ストラングルの売り戦略

ストラングルの売り戦略 FXオプション

6番目の戦略は「ストラングルの売り」です。

 

オプションの教科書には必ず書いてある戦略ですので、ご存じの方も多いかと思います。

 

 

ストラングル売りとは?

 

松井証券の公式ページではこう説明されています。

 

相場があまり動かないと予想した際に利用するストラテジー。相場が一定の範囲で動く場合に利益が得られ、オプションの売却額の合計が最大利益になる。相場が大きく変動した場合の損失は無限大。

 

引用URL:https://www.matsui.co.jp/service/fop/options/useful/strangle-short/

 

実際には、「相場があまり動かない」というよりは「動く幅はどれくらいか」の見通しを元に仕掛けていきます。

 

仕掛け方次第で相場がある程度動く「大き目の往来相場」でも有効な仕掛けができます。

 

今回ご紹介するパターンは、「大き目の往来相場に向く仕掛け」です。

 

少々大きく動いても利益を確保できます。

 

大き目の往来相場は、為替相場ではよくおこります。

 

米ドル円なども、「大きく動く時期」と「往来相場の時期」がかなりはっきりわかれています。

 

現在は、「大きく動く時期」ですよね。

 

でも、そろそろ「往来相場の時期」に入るかなと見ています。

 

そうなった時には、今回のストラングル売りは有効に使えます。

 

では、仕掛け内容からご説明します。

 

ストラングル売り 仕掛け

 

ストラングルの売りは、現在値よりも離れた値のコールとプットを売ります。

 

コール売り・プット売りともに、「利益限定・損失限定なし」ですが、「利益を出しやすく、損しにくい」という性質を持ちます。

 

この性質を活用することで、「大き目の往来相場で損しにくく、利益を出しやすい仕掛け」を作ることができます。

 

ストラングル売り

 

ストラングル戦略

 

  • 画像時点の米ドル円値 130.250円

 

この画像の薄赤色と薄青色のポジションを同時に仕掛けます。

 

プット売り(薄赤色)

 

  • 権利行使価格 125.00円
  • 権利行使日 2022年8月31日
  • 仕掛け数量 10万通貨
  • プレミアム 1.491
  • プレミアム受取代金:1.491×10万通貨=149,100円

 

コール売り(薄赤色)

 

  • 権利行使価格 134.00円
  • 権利行使日 2022年8月31日
  • 仕掛け数量 10万通貨
  • プレミアム 1.576
  • プレミアム受取代金:1.576×10万通貨=157,600円

 

2ポジションともに、現在値よりも離れたところで仕掛けています。

 

そして、両方でプレミアムを受取っているので、「利益の出る範囲」が広くなっていて、損しにくい形ができています。

 

最終利益を確保できる値幅滞

 

最終利益を確保できる範囲は、それぞれの権利行使価格に仕掛け時に受け取ったプレミアム合計額を考慮することで計算できます。

 

プレミアム受取額

 

  • 1.491+1.576=3.067

 

上げ相場での損益分岐点

 

  • コール権利行使価格134.00円+3.067=137.067円

 

下げ相場での損益分岐点

 

  • プット権利行使価格125.00円ー3.067=121.933円

 

今回の仕掛けは、米ドル円値が130.250円で行っています。

 

権利行使日に、121.933〜137.067円の範囲内に収まれば最終利益を確保できます。

 

最終利益=仕掛け時の受取金額+決済・満期時の支払金額

 

相場の値動き次第では、最初に受け取ったプレミアム代金を決済時に支払うことになるかもしれませんが、最終利益として利益を確保という形になります。

 

 

これだけ広ければ、損せずに済みそうだな。


 

確かに、そう思いますよね。

 

でも、やはり絶対はありません。

 

仕掛けの時は、誰もが「これは絶対利益」と思ってしまうんですけどね。

 

往来相場が続いた昨年くらいまでであれば、このストンラングルの仕掛けは、勝率100%に近いくらいで利益を出せたと思います。

 

でも、2022年以降はそんなに簡単には考えない方が良さそうです。

 

特徴その1:大き目のボックス圏相場向き

 

ストラングルの売りは、「大き目の往来相場・ボックス圏相場」に向く仕掛けです。

 

  • 仕掛け時米ドル円:130.250円

 

利益の出る範囲121.933〜137.067円

 

上げ相場約7円下げ相場約9円の範囲内であれば利益がでます。

 

この範囲は、仕掛ける時点の状況で調整していきます。

 

円安加速濃厚な状況などであれば、上げ相場の上限をもっと上にするような調整もできます。

 

通常の為替変動であれば、これくらいあればかなりの確率で最終利益にもって行けます。

 

特徴その2:仕掛けは長期になることが多い

 

現在値から離れたところで仕掛ける構造上、仕掛けるポジションは3カ月以上くらいの長目のポジションとなることが多いです。

 

