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売り⇒買い 方向転換したいときの乗換

今回は、「方向転換をしたい時の乗換」です。

 

下げ見通しだったのが上げ見通しに変わったときなどに有効です。

 

 

コール売り⇒プット売りの乗換

 

乗換技の最後は、「コール売り⇒プット売りの乗換」です。

 

この技は、こんな時に使います。

 

  • そろそろ下げそうなのでコール売りを仕掛けていた。
  • でも、予想に反して上がってきている。
  • もっと上がりそうだ。
  • 損を出さずに「上げ相場に強いポジション」に切り替えたい

 

つまり、「売り⇒買いに方向転換したいけど、損失は出したくない」という心理状態です。

 

FXであれば、売りポジションで攻めていたけど上げ相場で含み損が増えているという状況です。

 

ここで方向転換するのであれば、「売り損きり⇒買い新規」というポジション操作をするしかありません。

 

FXでは、損失を出した売買しか出来ないですよね。

 

でも、FXオプションは「損失を出さずに方向転換」出来ます。

 

では、やってみましょう。

 

実際のやり方

 

画像1

 

 

この画像時点の米ドル円は、140.39円です。画像は、権利行使日2023年1月4日のオプションプレミアム表です。

 

仮にですが、138円の時に権利行使価格140.50円のコール売りポジション(薄赤色)を持っていたとしましょう。

 

そろそろ下げそうだということで「コール売り」を仕掛けたのですが、その後もジワジワと140.39円まで上昇してきました。

 

こいういう時って・・・

 

「まだ上げそうだ。上げに強いポジションにした方が良いかな」

 

・・・という気持ちになる時もありますよね。

 

もし、FXで138円の売りポジションを持っていれば、そこから2円以上上昇しているので10万通貨で20万円以上の含み損になっている状況です。

 

でも、FXオプションであれば損失を出さずに方向転換ができます。

 

薄赤色のコール売りを決済して、薄青色のプット売りを新規で作るという乗換売買を行います。

 

手順

 

  1. コール売り決済(プレミアム2.975):10万通貨で2.975×10万通貨=297.500円支払
  2. プット売り新規(プレミアム4.265):10万通貨で4.265×10万通貨=426,500円受取
  3. 売買収支:426,500円ー297.500円=129,000円

 

これで完了です。

 

コール売り決済は損失計上となるものの、プット売りで受取る利益はそれを上回るので、全体として利益を確保できています。

 

コール売りは、「上げ相場で損失・下げ相場で利益」で「利益限定・損失限定なし」という性質を持っています。

 

プット売りは、「上げ相場で利益・下げ相場で損失」で「利益限定・損失限定なし」という性質を持っています。

 

この乗換をしたことで、売買時点の収支は、129,000円の受取(利益)です。

 

もしも、この時点では新規のプット売りポジションは、決済すればプレミアム4.394(10万通貨で439,400円)支払が発生します。

 

でも、今後上げ気味に推移してくれるのであれば、プット売りのプレミアムは日数経過と共にゼロに近づいていきます。

 

「上げ転換」という見通しに狂いが無ければ、これでコール売りの損失を消して129,000円の利益を増やすことが出来るということになります。

 

 

いいじゃんか!これからは、これでいこうぜ!

 

まあ、一見そう見えるよね。
でも、良い事ばかりではない。
具体的に比較してみよう。

 

オプション乗換比較

 

この乗換によって、何が変わったのかをまとめてみます。

 

オプションの種類

 

  • 乗換前:コール売り(下げ相場で利益)
  • 乗換後:プット売り(上げ相場で利益)

 

コール売りだと、これ以上の上げでは含み損を大きく増やしかねないところでした。、

 

プット売りになったことで、上げ相場で利益を狙えるポジションとなっています。

 

権利行使価格

 

  • 乗換前:140.50円
  • 乗換後:140.00円

 

FXでいけば、140,50円の売りポジションを140.00円の買いポジションに変更したという感じになります。

 

何気に50銭有利になっています。

 

権利行使日

 

  • 乗換前:2023年1月4日
  • 乗換後:2023年1月4日

 

権利行使日は、変更ありません。ちなみに、いつも変更がない訳ではありません。

 

「短くなる」こともあれば「長くなる」こともあります。

 

この辺は、その時点の状況に応じて判断していきます。

 

