売買数量増加 留意している4ポイント
前回の話をより具体的に説明させて頂きました。今の私の理想形です。売買数量増加のタイミングとして具体的に留意している部分は以下の4点です。
- ちょっと調子が良いくらいで増やさない。
- 絶好調のときにポジションを増やさない。
- 一番の理想は不調期を脱したと思われるタイミング
- 気持ちがなえている時は見送る。
前回書いたことをより具体的にしたものです。
ここは、私のMT4運用では一番気を使っている部分です。以下、補足させていただきます。
ちょっと調子が良いくらいで増やさない。
EAを稼働し始めてすぐに好調な成績を出したときは気持ちを抑えるようにしています。新しいEAを動かし始めた時は、ちょっとドキドキするものです。ただでさえ、興奮気味です。
こういう時に、好調が継続してそのまま利益が勢いよくつみあがると気持ちは更に盛り上がり錯覚しがちになります。
恋愛であれば、一時の感情で燃え上がるのはそれはそれでよいものです。そのまま結婚して幸せな夫婦も大勢います。
でも、自動売買ではご法度です。
ご存知の通り、現実にはほどほどのところで好調モードは終了します。私は、このパターンで売買数量を増やして成功した経験はほとんどありません。
絶好調のときにポジションを増やさない。
でも、好調の勢いがさらに増して絶好調ともいえる状況になることもあります。こうなると、値動きも軽くなるせいか気持ちも軽くなりがちです。
毎日のように利益がガンガン積み上がる状況ですので、当然気持ちも大きくなるものです。ここで、売買数量を大幅に増やしたくなる気持ちもさらに盛り上がります。
私も人間なので気持ちは盛り上がるのですが、ここはグッとこらえるようにしています。
既に書きましたが、こういう「大儲けできそう」と期待していて逆の結果がでるとショックも大きく、心理バランスが大きく崩れて大損への道に入るきっかけになることもあるからです。
人は心理バランスが崩れだすと、奇抜な発想で行動してしまう傾向もあります。
例えば「自動売買の損失を裁量トレードで取り戻そう!」などです。
冷静に考えれば、この行動が間違っていることは誰にでもわかります。純粋に自動売買で勝とうとしているのですから、裁量トレードで勝とうが負けようが本筋からは外れてしまっています。
でも、現実にはやりがちな行動で、ほぼ100%裏目にでて傷口を広げる結果となります。
こういう事態を恐れるため、私はここのタイミングでの売買数量増加は行いません。
一番の理想は不調期を脱したと思われるタイミング
売買数量を増やすタイミングとして理想としているのが「不調期を脱したと思われるところ」です。
気分的には、まだまだ弱気の時期ですがこういう時であるからこそ堅実にできます。
「不調期を脱したと思われるタイミング」というのは、成績的には収支トントンくらいのときです。まだまだ、先行きに強気になれるときではありません。
一般的には「ここで増やすのってどうなんだ」と思ってしまう場面もよくあります。それだけに、無理な行動はしません。
ただ、心理的にやりにくい時というのは跡から見えると絶好のタイミングということが多いのも事実です。実際、このタイミングで売買数量を増やすと後から見れば「なかなかのこう判断だった」と思えることが多いです。
どちらかというと、「勇気を出して売買数量を増やす」という感じになります。経験上、こういうときに売買数量を増やしたときほどその後の成績推移がスムーズです。
気持ちがなえ過ぎている時は見送る。
この辺で売買数量を増やせばよいと感じてはいても、どうしても踏み出せないときもあります。
そういう時は見送ります。
心理的に気持ちが萎え過ぎている時は、やめた方がよいです。後からみれば「あそこがチャンスだった」と感じることになるかもしれませんが、その悔しさは次回に生かせます。
「自分の見通しはあっていた。」
おそらく、こういう経験を何度かすることになります。そのたびに悔しい思いをするかもしれません。そのうち、勝負ができるようになってきます。
これは、裁量トレードで運用技術を磨く過程と似ています。
裁量トレードでも、「ここはポジションを作る時期」と感じても手を出せないことがあります。運用技術の向上とともに、徐々にポジションが作れるようになります。自動売買でも、最初は出来なくてもいずれは出来るようになります。なので、出来るようになるまで待てばよいと思っています。私は、そうやってやっています。
MT4使い方2016 目次
「MT4使い方2016」の目次です。
- 第1回:MT4 成功と失敗 3年間の振り返り
- 第2回:MT4に不可欠VPS 無料と有料とメモリの話
- 第3回:MT4失敗例その1:優秀な成績のEAで失敗
- 第4回:MT4失敗例その2:データ不足のバックテストで失敗
- 第5回:MT4失敗例その3:スプレッド拡大時に刈り取られる
- 第6回:MT4失敗例その4:ポジションを増やすタイミングを誤る
- 第7回:ミラートレーダーで得たMT4教訓
- 第8回:MT4 VS ミラートレーダー比較
- 第9回:MT4失敗例 その5:自作EAの可能性と壁
- 第10回:MT4 完全自動売買と半自動売買 2つの使い方
- 第11回:MT4シグナルを使用した半自動売買
- 第12回:投資で儲ける2つの方法 裁量トレードで勝つための鉄則
- 第13回:MT4自動売買の勝機 20年以上前から抱き続けた夢の実現
- 第14回:MT4で検証 その2:絶対はないが相性の良いシグナルは存在
- 第15回:MT4の落とし穴 勝率100%の魔力
- 第16回:MT4最適化の呪縛と利用法
- 第17回:MT4商用EA 2つの基本事項
- 第18回:MT4 長期運用の原則
- 第19回:MT4自動売買 利益期日目標はなぜNGなのか?
- 第20回:MT4商用EA選び 4つのポイント
- 第21回:MT4商用EA損益グラフ 2つの理想形
- 第22回:PF(プロフィットファクター) MT4商用EAで留意するポイント
- 第23回:MT4自動売買隠れコスト スワップポイント差コストへの対応
- 第24回:自動売買スワップポイント差負担軽減 2つの策
- 第25回:MT4で多頻度売買EA 体験談
- 第26回:MT4 理想のエントリーパターン2016
- 第27回:MT4 EAに休みは必要なのか?
- 第28回:MT4EA 個別売買ルールの中身
- 第29回:その1:1000通貨スタートの原則 MT4安全運転7原則
- 第30回:その2:1MT4 1EA MT4安全運転7原則
- 第31回:その3:稼働EAを一気に増やさない MT4安全運転7原則
- 第32回:その4:資金を限定する MT4安全運転7原則
- 第33回:その5:EAに期待し過ぎない MT4安全運転7原則
- 第34回:その6:絶不調時にEAを止めない MT4安全運転7原則
- 第35回:EA絶不調 夜明け前が一番暗いは本当なのか? MT4安全運転7原則
- 第36回:その7:売買数量を増やすタイミング MT4安全運転7原則
- 第37回:売買数量増加 留意している4ポイント MT4安全運転7原則
- 最終回:MT4長期利用者たちの共通点と感じること