米ドル円三方よし戦略 2019年7月5日
米ドル円プットオプションでの新規ポジションを作成しています。
その内容と今後の目論見をまとめました。
このポジションは、米ドル円三方よし戦略によるものです。
参考記事:米ドル円三方よし戦略
7月5日時点の概況などまとめています。
+46410円 作成ポジション内容
今回作成した米ドル円プットオプション売りの約定内容です。
この概要は以下のようになっています。
- 作成日:2019年7月5日
- FXオプション内容:米ドル円 プットオプション売り
- 作成時点の米ドル円:107,825円
- 権利行使価格:107.00円
- 権利行使期日:11月6日
- 売買数量3万通貨
- プレミアム:1.547
- 利益上限:1,547×3万通貨=46,410円
このポジションを作った際に、プレミアム利益46,410円は受け取っています。
この利益が、このプットオプション売りポジションでの最大利益になります。
この後、中途決済をするときは、売買プレミアム分の支払い分が発生します。プレミアム支払額が大きくなる場合は、FX同様損きりということになります。
満期にプレミアムがゼロになるか、権利行使でFXポジションが発生したときに満額確定という感じになります。
この流れ、わかりにくいですよね。
今回の権利行使価格107円のプットオプション売りで説明しなおすと、権利行使日11月6日の状況によって以下のようになります。
- 権利行使時点の米ドル円107円以上:FXオプションポジション消滅にて終了。プレミアム受取分の利益確定
- 権利行使時点の米ドル円107円未満:FX口座で107円の米ドル円買いポジション発生+プレミアム受取分の利益
- 11月6日までに中途決済した場合(決済時のプレミアム支払金額によって損益発生)
今回のプレミアム受取利益は、スプレッド換算で1.547円分になります。
なので、仮に米ドル円が下落してFX口座で米ドル円買いポジションが発生しても、損益分岐点は107−1.547=105.452円となります。
米ドル円が105.432円割れまで下がれば、プレミアム受取利益を上回る含み損の米ドル円買いポジションが発生することになります。
いつものことですが、勝ち易いポジションではあるが、絶対に勝てる訳ではないポジションです。
わかりやすく説明できたかどうかこころもとないですが、運用しながら何度も説明していきますので、少しづつ理解していただければと思います。
米ドル円三方よし戦略 概略
この米ドル円三方よし戦略は以下の特徴があります。
- 米ドル円が上がってよし
- 米ドル円が下がってもよし
- 米ドル円が動かなくてもよし
米ドル円相場がどのように動いても、自分にとっては良い結果になるはずなのでが、この運用法のポジションです。
伊藤忠商事の経営理念などで有名な近江商人の「三方よし」にあやかり、「米ドル円三方よし戦略」と呼んでいます。
FXオプションを使うことで、これが可能になります。今回の戦略は、以下のような方に有効です。
- 長期的には円安になるだろうとみている。
- でも、短期的には円高もありそうだ。
- 円高時に米ドル円買いポジションを有利な値でつくりたい。
- もしくは、このまま円安になっても利益をとりたい。
こう考えている方には、米ドル円がどのように動いても三方よしとなるのが今回の戦略です。
こう考えていない方には、三方よしになるとは限らないかもしれないのでご注意ください。
日米の経済成長格差を見る限り、一時的には円高傾向となっても、長期的には円安傾向になるのが自然だろうと私はみています。
米ドル円買いポジションを持ち続ければ長期的に問題はないと思っています。でも、超長期保有というのはそれなりのリスクも取り続けないといけません。
出来るならば「買いポジションを米ドル円が下がったところで作っておきたい」という気持ちもあります。今回の「米ドル円三方よし戦略」でそれができるかもしれません。
やり方は簡単です。
プットオプション売りの仕組み
米ドル円プットオプション売りは上図のような性質を持ちます。「売り」の性質上、オプション値が上がれば損失・下がれば利益となります。
FXオプションの仕組みは下記ページにてまとめています。
参考記事:FXオプションの仕組み
今後の値動きでどうなるかを列挙するとこうなります。
- 期日までは、米ドル円上げなら下がり(利益増あるいは損失減))、米ドル円下げなら上がる(利益減あるいは損失増)。
- 日数が経てば時間的価値減少とともに下がりやすい(利益増または損失減)。
- 利益が取りやすいものの利益上限は限定される。
- 大きな円高となれば、相応の含み損となる。
- 米ドル円が期日に権利行使価格よりも上がればプレミアム分の利益を受け取れる。
- 米ドル円が期日に権利行使価格よりも下がればプレミアム分の利益を受け取って買いポジションが発生する。
つまり、「米ドル円三方よし戦略」に合わせて表現しなおすとこうなります。
- 上げてよし:単純に利益」となります。
- 下げてよし:利益+現在値よりも安値で米ドル円買いポジションを保有できます。
- 動かなくてよし:時間的価値減少により利益が増え易くなります。
なんか・・・・本当にそうなるの?・・・・って感じですよね(笑)。
