FXオプション決済(清算)方法
FXオプションで混乱しがちな決済方法についてまとめました。
「途中決済」「キャッシュ」「スポット」と3種類あるんです。
取引を有利に進めるうえで重要な部分ですので、しっかりと理解しておきましょう。
決済の種類(清算方法)
FXオプションでのポジション決済には3つのパターンがあります。満期日到来による決済は、清算と呼んだ方が正確かもしれません。
- 途中決済
- 権利行使日(満期日)到来による現金精算
- 権利行使日(満期日)到来によるFXポジションへの変換
一つづつ説明させていただきます。
その1:途中決済
権利行使日到来前にFXオプションを決済する方法です。
FXオプションを仕掛けたときと同様に、「アスクービッド」で表示されたレートで決済注文をだします。
ちなみに、途中決済は成行注文のみとなります。FXでお馴染みの指値注文・逆指値注文などはありません。
これはいま保有中ポジションの決済注文画面です。
上段中央の薄赤色部分に「反対売買」となっています。
ここで保有しているのは5万通貨のプットオプション売りポジションです。
売りポジションなので、買い決済(アスク値)で0.376というのがこの画像の表示値です。。
この値で良ければ、右下の黄色い線で囲まれた0.376の大きな数字をクリックすると決済されます。
残り2つは、権利行使日(満期日)によるポジション清算です。
その2:権利行使日(満期日)到来による現金精算
権利行使日(満期日)に、その時点のプレミアム価値に従い、現金精算する方法です。
以下の場合に現金精算されます。
- 権利行使方法で「キャッシュ」を選択していた場合
- 権利行使方法で「スポット」を選択:満期日にアウトオブザマネーだった場合
アウトオヴザマネーとは、「満期時にプレミアムに価値がない=ゼロ円」という状態です。
例えばこんな感じです。
行使方法「キャッシュ」というのは、満期日の清算方法を「現金精算」だけとするものです。
FXオプションの清算方法には、もともと「現金精算」と「一定条件を満たした場合FXオプションに変換して保有」の2種類があります。
- 現金精算⇒行使方法「キャッシュ」
- 一定条件でFXオプションに変換する⇒「スポット」
行使方法は、ポジションを作ってからも何度でも変更ができます(権利行使前日は変更できないので注意)。
行使方法を「キャッシュ」とした場合は、どのような場合でも現金精算という形になります。
行使方法「スポット」とした場合は、現金精算とFXポジションに変更の2つのパターンがあります。
行使方法「スポット」+一定条件という状態になると権利行使日にFXオプションポジション⇒FXポジションに変換という現象がおきます。
それが3つ目の清算方法です。
その3:権利行使日(満期日)到来によるFXポジションへの変換
一定条件とは、「満期時にインザマネーだった場合」です。
インザマネーとは、「満期時にプレミアムに価値がある」という状態です。
先程のアウトオブザマネーとは逆の状態になります。
- 行使方法「スポット」に設定
- プレミアムがゼロのとき(アウトオブザマネー)は、現金精算で終了。
- プレミアムが0.1でも価値(インザマネー)があればFXポジション発生
これだけだとよくわかりませんよね。
もう少し説明を加えさせてください。
「満期時にプレミアムに価値がある」というのは、具体的にはこうなります。
- コールオプション:為替現在値>権利行使価格⇒権利行使日の為替値が権利行使価格以上に上昇の時
- プットオプション:為替現在値<権利行使価格⇒権利行使日の為替値が権利行使価格以下に下落の時
発生するポジションは、保有中のFXオプションポジションが「コールオプション」か「プットオプション」か「買い」か「売り」かによって4つのパターンに分かれます。
- コールオプション買い⇒FX買いポジション(含み益)
- コールオプション売り⇒FX売りポジション(含み損)
プットオプション買い⇒FX売りポジション(含み益)
プットオプション売り⇒FX買いポジション(含み損)
コールオプションとプットオプションでは、正反対のポジションが発生しているのが確認できるとおもいます。
それと発生するFXポジションの建値は「権利行使価格」になります。
なので、現在値が106円でも権利行使価格が110円であれば、110円の買いポジションまたは110円の売りポジションとなります。
