「損失限定・小資金で勝負」「上げ相場でも下げ相場でもスワップ投資」という使い方 FXオプションメリット
FXオプションのメリットを活かした使い方についてまとめています。
「損失限定・小資金で勝負」「上げ相場でも下げ相場でもスワップ投資」の2つのやり方をご紹介します。
FXオプションのメリット
ここまで使ってきて、FXオプションのメリットはいくつも感じています。
ここでは、その中の主要な使い方・メリットをご紹介させていただきます。
連載で既に紹介したものもあれば、まだ紹介出来ていないものもあります。
FXオプションはかなり奥が深いので、売買の参考になればと思います。
損失限定+小資金での売買
これに該当するのは、「コールオプション買い」と「プットオプション買い」です。
この画像をご覧ください。
2020年2月24日米ドル円111.55円のときの権利行使日3月11日のコールオプションプレミアムです。
青色部分を一部抜き出してみましょう。
- 権利行使価格109.50円 プレミアム2.162
- 権利行使価格110.00円 プレミアム1.152
- 権利行使価格111.00円 プレミアム0.982
- 権利行使価格112.00円 プレミアム0.466
- 権利行使価格113.00円 プレミアム0.210
- 権利行使価格113.50円 プレミアム0.145
米ドル円コールオプション買い1万通貨に必要な資金は「プレミアム×1万通貨」です。
権利行使価格113.50円のコールオプション買いを1万通貨作るのであれば、計算はこうなります。
- プレミアム0.145×1万通貨=1,450円
このコールオプション買いの必要資金も最大損失も1,450円です。
そして、必要資金も1,450円です。FXなどのように必要証拠金などはいりません。
FXオプションの「買い」は、損失限定になっているため、それ以上の資金は要らない仕組みになっています。
FXで1万通貨の米ドル円買いポジションを保有するには、必要証拠金だけで4.4万円程度は必要になります。
それが1,450円で済みます。
損失も最大1,450円ですので、「ここから米ドル円が大きく上昇しそうだ」と感じる局面では、小資金で勝負ができます。
でも、111.55円で権利行使価格113.50円だと、権利行使日までにそこまで上がる可能性は随分薄いよね。「負け濃厚」すぎるんじゃないのか?
はい、権利行使日まで保有するのが前提だとそうなります。
こういうときは「途中決済」も視野にいれてやるといいです。
権利行使日には113.50円までいかなくても、権利行使日までの間に1円や2円上昇する局面だったらあるかもしれないですよね。
例えば、数日後に米ドル円が1円上昇するようなことがあると、このプレミアムは0.3くらいに上昇したりします。
0.145買い ⇒ 0.3に上昇・・・・てな感じです。
つまり、最初に入れた資金が2倍になったということです。
こういう売買で利益を狙うつもりで作ると面白い勝負ができます。
小資金での勝負は現在値から離れた権利行使価格の売買をするのが普通です。
権利行使日まで保有するのも良いのですが、「●倍になったら決済」という基準を決めておくのも面白いです。
あまり記事にはしていませんだ、豪ドル円や米ドル円で1万円くらいのオプション買いをいれて、2万円で決済するパターンの実験売買を何度かやっています。
いずれ記事にまとめる予定ですが、「損失限定+小資金」の特長を活かす方法として使えます。
上げ相場・下げ相場関係なくスワップ投資
FXでは、スワップポイント受取のためには「買い」または「売り」のどちらかにこだわらねばなりません。
- メキシコペソ円なら買いポジション
- ユーロドルなら売りポジション
FXオプションは、「売り」でも「買い」でもプレミアム受取ができます。
つまり、FXのスワップ投資と同等のことが「上げ相場」でも「下げ相場」でも関係なくできてしまうのです。
方法も簡単で、ポジションを「売り」で取るだけです。
つまり「コールオプション売り」「プットオプション売り」です。
先程の画像と同じコールオプション画面ですが、薄青色部分が違います。
これは「コールオプション売り」を仕掛ける場合のプレミアム領域を示しています。
コールオプション売りは、「上げ相場で損失・下げ相場で利益」で「利益限定・損失限定なし」という性質を持ちます。
「上げ相場で損失・下げ相場で利益」ですのでXの米ドル円売りポジションと同じ方向性のポジションです。
FXであればマイナススワップポイントになるポジションです。
でも、コールオプション売りは「プレミアム受取」ができるので受け取れる側で勝負ができます。
利益を出しやすいという特長もあります。
「今後米ドル円が下がりそうだ。深追いをするつもりはないけれど少し利益を出したい」
そんな時にピッタリのポジションです。
受け取れるプレミアムはこうなります。
- この画像の米ドル円値 111.55円
- 権利行使価格109.50円 プレミアム2.062
- 権利行使価格111.00円 プレミアム0.888
- 権利行使価格112.00円 プレミアム0.375
- 権利行使価格113.00円 プレミアム0.112
権利行使価格が安値になればなるほど受け取れるプレミアムは高くなります。
どうしてかしら?
