FXオプションの特徴 その3:ポジション作ってすぐ利益がうれしい
FXオプションの特徴の3つ目は、「ポジション作ってすぐ利益がうれしい」です。
タイトルが「うれしい」ということでもあり、特徴というよりは「私の好きなとこと」と置き換えた方が正解かもしれませんね(苦笑)。
FXでは、ポジションを決済しない限り利益も損失もでません。
でも、FXオプションは利益を先取りできます。
決済または満期時に清算する仕組みなので、絶対儲かるという類のものではないのですが、私的にはなかなか重宝しています。
インフレ対策にも、コール売りを使っていますので、その辺は記事後半で書かせていただいています。
では、はじめましょう。
利益を最初に取れるのがうれしい
この仕組み、FXオプションやっていない方には理解しにくいかもしれません。
前回もちょっと書きましたけど、これなかなか便利なんです。
前回と同じ画像を使ってご説明します。
例えば、この画像で「118.00円のコールオプション売り」を10万通貨仕掛けると、0.548のプレミアム代金をポジションを作ったときに受取れます。
- 0.548×10万通貨=54,800円
ポジション作った時点で54,800円の受取なんです
この受取金額は、税金上は「利益」、最初に利益がでているというFXからみると不思議な現象ですよね。
この時点の米ドル円値は115円くらいで、権利行使価格は118円でした。
この画像をとった当時としては、「118円まではそう簡単にはいかないだろうから、まあ大丈夫かな」という水準ではありました。
でも、3月15日現在は118円に乗せてきているので、ちょっと怪しくなってきていますけどね。
このポジションの最終的な運命は権利行使日6月22日の米ドル円値で決まります。
6月22日の権利行使日に米ドル円が118円以下であればプレミアムはゼロになるので、清算日に支払はなく、54,800円は満額受取ということになります。
もしも、118円を超えて上昇するようであれば、その超えた分だけ損失になります。
- 118.548円:54,800円支払⇒最終損益0円
- 119.000円:100,000円支払⇒最終損益-45,200円損失
権利行使日に支払った代金と最初に受け取った代金を合計した金額が最終損益です。
こんな計算面倒くさいと思っている方もいるかもしれませんが、ご心配は要りません。
サクソバンク証券では、この最終損益はポジションを保有したときから横に表示されていますので忘れたりすることはないからです。
仕組みの説明はこの辺にしておいて、これをどう使っているかが大切ですよね。
最初に利益が取れるので、年末の収支合わせに使うという方法もあります。
私は、「インフレ対策ポジションでのお小遣い稼ぎ」で使っています。
インフレ対策ポジションとは?
2022年3月現在、世界はインフレ時代に突入したと言われています。
それも、ここ40年ぶりくらいの大きなインフレです。
言うまでもなく、インフレーションというのは現金のままにしておくと、その価値が下がっていく時代でもあります。
当然、銀行預金の金利なんてあてになりません。
現金のまま持っていて何もしなければ、どんどんお金が減っていく時代に入ったのです、何も対策をしなければ減っていくだけになります。
投資家の腕の見せ所ですね。
投資をする者であれば、こういう時期は「インフレ対策のためのポジション」をどうすべきか考えているはずです。
私の防衛策の一つは「米ドル保有」です。
こういう時期に強い値動きが期待できるのは、「金利上昇可能性が高い通貨」だからです。
半年くらい前より、長期前提の米ドル円買いポジションを数十万通貨保有しています。
でも、インフレ時代到来といってもガンガン米ドル円が上昇するわけでもありません。
たまには下がったりもします。
米ドル円買いポジションなので、スワップポイントが受取れるのですが、それほど大きな金額でもありません。
値動きも普段は鈍く、一気に上昇する時期がくるまではかなりの期間、往来相場が続くことになるでしょう。
その間、どうしましょうね。
長期間動かないような時期は、もうちょっと活用したいところです。その活用として「コール売り」を使ってます。
インフレ対策にコール売りを使う
コール売り・プット売りは、単独で使っても良いのですが、相場が急変動するような時はなかなか怖いものがあります。
そのリスクを軽減するには、買いポジションと組みわせが効果的です。
なので、FXで長期保有しているポジションがあるような時などは、そのポジションと組み合わせて使うと、お互いを補うような形にできます。
- FX買い+コール売り
- FX売り+プット売り
私は、先程述べたインフレ対策で米ドル円買いポジションにコール売りを組み合わせて利益増に繋げています。
例えばこんな感じです。
- 権利行使価格117.500円
- 権利行使日6月22日
- プレミアム1.000
現実に保有中のポジションなのですが、数字は説明のため数字は若干丸くしています。
こうしておくことで、プレミアム1.000×10万通貨=10万円を受取れます。権利行使日の米ドル円が117.500円以下であれば、この10万円は満額受け取れます。
満額受取となったときは、更に次のコール売りを入れれば、更に10万円なりの金額を受取れます。
米ドル円が下げたり、それほど上げない状況が続けば、このパターンでかなりの利益を増やせます。
でも、いつもうまくいく訳ではありません。
この記事を書いている3月15日時点で米ドル円は118.18円です。
権利行使価格の117.500円を超えてきているので、このままいけばコール売りポジションは損失になってしまいます。
こういう時は、FXポジションの一旦決済も検討します。
FXポジションには、FXオプションの含み損を大きく上回る利益が乗っているからです。
米ドル円が上がろうと下がろうと大きな損失を抱えずに済む仕組みです。
こんなことを繰り返して、単純に米ドル円買いを持つよりは少しでも利益を増やせるだろうという目論見で運用中です。
インフレ時代にも着実に資産を増やしていくための一助として参考になれば幸いです。
FXオプション講座2022 目次
- 第1回:コール買い プット買い 小資金で大儲けの理屈と落とし穴
- 第2回:コール売り・プット売りが勝ち易いのはなぜか?
- 第3回:「売り」で負けることもある 現実の事例
- 第4回:オプションの権利行使価格の見方使い方
- 第5回:最大損失を減らす方法 リスク調整その1
- 第6回:損しにくくする方法 リスク調整その2
- 第7回:インフレ対策にコール売りを使う
- 第8回:荒れ相場でFXオプションで起こる3つの現象
- 第9回:FXとFXオプション比較 6つの売買の復習
- 第10回:まちぶせ戦略・・利益を取りながら目標値まで待つ
- 第11回:一攫千金戦略・・大変動期で大きく狙う
- 第12回:ビッグヘッド戦略・・・長期目線での上げ相場狙い
- 第13回:ツインドラゴン戦略・・・攻撃力2倍で攻める
- 第14回:キングギドラ戦略・・・3倍の凄さとデメリット
- 第15回:ストラングルの売り・・高ボラティリティに仕掛けるメリット
- 第16回:損きりすべきときにしなかった実例
- 第17回:カバードコール戦略の特徴と仕掛け方
- 第18回:リアル運用:カバードコール戦略体験談
- 第19回:乗換技その1:買いポジションの含み損を減らす方法
- 第20回:乗換技その2:下げ相場で有利なポジションを作る方法
- 第21回:現実のポジション解説:下げ相場で有利なポジションを作る方法
- 第22回:乗換の技 その3 売りポジションの含み損を減らす方法
- 第23回:乗換の技 その4 コール売り⇒コール売り
- 第24回:乗換の技 その5 プット売り⇒プット売り
- 第25回:コール売り⇒プット売り 方向転換したいときの乗換
- 第26回:利益出しやすいFXオプション 成績公開しない理由
ここで使っているFXオプション口座はサクソバンク証券です。