損益

 

  • コール売り決済 ー297.500円
  • プット売り新規  426,500円
  • 差引損益    129,000円

 

今回の乗換売買による損益は、+129,000円です。

 

この後、米ドル円が上昇基調で推移してくれれば、権利行使日にはプット売りのプレミアムはゼロとなり、この損益が確定することになります。

 

FXの売り⇒買い乗換との比較

 

今回の乗換は、もともと138円の時にFXでの米ドル円売りポジションを作るところを権利行使価格140.50円のコール売りで仕掛けたというところから始まっています。

 

仮にですが・・・・・

 

FXで138円で売りポジションを作っていたらどうなっていたでしょう。

 

画像時点の米ドル円は、140.39円でしたので、そこで「売り決済⇒買い新規」としていればこうなっていたはずです。

 

  • 売り決済 (138−140.39)×10万通貨⇒239,000円損失
  • 買い新規 140.39円で約定

 

239,000円の損きりを覚悟して、ここからは買いで勝負という形ですね。

 

FXオプションの乗換であれば、この時点で売買全体で損失を出さずに済みます。

 

その代わり、この後米ドル円が145円とかに上昇したとしても、FXオプションは利益を増やすことができません。

 

FXであれば、買いポジションで大きく利益を伸ばせるところですが、FXオプションのプット売りは「利益限定」なので、その辺はFXに軍配があがります。

 

メリット:合計収支プラスで方向転換できる

 

この乗換をする一番のメリットは、ここです。

 

コール売り損失+プット売り利益=合計収支プラスですので、この乗換であれば方向転換は心理的負担軽めでできます。

 

損きりをためらっていたがために手遅れになる・・・そんな事態は避けることができます。

 

メリット:仕掛け値を有利に出来る

 

コール売り権利行使価格140.50円を権利行使価格140円のプット売りで乗換ています。

 

この売買で仕掛け値を50銭ほど有利にできました。

 

ここの部分は、その時点の状況でもっと調整が出来ます。

 

今回も、あと1円か2円有利にすることも出来ました。

 

その分だけプレミアム受取が減るので、利益は減ることになるんですけどね。

 

この辺も状況次第で選択肢がいくつもありますので、じっくり考えて実行されてください。

 

デメリット:利益限定であること

 

プット売りは、「上げ相場で利益・下げ相場で損失」で「利益限定・損失限定なし」という性質を持ちます。

 

このため、今回の乗換が成功しても、利益が大きく増えるようなことはありません。

 

大きく稼ぐつもりであれば、この乗換は使わない方が良いです。

 

デメリット:裏目にでるときもある。

 

上げそうだと思ったけれど、実際には下げだした。

 

そんな読みの逆となることだってあります。

 

こういう時は、プット売りは損失を増やすことになります。

 

こういうのでこじれることは、FXでもたまにありますよね。

 

見通しがはずれてしまえば、損を出してしまうのは、この乗換でも同じです。

 

この乗換が有効なケース

 

プット売りに乗換した後に下げだしたら、最悪の場合「買いポジション」で保有する。

 

こういう気持ちがある方は、この乗換は有効に使えるだろうと思います。

 

実は、私がそうです。

 

現在、私は少しづつ米ドル円買いポジションを増やしています。

 

これは、「日本円資産を守るには米ドルを保有するのが有効な方法の一つ」だと思っているからです。

 

米ドルの外貨預金にしておくのも良いのですが、FXで米ドル円買いポジションを保有する方が効率的です。

 

  • いつでも売買できる。
  • スプレッドが狭い。
  • スワップポイントが受取れる。
  • レバレッジがきかせられる。

 

既に数十万ドルの買いポジションを保有中です。

 

でも、ここまで上昇すると下げが怖くて、なかなか買い増しはできません。

 

「適度な下げ相場で買い増しをしたい」と、常に思っています。

 

プット売りが含み損を増やす状況というのは、「下げ相場到来」の時です。

 

つまり、私が「米ドルを買いたい」というタイミングと重なります。

 

投資家、それぞれでいろんな思惑があると思います。

 

ここで紹介した乗換技で、投資スタイルに合うものがあれば、是非試してみてくださいませ。


FXオプション講座2022 目次

 

 

ここで使っているFXオプション口座はサクソバンク証券です。

 

2022/09/20


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