ここは権利行使価格と現在値との関係でみて頂くとわかりやすいかもしれません。
権利行使価格が109.50円ということは、権利行使日に米ドル円が109.50円以下に下がらなければ・・・・109.50円の売りポジションが発生する・・・ということです。
もしも、現在値111.50円の段階で109.50円の売りポジションを保有していれば2円相当の含み損がでている状況です。
含み損2円相当ある権利行使価格で勝負するのですから、その分を考慮したプレミアム値になっているということなんです。
ここから大きく下げそうな時には、現在値よりも安値の権利行使価格で仕掛けるという戦略もあるとは思いますが、今のところ私は使ってはいません。
私が仕掛けるのは、「権利行使価格112.00円 プレミアム0.375」くらいのポジションです。
下げ相場狙いといっても、現在値が111.55円ですので「少しくらい上昇しても利益が確保」できる仕掛けです。
3月11日の権利行使日に112円以下であれば以下の利益が全額確定します。
- コールオプション売り1万通貨⇒0.375×1万通貨=3.750円受取
- コールオプション売り10万通貨⇒0.375×10万通貨=37,500円受取
0.375は、FXの利益値幅にすれば37.5銭に相当します。
「下げ相場をサクッと取っておく」という感じの売買をするのであれば、ちょうどよい感じです。
上げ相場でこれと同じことをやるときは「プットオプション売り」を使います。
- 上げ相場狙い:プットオプション売り
- 下げ相場狙い:コールオプション買い
この使い方は、スワップ投資をより効率的にやっていきたいという方にはとても有益なものになるはずです。
「下げるかもしれない。でもスワップポイントを受け取るには買いポジションしかない」というのが今までのスワップ投資で有りがちなことでした。
これからは「下げ濃厚なのだから、下げ相場でプレミアム受取ができるポジションで攻めよう」ということができます。
この部分は、私も現在研究中のところです。
FXオプションからのスワップ投資 目次
- 第1回:FXオプションを使ってスワップポイント投資の安全性を高めた運用法
- 第2回:スワップポイント生活 低リスク+含み損減とできる方法実行中
- 第3回:FXオプション注文画面の見方「権利行使価格」「権利行使期日」「プレミアム」の仕組み
- 第4回:FXオプション プレミアム売買の仕組み
- 第5回:「途中決済」「スポット」「キャッシュ」の違い FXオプション決済方法
- 第6回:コールオプション買い「損失上限あり・利益上限なし」はこう使う
- 第7回:コールオプション売り「利益上限あり・損失上限なし」はこう使う
- 第8回:プットオプション買い 暴落相場をリスク限定で攻める有効な一手
- 第9回:プットオプション売り FXよりも安値でポジションが作れる仕組み
- 第10回:FXオプションからのスワップ投資 概観
- 第11回:スワップポイント生活の新しい形 手順1〜4
- 第12回:【準備】FXオプションからのスワップ投資 売買ルール編
- 第13回:【運用通貨選び】高スワップポイント手動は失敗の元
- 第14回:【運用資金目安】「リスク管理のための保有数量基準」について
- 第15回:【仕掛け方 3つの型】「一の型」「二の型」「三の型」考え方と基準
- 第16回:【FXオプション⇒FX変換後の運用ルール】 5つの攻め方
- 第17回:ポジション増のタイミング
- 第18回:FXオプション 運用上重要な基本事項 まとめ
- 第19回:「損するかもしれないリスク」と「大損するリスク」FXオプションで確実に軽減する方法
- 第20回:FXオプション 実践者が感じる4つのデメリット
- 第21回:「損失限定・小資金で勝負」「上げ相場でも下げ相場でもスワップ投資」
- 第22回:往来相場を狙うストラングル売り戦略 魅力と欠点
- 第23回:大きな変動相場を取るストラドル買い戦略 短期と長期 使い分けのポイント
- 第24回:低リスクで利益率10%戦略 概要と失敗時の対処法
- 第25回:FXオプションを使い始めてFXの成績も良くなったのはなぜ?
- 第26回:超高ボラティリティ相場で有効 ストラングル売り戦略
- 第27回:読者の声:スプレッド拡大期の対処について
- 第28回:FXオプションをFX投資家の「もう一つの収入源」にする
- 第29回:FXオプション失敗からの教訓【2020年3月】
- 第30回:玉帳記入徹底のすすめ FXオプション失敗からの教訓その1
- 第31回:FXオプションの玉帳記入方法
- 第32回:失敗しないためにログイン前に決めるべき3つの事:FXオプション失敗からの教訓 その2
- 第33回:特殊ルール追加と基本ルールの位置づけ:FXオプション失敗からの教訓 その3
- 最終回:スワップ派 もう一つの砦 ここまでの実績と今後の展開
- 参考資料:移動平均線とRSIを使用 MT4に設定する方法
最後まで読んでいただきありがとうございます。
FXオプションで使っているのはサクソバンク証券です。