コール買い プット買い 小資金で大儲けの理屈と落とし穴
FXオプションの使い方について連載で形式ご紹介させていただきます。
FXオプションについての基本的な説明はこちらをご覧ください。
参考記事:FXオプションとは
FXオプションは、各運用法に組み込まれて、それぞれの特長に合わせて活用しているところです。
ここでは、ここ数年使い込んでのメリット・デメリットや有効な使い方などを中心に書かせて頂きます。
いや、それはダメだな。わかんないんだよね。FXオプションで、どうやったら儲かるかとかね。
では、簡単に復習してみましょう。
「儲け方」から見たFXオプション 4つの売買
先程の参考記事でも確認頂けるように、FXオプションでは4種類の売買ができます。
- コール買い(コールオプション買いのこと)
- コール売り(コールオプション売りのこと)
- プット買い(プットオプション買いのこと)
- プット売り(プットオプション売りのこと)
誤解されやすいのですが、4つの売買それぞれに「仕掛け⇒決済」があります。「コール買いの決済はコール売り」というものではありません。
4つの売買それぞれが、「別の性質」を持っているので、その違いを把握しておくことが大切です。
参考記事:FXオプションとは
参考記事では、オプションの教科書にあるような形で説明させて頂いております。
でも、これだと「結局使い方がわからない」というところで、ピンとこないかもしれません。
ここでは、サイト記事とは別の視点で4つの売買を説明させて頂きます。
その視点とは「儲け方」です。
FXオプションは、「買いで利益を出す」というだけでも2種類の売買があります。
この使い分けは、「どういう利益」を狙うかで決めています。
小資金で大きく狙う時は「買い」
小資金でリスクを押さえて大きな利益を狙いたい。そんな時に使えるのが「コール買い」「プット買い」の2つの売買です。
「コール買い」は上げ相場を狙う時、「プット買い」は下げ相場を狙う時、相場観に応じて使い分けていきます。
- コール買い:上げ相場を狙う(FXの買いポジションに相当)
- プット売り:下げ相場を狙う(FXの売りポジションに相当)
この2つの「買い」は、以下の特徴があります。
- 数千円からポジションを持てる。
- 失敗しても損失は限定される。
- 理屈上100倍になることもある。
FXであれば、「上げは買い・下げは売り」です。
FXオプションでは、ちょっと違うのですが、実際の売買を始めればすぐに慣れてしまうはずです。
では、「コール買いのケース」で、どんな感じで大きく儲けられるのかを説明させて頂きます。
コール買い 大きく儲ける仕組み
仮に、以下の状況としましょう。
- 豪ドル円現在値 83円
- 権利行使価格85円
- 権利行使日 2022年1月5日
- プレミアム 0.402
これは、記事を書いている時の現実のレートです。
このコール買いを1万通貨仕掛ける時には、資金が必要になります。
この資金をプレミアム代金といいます。
プレミアム代金:0.402×1万通貨=4,020円
1万通貨4,020円の資金でポジションが作れます。
これがこのポジションに必要な資金全額です。最大損失リスクもこの範囲内で済みます。
随分少ないですよね・・・。
通常、豪ドル円で1万通貨の買いポジションを作ると必要証拠金だけでも3.3万円ほど必要になります。
作り方にもよりますが、今回はその8分の1程度の資金でコール買いポジションが作れます。
しかも・・・失敗したときの損失は4,020円に限定・・・されます。
豪ドル円が大きく下げた場合でも、最大損失はプレミアム代金4.020円以上には絶対になりません。
これで狙い通りに豪ドル円が上昇した時は、利益を大きく狙えます。
豪ドル円が90円まで上昇するとどうなるか?
ポジションを作った後、豪ドル円が90円まで上昇した場合、どれくらいの利益が得られるか計算してみましょう。
- 90円ー権利行使価格85円=5円
- 1万通貨での利益:5円×1万通貨=50000円
- 損益計算:50000円ー4020円=45,980円
FXオプションは、証拠金取引ではないので、損益計算は株式取引に似た計算になります。
このケースだと、4,020円が50000円まで値上がりして、45,980円の利益がでています。
投下資金4,020円⇒利益額45,980円
・・・ですので10倍以上の利益ですよね。
実際に、10倍くらいになったことは何度かあります。
おお、なかなか面白いでないの!これで使ってどんどん勝負しようぜ!
この説明だけだとそう思いますよね。
でも、良い事ばかりではないので、そこも押さえておきましょう
利益の道は厳しいことも多い
先程は、仮定の話なのでサラリと利益がでていました。
でも、現実にはどうでしょうね?
仕掛けの部分を読み直して頂きたいのですが、豪ドル円が83円のときに権利行使価格85円のポジションです。
コール買いで大きく利益が狙えるようになるには、まずは権利行使価格まで豪ドル円が上昇する必要があります。
つまり、「現在値から2円以内の上昇だと最終利益確保は難しい」ってことです。
途中決済という方法もあるので、1.5倍や2倍程度で決済するつもりであれば2円上昇を待たなくても利益を出す方法はあります。
それでも、FXのように「スプレッド0.7銭抜けたら含み益」とはなりません。
つまり、「FXよりもリスク少なくできている」反面、「利益が出るようになるまで相応の値動きが必要」ということになります。
コール買い・プット買いを使う時は、これらの特長を理解したうえで使用していく必要があります。
この連載でつかっているのは、サクソバンク証券のFXオプション取引です。
FXオプション講座2022 目次
- 第1回:コール買い プット買い 小資金で大儲けの理屈と落とし穴
- 第2回:コール売り・プット売りが勝ち易いのはなぜか?
- 第3回:「売り」で負けることもある 現実の事例
- 第4回:オプションの権利行使価格の見方使い方
- 第5回:最大損失を減らす方法 リスク調整その1
- 第6回:損しにくくする方法 リスク調整その2
- 第7回:インフレ対策にコール売りを使う
- 第8回:荒れ相場でFXオプションで起こる3つの現象
- 第9回:FXとFXオプション比較 6つの売買の復習
- 第10回:まちぶせ戦略・・利益を取りながら目標値まで待つ
- 第11回:一攫千金戦略・・大変動期で大きく狙う
- 第12回:ビッグヘッド戦略・・・長期目線での上げ相場狙い
- 第13回:ツインドラゴン戦略・・・攻撃力2倍で攻める
- 第14回:キングギドラ戦略・・・3倍の凄さとデメリット
- 第15回:ストラングルの売り・・高ボラティリティに仕掛けるメリット
- 第16回:損きりすべきときにしなかった実例
- 第17回:カバードコール戦略の特徴と仕掛け方
- 第18回:リアル運用:カバードコール戦略体験談
- 第19回:乗換技その1:買いポジションの含み損を減らす方法
- 第20回:乗換技その2:下げ相場で有利なポジションを作る方法
- 第21回:現実のポジション解説:下げ相場で有利なポジションを作る方法
- 第22回:乗換の技 その3 売りポジションの含み損を減らす方法
- 第23回:乗換の技 その4 コール売り⇒コール売り
- 第24回:乗換の技 その5 プット売り⇒プット売り
- 第25回:コール売り⇒プット売り 方向転換したいときの乗換
- 第26回:利益出しやすいFXオプション 成績公開しない理由
ここで使っているFXオプション口座はサクソバンク証券です。