この記事がそのパターンです。
参考記事:FXの実質買値を下げる方法と手順の事例
この時は、権利行使価格110円のプットオプション売りの権利行使でした。
これによって、米ドル円値が106円台にも関わらず110円の米ドル円買いポジションが発生しています。110円なので、最初から「含み損つきのFXポジション」です。
こんな感じで、このパターンで発生するFXポジションは、最初から「含み損」または「含み益」になるという特長もあります。
仕掛け時に受け払いしたプレミアム代金についてはそのままです。
なので、含み損が出ていても、プレミアム受取代金も考慮すると合計では利益になっているようなこともあります。
一見「キャッシュ」よりも「スポット」の方が有利に見えることもあるかもしれません。
FXポジションにしておいて含み損が含み益になるまで待とうという戦略も取れるからです。
でも、行使方法「キャッシュ」と「スポット」で、権利行使時点で有利不利ということはありません。
含み損益を表に出すかどうかの違いですので、その辺は混乱されないようにされてください。
FXオプションからのスワップ投資 目次
- 第1回:FXオプションを使ってスワップポイント投資の安全性を高めた運用法
- 第2回:スワップポイント生活 低リスク+含み損減とできる方法実行中
- 第3回:FXオプション注文画面の見方「権利行使価格」「権利行使期日」「プレミアム」の仕組み
- 第4回:FXオプション プレミアム売買の仕組み
- 第5回:「途中決済」「スポット」「キャッシュ」の違い FXオプション決済方法
- 第6回:コールオプション買い「損失上限あり・利益上限なし」はこう使う
- 第7回:コールオプション売り「利益上限あり・損失上限なし」はこう使う
- 第8回:プットオプション買い 暴落相場をリスク限定で攻める有効な一手
- 第9回:プットオプション売り FXよりも安値でポジションが作れる仕組み
- 第10回:FXオプションからのスワップ投資 概観
- 第11回:スワップポイント生活の新しい形 手順1〜4
- 第12回:【準備】FXオプションからのスワップ投資 売買ルール編
- 第13回:【運用通貨選び】高スワップポイント手動は失敗の元
- 第14回:【運用資金目安】「リスク管理のための保有数量基準」について
- 第15回:【仕掛け方 3つの型】「一の型」「二の型」「三の型」考え方と基準
- 第16回:【FXオプション⇒FX変換後の運用ルール】 5つの攻め方
- 第17回:ポジション増のタイミング
- 第18回:FXオプション 運用上重要な基本事項 まとめ
- 第19回:「損するかもしれないリスク」と「大損するリスク」FXオプションで確実に軽減する方法
- 第20回:FXオプション 実践者が感じる4つのデメリット
- 第21回:「損失限定・小資金で勝負」「上げ相場でも下げ相場でもスワップ投資」
- 第22回:往来相場を狙うストラングル売り戦略 魅力と欠点
- 第23回:大きな変動相場を取るストラドル買い戦略 短期と長期 使い分けのポイント
- 第24回:低リスクで利益率10%戦略 概要と失敗時の対処法
- 第25回:FXオプションを使い始めてFXの成績も良くなったのはなぜ?
- 第26回:超高ボラティリティ相場で有効 ストラングル売り戦略
- 第27回:読者の声:スプレッド拡大期の対処について
- 第28回:FXオプションをFX投資家の「もう一つの収入源」にする
- 第29回:FXオプション失敗からの教訓【2020年3月】
- 第30回:玉帳記入徹底のすすめ FXオプション失敗からの教訓その1
- 第31回:FXオプションの玉帳記入方法
- 第32回:失敗しないためにログイン前に決めるべき3つの事:FXオプション失敗からの教訓 その2
- 第33回:特殊ルール追加と基本ルールの位置づけ:FXオプション失敗からの教訓 その3
- 最終回:スワップ派 もう一つの砦 ここまでの実績と今後の展開
- 参考資料:移動平均線とRSIを使用 MT4に設定する方法
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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