どうなるかは、今後の状況でお見せしていきます。
尚、要注意は下げ相場です。
米ドル円プットオプション売りは、米ドル円買いポジションと同じ宿命を負っています。つまり、米ドル円下げ相場では含み損となるということです。
この含み損も、現在値で米ドル円買いポジションを作ったよりは少なくて済むのですが、10円・20円の円高となればそれなりの含み損となりえます。
このリスクは、資金管理や損きりで臨機応変に対応していきます。
この戦略での大切な条件は、プットオプション売りの権利行使価格を現在値よりも安値を選ぶことです。
こうすることで短期的に円高になりそうだと思ったときには、「現在値よりも安値で米ドル円買いポジションを作る布石」としてFXオプションが使えることになります。
まあ、この説明は実際にポジションを作って、その推移を見ていかないとわからない部分もあります。
今後も、この戦略で作ったポジション状況をお見せしながら、解説させていただきますので、参考になれば幸いです。
現在、長期で保有している米ドル円プットオプション売りポジションは3本+FXに変換したポジション1本があります。
保有ポジション詳細 米ドル円三方よし戦略
現在保有中の4本のポジションです。
米ドル円 FXオプション詳細
- 作成日:2019年3月21日
- FXオプション内容:米ドル円 プットオプション売り
- 作成時点の米ドル円:110.740円
- 権利行使価格:110.00
- 権利行使期日:9月4日
- 売買数量10万通貨
- プレミアム:2.358
- 利益上限:2.358×10万通貨=235,800円
- 作成日:2019年4月26日
- FXオプション内容:米ドル円 プットオプション売り
- 作成時点の米ドル円:111.600円
- 権利行使価格:111.00円
- 権利行使期日:10月9日
- 売買数量10万通貨
- プレミアム:2.046
- 利益上限:2.046×10万通貨=204,600円
- 作成日:2019年7月5日
- FXオプション内容:米ドル円 プットオプション売り
- 作成時点の米ドル円:107,825円
- 権利行使価格:107.00円
- 権利行使期日:11月6日
- 売買数量3万通貨
- プレミアム:1.547
- 利益上限:1,547×3万通貨=46,410円
米ドル円 FXポジション詳細
このポジションは、FXオプションの権利行使日にFXポジションに変換されてそのまま保有しているものです。
- 作成日:2019年6月5日
- FXポジション内容:米ドル円買い
- 作成時点の米ドル円:108.500円
- 数量5万通貨
ここまでの成績
利益確定分
この戦略での総合成績です。
項目 | 損益 |
---|---|
FXオプション損益(保有中) | 486,810円 |
FXオプション損益(終了分) | 23,170円 |
@FXオプション合計損益 | 509,980円 |
FXスワップポイント | 12,201円 |
FX売買損益 | −8,430円 |
AFX損益合計 | 3,771円 |
(@+A)総損益 | 513,751円 |
ここまで利益確定した合計金額が、(@+A)総損益の金額です。
利益だけみていると「なんてすごい」と思ってしまうかもしれません。
米ドル円の下げ相場を「米ドル円買い」で攻めているので、当然ながら含み損があります。
その数字をまとめておきます。
現在の含み損
- 米ドル円値107.883円
項目 | 損益 |
---|---|
FX | -80,900円 |
FXオプション | -728,520円 |
合計 | −809,420円 |
既に発生している利益が513,751円あるものの、含み損が−809,420円あるので、差引含み損295,669円あります。
この含み損の中には、FXポジションの含み損(-80,900円+12,201円)が含まれているので、FXオプション部分だけでみれば226,970円の含み損です。
この状況は、スワップ投資をして保有ポジションが含み損となっているときとほぼ同じです。
円高時に是非確認して頂きたいのが、含み損抑制効果です。
このFXオプションは、米ドル円が110.740円のときに10万通貨、111.600円のときに10万通貨作っています。
単純で米ドル円買いポジションを作っていれば、現在の107.883円時点では、スワップポイントを考慮しても45万円くらいの含み損を抱えている状況です。
それが226,970円程度で済んでいます。
こんな効果を確認しながら、米ドル円三方よし戦略を続けていきます。
最後に今後の予定です。
米ドル円三方よし戦略 今後の予定
ここから米ドル円が大きく下落するようであれば、追加ポジションを予定しています。
米ドル円は、今後金利低下も見込まれているので当面弱含みに推移しそうです。
とはいうものの、大きく売り込まれる可能性は薄いとみています。
むしろ、この金利低下見通しで下げている時期に少しづつ仕込んでいくことで、利益上乗せと安値の米ドル円買いポジションが作っていければよいと考えています。
ここは、少々の含み損には目をつぶり、攻めていく予定です。
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