FXオプション注文画面の見方「権利行使価格」「権利行使期日」「プレミアム」の仕組み
わかりにくいと言われているFXオプション注文画面の見方を用語解説とともにまとめました。
FXオプションは多彩な攻めができる優れた投資商品です。
慣れて、使いこなしていきましょう。
使うFXオプション注文の紹介
「FXオプションからのスワップ投資」で使うFXオプションポジションについてご説明します。
FXオプションについては下記ページにてまとめています。
参考記事:FXオプションとは
ただ、大まかすぎて具体的な部分がつかみにくいだろうと思ています。
ここでは、今回の売買で「何を」「どのように」使っていくのかという視点で説明させていただきます。
最初に、FXオプションの画面をみながら基礎事項の復習をしておきましょう。
FXオプション画面 解説
サクソバンク証券のFXオプション画面を元に説明をさせていただきます。
これが、サクソバンク証券FXオプション取引画面です。
FXもFXオプションも「為替相場をもとに売買する投資商品」です。
FXは為替の現在値そのものを売買します。
画像左上に米ドル円の現在値が表示されています。
拡大してみましょう。
いつもであればサクソバンク証券の米ドル円スプレッド0.1〜0.3銭くらいなのですが、画像は朝7時10分ごろだったこともあり少し拡がっているところです。
この現在値でのFXオプション値がその下に表示されています。
FXオプションは、為替値の権利を売買します。
権利は、コールオプション=買う権利・プットオプション=売る権利の2種類あります。
画像左側が「コール」の列がコールオプション、右側「プット」の列ががプットオプションです。
ビッドとアスクは、FXと同じで「買いならアスク」「売りならビッド」値を売買します。
つまり、コールオプション・プットオプションそれぞれに「売り」「買い」ができます。
FXオプションの売買種類は、大きく4つあることになります。
- コールオプション買い(米ドル円買いポジションと似た性質)
- コールオプション売り(米ドル円売りポジションと似た性質)
- プットオプション買い(米ドル円売りポジションと似た性質)
- プットオプション売り(米ドル円買いポジションと似た性質)
似た性質ですので、同じではありません。
具体的には「利益の出方・損失の出方」が違います。
この大雑把な違いはここでまとめています。
参考記事:FXオプションとは
連載中に売買に沿った形で詳しく書かせていただく予定です。。
ここで表示されている値はプレミアムと呼ばれています。
このプレミアムは、「権利行使価格」「権利行使期日」の組み合わせでいくつもの種類があります。
この仕組みによって、FXとは違った売買が可能となります。
- 現在値110円で107円のコールオプションを売買する。
- 2019年11月に2020年3月の米ドル円107円の売買をする。
例えば、現在値よりも下値で「米ドル円買いポジション」と同じようなポジションを持てば「損をしにくいポジション」なんてのも作れます。
こんな売買です。
このプットオプション売りは、「米ドル円が上昇すれば利益・下落すれば損失」というポジションです。
このポジションで権利行使価格は107円というのは、権利行使日(満期日)に107円以上であれば利益を確保できるというものになります。
現在値よりも下落しても利益確保ができるため「損をしにくいポジション」という訳です。
これらの性質を考慮しながら、自分の目的に応じて、「どの権利を売買するか」を選び注文をだします。
右上「満期」となっているのが「権利行使期日」左側薄赤色部分が「権利行使価格」です。
権利行使期日は、毎週水曜日のNY時間となっていて、最長半年くらい先までのものが提供されています。
投資家は、自分の戦略に合わせて使い分けていきます。
- 「コールオプション」または「プットオプション」
- 「買い」か「売り」
- 「権利行使日」をいつにするか
- 「権利行使価格」をいくらにするか
FXよりも、注文に際して決める項目が多いですよね。
決める項目が多い分、長期展望に基づいた緻密な売買も可能となります。
私は、「戦略をきっちり練って」「売買する期日を決めて」注文を出すようにしています。
現実の注文はこんな感じになります。
この図の薄赤色部分の注文はこういう内容です。
- 通貨ペア:米ドル円
- コール・プット区分:プットオプション
- 売買区分:売り
- 権利行使日(満期日):2019年11月20日
- 権利行使価格:109.00円