そうしないと、仕掛ける権利行使価格自体が存在しないことが多いのです。

 

例えば、米ドル円130円で125円のプット売りを入れたいとしても、直近1カ月以内くらいでは125円の権利行使価格自体が提供されていないということがよくあります。

 

高ボラティリティ時期の利益率目安

 

ストラングルの売りは、現在値よりも離れたところを得るため、受取るプレミアムは少なくな目になりやすいです。

 

でも、2022年5月現在のようなボラティリティの高い時期には、プレミアムが高くなるため、受取る利益も大きくなります。

 

今回の仕掛けも、プット売り10万通貨・コール売り10万通貨の両方併せて合計利益額は306,700円です。

 

この仕掛けに必要な証拠金は、約110万円くらいです。私が仕掛けるとすれば、余裕資金を通常50万円程度加えて160万円くらい用意します。

 

権利行使期日までは約4ヶ月です。

 

今回のストラングル売りで期待できる利益率の目安

 

  • 資金160万円(余裕資金50万円込み)
  • 利益306,700円
  • 期間4ヶ月
  • 利益率:306,700円÷160万円=19.16%

 

計算上は、1年の間に3回仕掛けて成功すれば60%くらいの利益率が期待できます。

 

 

年利60%、凄いじゃないか!


 

ああ、でもこれは机上の計算に過ぎないんです。

 

利益率60%が絵にかいた餅である理由

 

先程の計算だけだと、ストラングル売りで利益率60%狙いなんてことをやりたくなるかもしれません。

 

でも、現実にはとても難しいです。

 

この利益率は、ボラティリティが高い今の時期だからこそ実現できるものだからです。

 

私がFXオプションに取り組んで5年くらいになるのですが、ボラティリティがここまで高くなったのは新型コロナウイルス初期の2020年前半以来です。

 

あの時でさえ、ボラティリティが高かった時期は半年くらいでした。

 

新型コロナウイルスによる世界の混乱は続いても、ボラティリティの高い時期というのはそれほど長くはないものです。

 

なので、今回もあと数ヶ月もすればボラティリティは段々と下がっていくだろうと見ています。

 

 

ってことは、今が仕掛け時ってことか?


 

まあ、そういう見方もできます。

 

一般的には、ボラティリティが高いということは「リスクが高い」という意味でもあるので、その辺を理解された上でポジション検討などされてください。

 

通常期に期待できる利益率目安

 

ボラティリティが落ち着いた通常期に今回の仕掛けをすると、受取れるプレミアムはコール売り+プット売り合計で1.0くらいです。

 

必要資金は160万円同じです。

 

通常期:ストラングル売りで期待できる利益率の目安

 

  • 資金160万円(余裕資金50万円込み)
  • 利益100.000円
  • 期間4ヶ月
  • 利益率:100,000円÷160万円=6.25%

 

大分減りますね。

 

それでも、1年に3回成功すれば利益率は20%近くになります。

 

でも、絶対じゃないんです。

 

絶対に儲かる訳ではないです。

 

損しそうな時の対処について

 

ストラングルの売りは、かなり広い値幅で利益を出せるものの、それを超えて値が動くような時期には損失を出すことになります。

 

調度、2022年4月の米ドル円上昇のようなケースです。

 

そういう時の対処法は、予め考えておかねばなりません。

 

放っておくと、大きな損失を出すリスクもあるからです。

 

私は、「含み損の貯まったポジションを損きり」することにしています。

 

  • コール売り・・・上げ相場で損失・下げ相場で利益
  • プット売り・・・下げ相場で損失・上げ相場で利益

 

今回の米ドル円上昇のようなときは、コール売りで含み損が大きくなっていますので、コール売りを損きりです。

 

プット売りは、暫くはそのままにしておきます。

 

コール売りを損きりしないといけないということは、プット売りにとっては「相当下がらない限り利益を確保できる状況」だからです。

 

つまり、米ドル円の方向性に変化が無ければ、黙って放っておけば利益が増えていきます。

 

コール売りの損失がいくらになるか次第ですが、こういう対処をすることで、大きな損失をすることはふせげます。

 

ストラングルの売り メリット

 

  • 損しにくく、手堅い利益が狙える。
  • ボラティリティの高い時期には利益率も高くなる。

 

手堅く勝ちたいときに使えるのがストラングルの売りです。

 

欲張らずに手堅く攻めるには良い仕掛けだと思っています。

 

 

ストラングルの売り デメリット

 

  • 大変動期には想定外の損失を出すこともある。
  • 利益率は低目

 

何事も絶対はありません。10円・20円一気に動くようなときに放っておくと、大きな損失となることも有ります。

 

対策として、私は「利益の出る範囲を超えた時」に片方のポジションの損きりを実施するようにしています。

 

 


FXオプション講座2022 目次

2022/05/12


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