コール売り・プット売りが勝ち易いのはなぜか?
今回は「売り」についてです。
手堅くコツコツを利益を積み上げるのが好きな方は「売り」中心になる傾向があります。
そうなりたくなる理由が、ここでわかります。
FXオプションについての大まかな概要は以下で確認できます。
参考記事:FXオプションとは
では、始めさせていただきます。
高勝率で手堅く攻める「売り」の仕組み
前回、「小資金で大きく狙う時はコール買い・プット買い」ということを書かせて頂きました。
リスクを抑えて、運用資金が短期間で10倍に出来たりということも可能な反面、勝率は低目なのが「買い」の特徴です。
現実の売買では、連続で損が続くことも珍しくはありません。
「もっと手堅く勝てる方が良い」
・・・そう感じる方もいるはずです。
そういう方に向くのが、「コール売り・プット売り」の2つの「売り」です。
「売り」の特徴
「コール売り・プット売り」には、以下の特徴があります。
- 勝ち易い勝負ができる。
- 利益は限定・損失は限定されていない。
- 必要資金はFXと同じ金額が必要。
コール売り・プット売りは、狙う方向性で使い分けます。
- プット売り:上げ相場を狙う(FXの買いポジションに相当)
- コール売り:下げげ相場を狙う(FXの売りポジションに相当)
前回ご説明した「プット買い」は、下げ相場で大きく利益を狙うポジションでした。今回の「プット売り」は、上げ相場で利益を狙うものになっています。
プットの考え方は、FXとは真逆になるので混乱する方もいるかもしれません。
でも、やっていくうちに慣れますので心配はいりません。
これが、なぜ手堅く勝てるのかを次の説明させていただきます。
コール売り 手堅く勝てる仕組み
わかりやすくするために、現実のレートを使います。
この原稿を書いている2021年12月15日現在、以下の条件のポジションが作れます。。
- 豪ドル円現在値 80.917円
- 権利行使価格 82円
- 権利行使期日 2022年1月5日
- コール売り プレミアム0.443
- 数量 10万通貨
コール売りは、上げ相場で損失・下げ相場で利益で利益限定・損失限定なしという性質を持ちます。
このコール売りポジションを作ると、最初にプレミアム代金が受け取れます。
- 受取代金:0.443×10万通貨=44,300円
最初に利益が受け取れるというのは、最初のうちはかなりうれしい感じがすると思います。
でも、楽しい事ばかりではありません(笑)。
その特徴をしっかり把握しておかないといけないのは、FXと同じです。
「利益限定・損失限定なし」を、このポジションに当てはめると以下のようになります。
最大利益 44,300円
ここの理解は問題ないと思います。
損失の出方が、問題となる部分です。
損失が増えていく条件
「豪ドル円が、権利行使期日1月5日に権利行使価格82円以上であること」
豪ドル円が、権利行使期日1月5日に権利行使価格82円よりも上昇すればするほど、FXで82円の売りポジションを持っているのと同等の損失が発生します。
でも、最初に44.000円を受け取っているので損失が44,000円以内となる82.44円までは最終利益を確保できます。
それ以上の上昇となれば、1円について10万円の損失が増えていくこととなります。
・・・こんな具合です。
このコール売り、どう感じるでしょうね。
1円以上上昇しない限り最大利益が確保できる。
良い見方をすれば、豪ドル円が1円以上上昇しない限り利益を確保できるので、「勝ち易いポジション」であるということです。
実際、コール売りの勝率はかなり高いです。
このポジションでいけば、82円超とならない限り最大利益44,300円が受取れます。
期日までは約3週間です。
これ、勝てる可能性高いですよね。
3週間で、44,300円の利益が高勝率で受取れるとしたら、ちょっと魅力的ですよね。
実際、「FXオプションの売り」はセミプロ・プロがよく使うポジションと言われています。
損失自体もFXの売りポジションよりは少なくなる。
先程の書いたように、権利行使日に82.44円以上のの上げ相場となれば純損失となります。
ちなみに、権利行使日前に決済すると、FXオプションのプレミアム代金が上乗せされるので、FXよりも損失が大きくなります。
とはいえ、視点を変えて考えると、それほど悪条件という訳ではありません。
このコール売りを作った日の豪ドル円が80.917円だからです。
同日にFX口座で豪ドル円売りポジションを持っていたら、FXオプションよりもFXの方が損失が大きくなりますよね。
82。44円まで上昇しなければ損失にはならないので、1.5円くらい余裕がありますよね。
この辺をどう考えていくかで、使う戦略が違ってきます。
FXオプション講座2022 目次
- 第1回:コール買い プット買い 小資金で大儲けの理屈と落とし穴
- 第2回:コール売り・プット売りが勝ち易いのはなぜか?
- 第3回:「売り」で負けることもある 現実の事例
- 第4回:オプションの権利行使価格の見方使い方
- 第5回:最大損失を減らす方法 リスク調整その1
- 第6回:損しにくくする方法 リスク調整その2
- 第7回:インフレ対策にコール売りを使う
- 第8回:荒れ相場でFXオプションで起こる3つの現象
- 第9回:FXとFXオプション比較 6つの売買の復習
- 第10回:まちぶせ戦略・・利益を取りながら目標値まで待つ
- 第11回:一攫千金戦略・・大変動期で大きく狙う
- 第12回:ビッグヘッド戦略・・・長期目線での上げ相場狙い
- 第13回:ツインドラゴン戦略・・・攻撃力2倍で攻める
- 第14回:キングギドラ戦略・・・3倍の凄さとデメリット
- 第15回:ストラングルの売り・・高ボラティリティに仕掛けるメリット
- 第16回:損きりすべきときにしなかった実例
- 第17回:カバードコール戦略の特徴と仕掛け方
- 第18回:リアル運用:カバードコール戦略体験談
- 第19回:乗換技その1:買いポジションの含み損を減らす方法
- 第20回:乗換技その2:下げ相場で有利なポジションを作る方法
- 第21回:現実のポジション解説:下げ相場で有利なポジションを作る方法
- 第22回:乗換の技 その3 売りポジションの含み損を減らす方法
- 第23回:乗換の技 その4 コール売り⇒コール売り
- 第24回:乗換の技 その5 プット売り⇒プット売り
- 第25回:コール売り⇒プット売り 方向転換したいときの乗換
- 第26回:利益出しやすいFXオプション 成績公開しない理由
ここで使っているFXオプション口座はサクソバンク証券です。