FXオプションをFX投資家の「もう一つの収入源」にする
FXオプションは、FX投資家にとってもう一つの収入源になる存在です。
特にスワップポイント目的の投資をするスワップポイント派にとっては相性が良いです。
スワップポイント派にとってのFXオプションの可能性
FXでスワップポイント目的の運用をされている方にとって、FXオプションは有益な仕組みをいくつも持っています。
- 上げ相場でも下げ相場でも「プレミアム受取側」で売買ができる。
- リスクを抑えて利益を確保する方法ができる。
- スワップポイントとプレミアムの両方取りもできる。
FXオプションの活用は、大きな可能性を秘めています。
これまでのFXでのスワップポイント投資を、リスクを減らしながら収益力を強化していけるからです。
いずれも、これまでの連載で触れてきたことです。
上げ相場でも下げ相場でも「プレミアム受取側」で売買ができる。
FXならマイナススワップポイントとなるポジションでも、FXオプションでは「プレミアム受取側」での仕掛けが可能です。
リスクを抑えて利益を確保する方法ができる。
参考記事:低リスクで利益率10%戦略
FXオプションでは、利益とリスクの調整ができます。
リスクとリターンの原則にもとづき「ハイリスク・ハイリターン」にするのも「ローリスク・ローリターン」にするのも自由にできます。
なので、「利益率は低いがリスクも低めにする」という仕掛けも簡単にできてしまいます。
スワップポイントとプレミアムの両方取りもできる。
FXのスワップポイントとFXオプションのプレミアムを低リスクで取るという戦略もあります。
代表的な戦略が「カバードコール」です。
- FXで米ドル円買いポジション
- FXオプションでコールオプション売りポジション
コールオプション売りは、「上げ相場で損失・下げ相場で利益」で「利益限定・損失限定なし」という性質を持ちます。
このコールオプションを、FXの米ドル円買いポジションとセットで保有していきます。
こうすることで、FXのスワップポイント受取+FXオプションのプレミアム受取の両方が可能となります。
そして、全体の損失可能性も減ります。
- 上げ相場でFX利益+FXオプション損失=全体としては利益
- 下げ相場でFX損失+FXオプション利益=下げ方によって分かれる
2つのポジションが助け合うような形の損益構造となります。
FXオプションの利益は限定されているので、3月前半のような大きな下げだとFXの含み損をカバーするようなことはできません。
全体として手堅い運用をするための戦略として有効です。
これ以外にも、FXオプションにはFXにはない可能性があります。
スワップポイント減少時代での収入源確保
2020年3月末現在、米ドルなど主要通貨の金利が軒並みゼロ金利に近い状況になっています。
「先進国総ゼロ金利時代」
極端ですが、そんな時代に突入しています。
米国・欧州・豪・日本など主だった先進国はほとんどがゼロ金利に近いかまたはマイナス金利です。
新型コロナウイルスによる異常現象ではあるものの、この騒動が落ち着き経済が活気を取り戻すまでは金利引き上げを再開する国はないと思われます。
南アフリカランドやメキシコペソなどは、まだまだ高金利ではあるものの、大変動期には暴落のリスクもあるため、本当に長期保有で資産増加ができるかどうかは微妙なところです。
こういう時代に「スワップポイントにこだわった運用」はリスクが大きくなりがちです。
FXでのスワップポイントにこだわれば、運用対象通貨ペアは新興国高金利通貨ペアに限られてしまうからです。
無論、昨年のように高金利通貨が堅調となる時期もあるのでこの選択が絶対に損をするという訳でもありません。
でも、「先進国が総ゼロ金利時代に、なぜその国が高金利を維持しないといけないのか」という背景は、意識しておかねばなりません。
新型コロナウイルス騒動の後は「景気後退期」が到来するといわれています。景気後退期は、高金利通貨ペアが暴落し易い時期でもあります。
私は、こういう時期に高金利通貨を保有する気にはなれません。
保有するとしても、スワップポイントサヤ取りで両建てにする形での運用中心です。
でも、FXオプション運用の知識も持っていると、このゼロ金利時代でも別の視点が持てます。
FXオプションのプレミアムが、FXのスワップポイントに近い性質があるからです。
リスクを抑えながら、「スワップポイント」と「プレミアム」を着実に獲得していく。
私の「FXオプションからのスワップ投資」も、この辺を意識しながらやっています。
運用通貨は、先進国の代表通貨ペアである「米ドル円」のみです。
ある程度運用ルールも固まってきました。
ゼロ金利に近い先進国通貨でもそれ相応の利益を出していけるところをお見せしたいと思っています。
FXオプションからのスワップ投資 目次
- 第1回:FXオプションを使ってスワップポイント投資の安全性を高めた運用法
- 第2回:スワップポイント生活 低リスク+含み損減とできる方法実行中
- 第3回:FXオプション注文画面の見方「権利行使価格」「権利行使期日」「プレミアム」の仕組み
- 第4回:FXオプション プレミアム売買の仕組み
- 第5回:「途中決済」「スポット」「キャッシュ」の違い FXオプション決済方法
- 第6回:コールオプション買い「損失上限あり・利益上限なし」はこう使う
- 第7回:コールオプション売り「利益上限あり・損失上限なし」はこう使う
- 第8回:プットオプション買い 暴落相場をリスク限定で攻める有効な一手
- 第9回:プットオプション売り FXよりも安値でポジションが作れる仕組み
- 第10回:FXオプションからのスワップ投資 概観
- 第11回:スワップポイント生活の新しい形 手順1〜4
- 第12回:【準備】FXオプションからのスワップ投資 売買ルール編
- 第13回:【運用通貨選び】高スワップポイント手動は失敗の元
- 第14回:【運用資金目安】「リスク管理のための保有数量基準」について
- 第15回:【仕掛け方 3つの型】「一の型」「二の型」「三の型」考え方と基準
- 第16回:【FXオプション⇒FX変換後の運用ルール】 5つの攻め方
- 第17回:ポジション増のタイミング
- 第18回:FXオプション 運用上重要な基本事項 まとめ
- 第19回:「損するかもしれないリスク」と「大損するリスク」FXオプションで確実に軽減する方法
- 第20回:FXオプション 実践者が感じる4つのデメリット
- 第21回:「損失限定・小資金で勝負」「上げ相場でも下げ相場でもスワップ投資」
- 第22回:往来相場を狙うストラングル売り戦略 魅力と欠点
- 第23回:大きな変動相場を取るストラドル買い戦略 短期と長期 使い分けのポイント
- 第24回:低リスクで利益率10%戦略 概要と失敗時の対処法
- 第25回:FXオプションを使い始めてFXの成績も良くなったのはなぜ?
- 第26回:超高ボラティリティ相場で有効 ストラングル売り戦略
- 第27回:読者の声:スプレッド拡大期の対処について
- 第28回:FXオプションをFX投資家の「もう一つの収入源」にする
- 第29回:FXオプション失敗からの教訓【2020年3月】
- 第30回:玉帳記入徹底のすすめ FXオプション失敗からの教訓その1
- 第31回:FXオプションの玉帳記入方法
- 第32回:失敗しないためにログイン前に決めるべき3つの事:FXオプション失敗からの教訓 その2
- 第33回:特殊ルール追加と基本ルールの位置づけ:FXオプション失敗からの教訓 その3
- 最終回:スワップ派 もう一つの砦 ここまでの実績と今後の展開
- 参考資料:移動平均線とRSIを使用 MT4に設定する方法
最後まで読んでいただきありがとうございます。
FXオプションで使っているのはサクソバンク証券です。