- プレミアム0.267
売買は1万通貨単位です。仮に1万通貨の注文であれば、この注文でやり取りするプレミアム代金はこうなります。
- 0.267×1万通貨=2,670円
プットオプション売りは、注文発生時に「プレミアム受取」となります。この場合、ポジション作成とともに2,670円を受け取ります。
FXオプションの管理画面は以上のような見方をします。
今回のFXオプション専門用語整理
FXオプションに慣れていない方は、いろんな専門用語で混乱されているかもしれません。
本日分を簡単に整理しておきましょう。
コールオプション
買う権利のこと。「買い」と「売り」があります。
プットオプション
売る権利のこと。「買い」と「売り」があります。
権利行使期日(満期日)
FXオプションは、売買できる期間が決まっています。その最終日を権利行使日と呼びます。画像では「満期日」となっています。
「権利行使をする日」という意味で、権利行使によってFXポジションとなることもあります。
権利行使価格
売買対象とする権利価格。現在値から0.25円〜1円単位くらいで設定されています。
権利行使日が近い場合、現在値から1円〜2円程度のものが中心です。
権利行使日が数カ月先くらいになると、現在値から5円くらい離れた権利行使価格の売買もできます。
プレミアム
FXオプションの価値です。プレミアムの元となるのは為替の現在値+時間的価値+ボラティリティなどです。
FXオプションでは、このプレミアムを売買します。
FXオプションからのスワップ投資 目次
- 第1回:FXオプションを使ってスワップポイント投資の安全性を高めた運用法
- 第2回:スワップポイント生活 低リスク+含み損減とできる方法実行中
- 第3回:FXオプション注文画面の見方「権利行使価格」「権利行使期日」「プレミアム」の仕組み
- 第4回:FXオプション プレミアム売買の仕組み
- 第5回:「途中決済」「スポット」「キャッシュ」の違い FXオプション決済方法
- 第6回:コールオプション買い「損失上限あり・利益上限なし」はこう使う
- 第7回:コールオプション売り「利益上限あり・損失上限なし」はこう使う
- 第8回:プットオプション買い 暴落相場をリスク限定で攻める有効な一手
- 第9回:プットオプション売り FXよりも安値でポジションが作れる仕組み
- 第10回:FXオプションからのスワップ投資 概観
- 第11回:スワップポイント生活の新しい形 手順1〜4
- 第12回:【準備】FXオプションからのスワップ投資 売買ルール編
- 第13回:【運用通貨選び】高スワップポイント手動は失敗の元
- 第14回:【運用資金目安】「リスク管理のための保有数量基準」について
- 第15回:【仕掛け方 3つの型】「一の型」「二の型」「三の型」考え方と基準
- 第16回:【FXオプション⇒FX変換後の運用ルール】 5つの攻め方
- 第17回:ポジション増のタイミング
- 第18回:FXオプション 運用上重要な基本事項 まとめ
- 第19回:「損するかもしれないリスク」と「大損するリスク」FXオプションで確実に軽減する方法
- 第20回:FXオプション 実践者が感じる4つのデメリット
- 第21回:「損失限定・小資金で勝負」「上げ相場でも下げ相場でもスワップ投資」
- 第22回:往来相場を狙うストラングル売り戦略 魅力と欠点
- 第23回:大きな変動相場を取るストラドル買い戦略 短期と長期 使い分けのポイント
- 第24回:低リスクで利益率10%戦略 概要と失敗時の対処法
- 第25回:FXオプションを使い始めてFXの成績も良くなったのはなぜ?
- 第26回:超高ボラティリティ相場で有効 ストラングル売り戦略
- 第27回:読者の声:スプレッド拡大期の対処について
- 第28回:FXオプションをFX投資家の「もう一つの収入源」にする
- 第29回:FXオプション失敗からの教訓【2020年3月】
- 第30回:玉帳記入徹底のすすめ FXオプション失敗からの教訓その1
- 第31回:FXオプションの玉帳記入方法
- 第32回:失敗しないためにログイン前に決めるべき3つの事:FXオプション失敗からの教訓 その2
- 第33回:特殊ルール追加と基本ルールの位置づけ:FXオプション失敗からの教訓 その3
- 最終回:スワップ派 もう一つの砦 ここまでの実績と今後の展開
- 参考資料:移動平均線とRSIを使用 MT4に設定する方法
最後まで読んでいただきありがとうございます。
FXオプションで使っているのはサクソバンク証券です。