MT4商用EA損益グラフ 2つの理想形
商用EA選びで重視している一つ目のポイントが「損益グラフの形」です。私が理想としている2つの形についてまとめました。
良いと思っている2つの形
商用EAを選ぶときには、まず「損益グラフの形」をみます。私が「良いかも」と思っているのは以下の2つの形です。
- 好不調の波が周期的にはっきりしているタイプ
- 緩やかな右肩上がり
どちらも発売からある程度経過した上で判断します。なので、「発売して2〜3ヶ月」くらいのEAは原則みていません。
今までの経験からいくと、発売から半年〜1年以上経過したEAを選ぶことが多いです。
好不調の波がはっきりしているタイプ
裁量トレーダーの運用成績には、好不調の波があります。それと同様に、EAにも好不調の波があります。「好不調の波がはっきりしているタイプ」というのは、その波に規則性がありそうなEAということになります。
- 3ヶ月好調
- 3ヶ月不調
大雑把にこういう周期性を持つEAがあったとします。この場合、「3ヶ月くらい好調期が続いたらEAを止める」あるいは逆に「3ヶ月くらい不調期が続いたら動かし始める」という戦略が有効になります。
一応、これが私の理想なのです。
でもですね。
実は、この形で動かしたEAで今も使っているEAはありません。このパターンにこだわる理由は、これが「裁量トレードの必勝パターンの一つ」だからです。自動売買でも応用できるかなと思っているのですが、まだ実績を出せてはいないのです。
自動売買に取り組んで感じることの一つに、「裁量トレード成功の共通項は自動売買にも応用できそうだ」というのがあります。
ただ、この損益グラフの形はちょっと違うかもしれません。この辺を継続するかどうかは、もう少し検証を続けていってから決めます。
緩やかな右肩上がりタイプ
損益グラフの形が、「緩やかに右上がりになっているEA」がもう一つのタイプです。これは、短期で稼ぐことはないものの長く稼働させておけば、自然に増えてくれそうだと期待させてくれます。
実際にそうなってくれるものも多く、今使っているEAは全てこのタイプです。
このEAを選ぶときに問題となるのが「どれくらい緩やかだと良いか」というところです。
私の基準としては「緩やかであれば緩やかであるほど良い」という形でみています。
少なくとも、「成績ランキングで上位に出るEA」は失格です。こういうEAは、好調すぎるためいつ調子を崩し始めるかわからないからです。
こういうタイプで動かし始めてから好調になったものもあります。
このEAは、現在成績ランキングで5位くらいにいて好調に飛ばしています。動かす時点で「好調すぎるかな」と思っていたのですが、今もそのまま飛ばし続けています。
そろそろ終わるかなという気もするのですが、調子づいているのでどこまで成績を伸ばすかはわかりません。
「緩やかな右肩上がりのEA」は、選ぶ時点ではパッとしない感じがするかもしれません。短期で稼ぐタイプではないのでそれは当然なのですが、3ヶ月・半年・1年と稼働させておくことで手堅く資産を増やしてくれることがあります。
失敗しても痛手は小さいことが多い
こういう緩やかな右肩上がりの損益グラフのEAを選ぶもう一つの長所としては、「失敗しても痛手は小さいことが多い」という点があります。
利益の出方がゆっくりなタイプは、調子を崩し始めても大崩れはしにくいからです。無論、売買数量にもよりますが、私は「いける」と判断するまでは1000通貨又は1万通貨なので、1000pipsくらいの大負けをしても損失は最大10万円程度で済むようにしています。
言うまでもないかもしれませんが、裁量トレードで大負けとなるとその金額は10万円などでは収まりません。この数十倍以上の金額となることもザラです。視点は違いますが、自動売買は「失敗のリスクが小さい」と感じる所以でもあります。
MT4使い方2016 目次
「MT4使い方2016」の目次です。
- 第1回:MT4 成功と失敗 3年間の振り返り
- 第2回:MT4に不可欠VPS 無料と有料とメモリの話
- 第3回:MT4失敗例その1:優秀な成績のEAで失敗
- 第4回:MT4失敗例その2:データ不足のバックテストで失敗
- 第5回:MT4失敗例その3:スプレッド拡大時に刈り取られる
- 第6回:MT4失敗例その4:ポジションを増やすタイミングを誤る
- 第7回:ミラートレーダーで得たMT4教訓
- 第8回:MT4 VS ミラートレーダー比較
- 第9回:MT4失敗例 その5:自作EAの可能性と壁
- 第10回:MT4 完全自動売買と半自動売買 2つの使い方
- 第11回:MT4シグナルを使用した半自動売買
- 第12回:投資で儲ける2つの方法 裁量トレードで勝つための鉄則
- 第13回:MT4自動売買の勝機 20年以上前から抱き続けた夢の実現
- 第14回:MT4で検証 その2:絶対はないが相性の良いシグナルは存在
- 第15回:MT4の落とし穴 勝率100%の魔力
- 第16回:MT4最適化の呪縛と利用法
- 第17回:MT4商用EA 2つの基本事項
- 第18回:MT4 長期運用の原則
- 第19回:MT4自動売買 利益期日目標はなぜNGなのか?
- 第20回:MT4商用EA選び 4つのポイント
- 第21回:MT4商用EA損益グラフ 2つの理想形
- 第22回:PF(プロフィットファクター) MT4商用EAで留意するポイント
- 第23回:MT4自動売買隠れコスト スワップポイント差コストへの対応
- 第24回:自動売買スワップポイント差負担軽減 2つの策
- 第25回:MT4で多頻度売買EA 体験談
- 第26回:MT4 理想のエントリーパターン2016
- 第27回:MT4 EAに休みは必要なのか?
- 第28回:MT4EA 個別売買ルールの中身
- 第29回:その1:1000通貨スタートの原則 MT4安全運転7原則
- 第30回:その2:1MT4 1EA MT4安全運転7原則
- 第31回:その3:稼働EAを一気に増やさない MT4安全運転7原則
- 第32回:その4:資金を限定する MT4安全運転7原則
- 第33回:その5:EAに期待し過ぎない MT4安全運転7原則
- 第34回:その6:絶不調時にEAを止めない MT4安全運転7原則
- 第35回:EA絶不調 夜明け前が一番暗いは本当なのか? MT4安全運転7原則
- 第36回:その7:売買数量を増やすタイミング MT4安全運転7原則
- 第37回:売買数量増加 留意している4ポイント MT4安全運転7原則
- 最終回:MT4長期利用者たちの共通点と感じること