを負う。
コール買いは満期までの期日が短いので、比較的短期勝負にならざるをえません。
FXと同様とはいえ、下げ相場では含み損増加のリスクも負います。
メリット・デメリット両方を把握した上で、ご活用くださいませ。
FXオプション講座2022 目次
- 第1回:コール買い プット買い 小資金で大儲けの理屈と落とし穴
- 第2回:コール売り・プット売りが勝ち易いのはなぜか?
- 第3回:「売り」で負けることもある 現実の事例
- 第4回:オプションの権利行使価格の見方使い方
- 第5回:最大損失を減らす方法 リスク調整その1
- 第6回:損しにくくする方法 リスク調整その2
- 第7回:インフレ対策にコール売りを使う
- 第8回:荒れ相場でFXオプションで起こる3つの現象
- 第9回:FXとFXオプション比較 6つの売買の復習
- 第10回:まちぶせ戦略・・利益を取りながら目標値まで待つ
- 第11回:一攫千金戦略・・大変動期で大きく狙う
- 第12回:ビッグヘッド戦略・・・長期目線での上げ相場狙い
- 第13回:ツインドラゴン戦略・・・攻撃力2倍で攻める
- 第14回:キングギドラ戦略・・・3倍の凄さとデメリット
- 第15回:ストラングルの売り・・高ボラティリティに仕掛けるメリット
- 第16回:損きりすべきときにしなかった実例
- 第17回:カバードコール戦略の特徴と仕掛け方
- 第18回:リアル運用:カバードコール戦略体験談
- 第19回:乗換技その1:買いポジションの含み損を減らす方法
- 第20回:乗換技その2:下げ相場で有利なポジションを作る方法
- 第21回:現実のポジション解説:下げ相場で有利なポジションを作る方法
- 第22回:乗換の技 その3 売りポジションの含み損を減らす方法
- 第23回:乗換の技 その4 コール売り⇒コール売り
- 第24回:乗換の技 その5 プット売り⇒プット売り
- 第25回:コール売り⇒プット売り 方向転換したいときの乗換
- 第26回:利益出しやすいFXオプション 成績公開しない理由
ここで使っているFXオプション口座はサクソバンク証券です。