MT4失敗例 その5:自作EAの可能性と壁
EA作りは楽しく、数をこなすうちに魅力的なものも作れるようになります。ただ、個性のあるEAをいくつも作り出すには超えない「壁」もあります。私が、今ぶつかっている「壁」についての記事です。
自作EAの可能性と壁
MT4失敗例、最後は「自作EAの壁」です。
私はいまも自作EAを作り続けています。EAはコツをつかむとどんどん作れるため、一日に5本くらいのペースで作っていた時期もあります。最初は数をこなしているだけだったのですが、100本・200本となってくると「おっ、これはいいかも」という感じのものもできてきます。
良いEAができると、当然動かしたくなります。次から次へと動かしていつの間にか5本くらい動かしていたりもしました。最初は好調で、数ヶ月間稼いでくれたりもします。
でもですね。
やられる時は一気にやられてしまうんです。
EAの苦手な方向へ急変動が起きたときに、なぜかほとんどのEAが大きな含み損を抱えてしまいます。その後、怖くなって一旦EAを停止させます。そして、ゼロからやり直しです。
このパターン、これまで何度か繰り返してきます。この現象、最初は不思議でした。でも、よく考えると当然なんですよね。
EA量産の欠点
EAの作り方は人それぞれ違います。1本1本を丁寧に数週間や数ヶ月かけて作る方もいます。逆に、私のように単純なEAを沢山作っていくタイプもいます。
1本1本丁寧に作っている方は、高い技術を活かしてそれぞれが特徴のある魅力的なものとなります。
私は、もともとシステムが苦手でプログラムもゼロから数年前にEA作りを始めました。まだまだ技術は未熟です。まだまだ未熟な私の作り方は、5パターンくらいの「基本形」を用意してそれを書き換えていくやり方です。
このやり方だと、「買いのロジック」と「売りのロジック」部分の数行書き換えるだけで1本のEAが出来てしまいます。1本作って動かすと次のアイデアが浮かんでくるので、思いつくままに次から次へと作っていけます。
これでも、結構良いEAはできます。
例えば、最近のランド円売買で使っているのもこのパターンで作ったEAです。
この売買は、MT4デモ口座で10万通貨で売買をさせ、くりっく365口座で裁量注文を出すという形でやっています。これ以外にも数本、使っているEAがあります。
ただですねぇ。これには大きな欠点があるのです。
EAの欠点が似てしまう。
私のEA量産の仕方は、実際に売買をするとその欠点が浮き上がってきます。
それは「欠点が似てくる」ということです。
不思議に思われるかもしれませんが、売買判断に使うテクニカル指標が違っているのに、大損する地点が同じになったりするのです。
通貨ペアを同じにしたり、使う時間足が分足などの短期売買をするときに、この特徴が特に顕著にでます。
これに気づいてから、EA量産は控えることにしました。
それからは、裁量トレードやチャートを見ているときに「これ、いいかも!」とアイデアが浮かんだときに作って検証するというパターンに変えています。それと同時に商用EAを使い始めました。EAを動かしながらいろんな技術を学び、それを自分のEA作りにも活かしていくためです。
自作EAと商用EAを併用するようになってから、運用成績を向上させていく自信がでてきました。
MT4使い方2016 目次
「MT4使い方2016」の目次です。
- 第1回:MT4 成功と失敗 3年間の振り返り
- 第2回:MT4に不可欠VPS 無料と有料とメモリの話
- 第3回:MT4失敗例その1:優秀な成績のEAで失敗
- 第4回:MT4失敗例その2:データ不足のバックテストで失敗
- 第5回:MT4失敗例その3:スプレッド拡大時に刈り取られる
- 第6回:MT4失敗例その4:ポジションを増やすタイミングを誤る
- 第7回:ミラートレーダーで得たMT4教訓
- 第8回:MT4 VS ミラートレーダー比較
- 第9回:MT4失敗例 その5:自作EAの可能性と壁
- 第10回:MT4 完全自動売買と半自動売買 2つの使い方
- 第11回:MT4シグナルを使用した半自動売買
- 第12回:投資で儲ける2つの方法 裁量トレードで勝つための鉄則
- 第13回:MT4自動売買の勝機 20年以上前から抱き続けた夢の実現
- 第14回:MT4で検証 その2:絶対はないが相性の良いシグナルは存在
- 第15回:MT4の落とし穴 勝率100%の魔力
- 第16回:MT4最適化の呪縛と利用法
- 第17回:MT4商用EA 2つの基本事項
- 第18回:MT4 長期運用の原則
- 第19回:MT4自動売買 利益期日目標はなぜNGなのか?
- 第20回:MT4商用EA選び 4つのポイント
- 第21回:MT4商用EA損益グラフ 2つの理想形
- 第22回:PF(プロフィットファクター) MT4商用EAで留意するポイント
- 第23回:MT4自動売買隠れコスト スワップポイント差コストへの対応
- 第24回:自動売買スワップポイント差負担軽減 2つの策
- 第25回:MT4で多頻度売買EA 体験談
- 第26回:MT4 理想のエントリーパターン2016
- 第27回:MT4 EAに休みは必要なのか?
- 第28回:MT4EA 個別売買ルールの中身
- 第29回:その1:1000通貨スタートの原則 MT4安全運転7原則
- 第30回:その2:1MT4 1EA MT4安全運転7原則
- 第31回:その3:稼働EAを一気に増やさない MT4安全運転7原則
- 第32回:その4:資金を限定する MT4安全運転7原則
- 第33回:その5:EAに期待し過ぎない MT4安全運転7原則
- 第34回:その6:絶不調時にEAを止めない MT4安全運転7原則
- 第35回:EA絶不調 夜明け前が一番暗いは本当なのか? MT4安全運転7原則
- 第36回:その7:売買数量を増やすタイミング MT4安全運転7原則
- 第37回:売買数量増加 留意している4ポイント MT4安全運転7原則
- 最終回:MT4長期利用者たちの共通点と感じること