MT4 完全自動売買運用で注意していること・・・MT4の使い方2016 第17回
放ったらかしで一見気軽に見える完全自動売買ですが、実際に利益を出すとなるとそれなりにハードルがあります。私なりのやり方をご紹介します。
MT4運用 2つの基本事項
私のMT4の使い方は2つあると連載中に書かせていただきました。
参考:MT4 2つの使い方
前回までで、その一つである「MT4シグナルを使用した半自動売買」でその概要については終わりました。
今回から、「完全な自動売買」としての使い方に入ります。このやり方は、EAを24時間動かしたままにして完全自動で行う売買です。
私のMT4運用はやっと軌道に乗り始めたところです。なので、まだここまで書く資格はないかもしれません。それでも、毎年利益が確保できそうな見通しは立ってきているので、皆様の自動売買運用の参考になればという感じで書かせていただきます。
私のMT4運用の考え方の基本は2つあります。
- 大勝は狙わない
- 長期運用を基本にする
大勝は狙わない
「MT4で大儲け」といった類の宣伝文句を伴ったEAは、ネット上で検索するとすぐに見つかります。
私は、この手の宣伝文句を見た時点でそのEAは排除します。EAのロジック説明がどんなに気に入っていても、この言葉が入っている時点で購入対象からは外してしまいます。
なぜなら、「私のEA運用では大勝は望んでいない」からです。
裁量トレードでは、大勝を最初から狙うと自然と高リスクの手法になってしまうため大損のリスクも高まってしまいます。これは、自動売買でも同様です。
大勝を狙って作られたEAは、大損のリスクも同居しているものと考えるのが自然です。大勝した後に大損というパターンもあり得ます。
こういうEAを動かしていると、一喜一憂が多くなり気持ちも落ち着きません。それよりも、堅実な方法で利益を確保できそうなEAを選びます。
堅実な方法でも幸運が重なれば大勝することもあります。このパターンで大勝しても、そのあと大損で失う可能性はほとんどありません。
実際に使っているEAの運用成績をご覧ください。
参考:Morning_Limited 6か月間のリアルトレード成績
このEAは、幸運にも6月に+257,588円の大勝をして、その後は収支トントンとなっています。でも、一回の最大損失はー35,000円となっているので、今後最大損失が5連続発生したとしても6月の利益を失うことはありません。
このEAは、普段は10万通貨売買で1回5千〜3万円の利益をコツコツ積み上げています。先月は、たまたま大勝月だったのですが、7月もその利益を失う事なく売買を続けています。
先ほど書いた「堅実な方法で利益を確保できそうなEA」の一例がこれです。
でも「じゃあ、このEA買って動かせばすぐ利益出るのか?」ということにはなりません。
それは、このEAが、大勝したばかりだからです。よくある事なのですが、大勝した後は、調子が悪くなることがあります。調子を大きく崩すことはないとしても、暫くはそれほど目立った利益は出さないかなというつもりで見ています。
2・3ヶ月で10万通貨売買でー10万円くらいは覚悟してやるならいいかもしれません。
やる気をそぐようで申し訳ないのですが、少なくとも私はそう感じています。
幸運は期待すると長くは続かないもの
自動売買をやっていてつくづく感じることがあります。
「幸運は期待すると長くは続かないものだ」
一般社会でもそうですよね。幸運に期待しすぎると転機は意外なほど早く訪れるものでもあります。
6月の大勝をみると、7月以降は更に大きなポジションで攻めたくなるものです。これは、「6月の幸運が7月も続く」と期待する気持ちからでてくる判断でもあります。
運命の神様というものは残酷なもので、こういう欲張った判断には悪い結果で答えてくることが多い気がします。実際、幸運の後は不運がくるというのがバイオリズムや人生の流れとしては普通でもあります。
なので、幸運にも大勝できた後は「警戒していつもよりポジションを減らす」という判断の方が正しいのかもしれません。
私は、「ポジションを減らす」というところまでは出来ませんが、ポジションを増やす愚だけは避けるようにしています。
こんな事から、私は「大勝しそうなEA」は敢えて選びません。どちらかといえば、地味なタイプを好んで選んで稼働させています。
MT4使い方2016 目次
「MT4使い方2016」の目次です。
- 第1回:MT4 成功と失敗 3年間の振り返り
- 第2回:MT4に不可欠VPS 無料と有料とメモリの話
- 第3回:MT4失敗例その1:優秀な成績のEAで失敗
- 第4回:MT4失敗例その2:データ不足のバックテストで失敗
- 第5回:MT4失敗例その3:スプレッド拡大時に刈り取られる
- 第6回:MT4失敗例その4:ポジションを増やすタイミングを誤る
- 第7回:ミラートレーダーで得たMT4教訓
- 第8回:MT4 VS ミラートレーダー比較
- 第9回:MT4失敗例 その5:自作EAの可能性と壁
- 第10回:MT4 完全自動売買と半自動売買 2つの使い方
- 第11回:MT4シグナルを使用した半自動売買
- 第12回:投資で儲ける2つの方法 裁量トレードで勝つための鉄則
- 第13回:MT4自動売買の勝機 20年以上前から抱き続けた夢の実現
- 第14回:MT4で検証 その2:絶対はないが相性の良いシグナルは存在
- 第15回:MT4の落とし穴 勝率100%の魔力
- 第16回:MT4最適化の呪縛と利用法
- 第17回:MT4商用EA 2つの基本事項
- 第18回:MT4 長期運用の原則
- 第19回:MT4自動売買 利益期日目標はなぜNGなのか?
- 第20回:MT4商用EA選び 4つのポイント
- 第21回:MT4商用EA損益グラフ 2つの理想形
- 第22回:PF(プロフィットファクター) MT4商用EAで留意するポイント
- 第23回:MT4自動売買隠れコスト スワップポイント差コストへの対応
- 第24回:自動売買スワップポイント差負担軽減 2つの策
- 第25回:MT4で多頻度売買EA 体験談
- 第26回:MT4 理想のエントリーパターン2016
- 第27回:MT4 EAに休みは必要なのか?
- 第28回:MT4EA 個別売買ルールの中身
- 第29回:その1:1000通貨スタートの原則 MT4安全運転7原則
- 第30回:その2:1MT4 1EA MT4安全運転7原則
- 第31回:その3:稼働EAを一気に増やさない MT4安全運転7原則
- 第32回:その4:資金を限定する MT4安全運転7原則
- 第33回:その5:EAに期待し過ぎない MT4安全運転7原則
- 第34回:その6:絶不調時にEAを止めない MT4安全運転7原則
- 第35回:EA絶不調 夜明け前が一番暗いは本当なのか? MT4安全運転7原則
- 第36回:その7:売買数量を増やすタイミング MT4安全運転7原則
- 第37回:売買数量増加 留意している4ポイント MT4安全運転7原則
- 最終回:MT4長期利用者たちの共通点と感じること