MT4最適化の呪縛と利用法
最適化は、MT4活用のキモの一つでもあります。この機能をうまく活用できれば自動売買での活路が見えてきます。
MT4最適化の呪縛
過去の値動きで「利益」「損失」などの数値の組み合わせでそれぞれお益がどうなるのかを一気に計算してくれるのが最適化機能です。
何百通りの組み合わせがあっても短時間で結果を出してくれます。結果の並び替えも簡単なので、もっとも良い組み合わせと悪い組み合わせがすぐわかります。
この機能を始めて使えるようになったときは、「この機能を使えば大きく稼げそうだ!」とかなり興奮したものです。
でも、そんな甘いものではないんですよね。
最適化機能で一番好成績のEAを動かしても、ほとんどの場合その通りの利益を出すことはありません。
その理由は、最適化で一番良い成績のものは「過去にピッタリを合わせただけ」だからです。余裕がなさ過ぎて未来の値動きには合わないのが普通です。
これは、過剰最適化と呼ばれています。
それでも、人間とは弱いものです。
やっぱり使ってしまうんです。
どうしても使いたくなるのです。
そして、お決まりのように痛い目に遭ってしまうわけです。
最近、やっと使わなくなりました。
それでも、最適化機能はとても便利です。2年くらいまえから別の使い方をするようになりました。
私の最適化利用法
最適化は「EAの傾向をみる」ことに徹することにしています。
- EAと通貨の相性
- 全組合わせの中で利益の出る割合はどれくらいか
「利益幅」や「損きり幅」のいろんなパターンで最適化をしてみて、利益が出ている組み合わせの割合などでこの傾向をみます。
例えば、最適化で100通りの検証結果が出たとします。利益の出る組合せが90あったとしましょう。利益が出る割合が90%くらいちう状況です。
「このEAは、少々相場が壊れても利益を確保してくれそうだ」
こんな感じでみています。
逆に、100通りの中で利益の出る組合せが10しかなかったとします。
その10が素晴らしく稼いでくれているとしても、私としては「全体としては堅実な利益は望めないかもしれない」という見方にもなります。こんな調子でみながら、動かすEAを決めていきます。
リアル口座で動かしながら売買ルールを整備
シグナル通りに手動売買するときは、基本的にデモ口座は使いません。
1000通貨でも良いので「リアル口座」で行います。リアル口座で動かしながら、売買ルールを整備していきます。
デモ口座を使うか、リアル口座を使うかは、いろいろと意見の違いがある部分です。私がリアル口座を重視する理由は2点です。
- 実用化の加速
- 最後まで検証を継続
例え、1000通貨の売買でもリアル口座とデモ口座では真剣味が違います。デモ口座でもリアル口座と同様に真剣に取り組むことができると主張する方もいるのですが、少なくとも私にはできないのです。
デモ口座だと、どうしても日々の管理が甘くなりがちですし、途中で飽きてそのまま止めてしまうこともあります。
でも、身銭をきって行う検証は「途中で飽きて止めてしまう」なんてことはありません。「管理が甘くなる」こともありません。そんな事をやって、お金を減らすことほど愚かなことはないからです。
リアルマネーで真剣に取り組むことで、活路が見えてくるのも早いです。
「これは駄目だ」ということもあります。その見切りも早目にできるようになります。
こんなことをここ数年やってきました。昨年くらいから利益額もそれなりの額になりつつあります。今後は、安定した収益源に出来るように取組んでいく所存です。
MT4使い方2016 目次
「MT4使い方2016」の目次です。
- 第1回:MT4 成功と失敗 3年間の振り返り
- 第2回:MT4に不可欠VPS 無料と有料とメモリの話
- 第3回:MT4失敗例その1:優秀な成績のEAで失敗
- 第4回:MT4失敗例その2:データ不足のバックテストで失敗
- 第5回:MT4失敗例その3:スプレッド拡大時に刈り取られる
- 第6回:MT4失敗例その4:ポジションを増やすタイミングを誤る
- 第7回:ミラートレーダーで得たMT4教訓
- 第8回:MT4 VS ミラートレーダー比較
- 第9回:MT4失敗例 その5:自作EAの可能性と壁
- 第10回:MT4 完全自動売買と半自動売買 2つの使い方
- 第11回:MT4シグナルを使用した半自動売買
- 第12回:投資で儲ける2つの方法 裁量トレードで勝つための鉄則
- 第13回:MT4自動売買の勝機 20年以上前から抱き続けた夢の実現
- 第14回:MT4で検証 その2:絶対はないが相性の良いシグナルは存在
- 第15回:MT4の落とし穴 勝率100%の魔力
- 第16回:MT4最適化の呪縛と利用法
- 第17回:MT4商用EA 2つの基本事項
- 第18回:MT4 長期運用の原則
- 第19回:MT4自動売買 利益期日目標はなぜNGなのか?
- 第20回:MT4商用EA選び 4つのポイント
- 第21回:MT4商用EA損益グラフ 2つの理想形
- 第22回:PF(プロフィットファクター) MT4商用EAで留意するポイント
- 第23回:MT4自動売買隠れコスト スワップポイント差コストへの対応
- 第24回:自動売買スワップポイント差負担軽減 2つの策
- 第25回:MT4で多頻度売買EA 体験談
- 第26回:MT4 理想のエントリーパターン2016
- 第27回:MT4 EAに休みは必要なのか?
- 第28回:MT4EA 個別売買ルールの中身
- 第29回:その1:1000通貨スタートの原則 MT4安全運転7原則
- 第30回:その2:1MT4 1EA MT4安全運転7原則
- 第31回:その3:稼働EAを一気に増やさない MT4安全運転7原則
- 第32回:その4:資金を限定する MT4安全運転7原則
- 第33回:その5:EAに期待し過ぎない MT4安全運転7原則
- 第34回:その6:絶不調時にEAを止めない MT4安全運転7原則
- 第35回:EA絶不調 夜明け前が一番暗いは本当なのか? MT4安全運転7原則
- 第36回:その7:売買数量を増やすタイミング MT4安全運転7原則
- 第37回:売買数量増加 留意している4ポイント MT4安全運転7原則
- 最終回:MT4長期利用者たちの共通点と感じること