MT4失敗例その3:スプレッド拡大時に刈り取られる・・・MT4の使い方2016 第5回
MT4を使い続けていけば、一度は経験するであろう「逆指値刈り」、私も何度も経験しました。私が取った対策についてまとめさせていただきました。
逆指値を刈られる日々
MT4のスプレッドも日本時間の朝方などの商いの薄い時間帯や重要指標発表時間帯などにはスプレッドが拡大気味になります。裁量トレードでも、スプレッド拡大時に逆指値がヒットして想定外の損失を出したという話はたまに聞きます。MT4での自動売買でも似たような現象が時折起きます。しかも、MT4口座や使うEAによって、結構な頻度でそれが起きてしまうのです。
当然、多くのMT4ユーザーが最初のうちは「スベラないMT4口座はどこか?」と一生懸命探すことになります。
私の結論から書くと「どのMT4でもある程度はすべる」と思います。
今まで5社くらいのMT4口座を使いましたが、程度のさこそあれ数ヶ月に1回くらいは、その時間だけ妙に値が飛んで逆指値が刈り取られてしまう経験をしました。現在、FXTFMT4とOANDAJAPANを主力に使っていますが、どちらもそれなりにスベります。
最初は「こんなこともあるさ」的に余裕をもってみていたのですが、それが何度も続くと、「いくらなんでも勿体ないな」となり、対策を講じることにしました。
MT4スベり 3つの対策
私がこの部分で取った対策は3つです。
- 翌日持ち越しEAには逆指値は極力入れない。
- 当日決済のEAを中心に使う。
- 重要指標発表時間に出来るだけポジションを持たないEAを使う
この「翌日持ち越しEAには逆指値は極力入れない。」というのは、自作EAでの工夫です。私は、南アフリカランド円やポーランドズロチなどの新興国通貨を使ったEAを動かしたりするのですが、この手の通貨は時折大きく値が飛びます。
飛んだついてにスプレッドも拡大するので、逆指値が刈られてしまうきっかけにもなります。
メジャー通貨ではあるものの、豪ドル円でもその傾向があるため自作EAを稼働させる時は「逆指値をはずして稼働」させることがあります。
あるいは、通常時は損きりのための逆指値を入れておき週末や為替相場が荒れてきたら「本来の逆指値をメモ」しておいて、注文から外してしまうのです。
この場合、損きりは手動で行います。
損きりを手動でやると自動売買のメリットが半減してしまうことにもなるのですが、この手動損きりは意外に気楽にできます。売買回数も少な目のEAなので、心の踏ん切りがつけやすいのかもしれません。
商用EAに関しては、この辺の対策をしてあるものが多いようです。逆指値を入れておかずに、テクニカル指標などで決済を検討するようなパターンです。
もう一つは「当日決済のEAを中心に使う。」です。
翌日に持ち越さないデイトレ系のEAであれば、日本時間朝方のスプレッド拡大時にポジションを持っている可能性は少なくなります。
MT4口座の中には、低スプレッドではあるものの、スワップポイント条件が悪い口座が結構あります。そのようなMNT4口座で長期間ポジション保有をするとスワップポイントのロスがかなり大きくなるものです。でも、翌日に持ち越さなければそれも気にならなくなります。
EAの中には、重要指標発表が重なり値動きが荒くなる欧米時間にポジションを持たないものもあります。こういうEAは、必然的に荒い値動きに揉まれる可能性は少なくなります。私は、このタイプのEAを見つけると必ず検討対象にいれまっす。
この手のEAに共通するのは「1回の利益額は小さ目、その代わり大きくやられることが少ない」という部分です。安定稼働が出来そうだと判断できるものであれば、売買数量を増やしてもそれほど失敗はありません。
以上が、最近注意している3つの対策です。
MT4 最近の状況
先ほど書いた3つの対策によって、MT4のスベりの影響を受けることはほとんどなくなりました。
この対策をほどこしてからMT4運用が更に快適になってきた気がします。
「スベリ」という不利な要因が定期的に発生するというのは嫌なもので、EA自体が調子が悪くなるとMT4運用そのものをやめたくなる原因ともなります。
でも、それだけの理由で快適な自動売買を止めてしまうのは勿体ないです。
もしも、私と似たような悩みをお持ちであれば使っているEAの特徴などを改めて見直してみることも必要かもしれません。
MT4使い方2016 目次
「MT4使い方2016」の目次です。
- 第1回:MT4 成功と失敗 3年間の振り返り
- 第2回:MT4に不可欠VPS 無料と有料とメモリの話
- 第3回:MT4失敗例その1:優秀な成績のEAで失敗
- 第4回:MT4失敗例その2:データ不足のバックテストで失敗
- 第5回:MT4失敗例その3:スプレッド拡大時に刈り取られる
- 第6回:MT4失敗例その4:ポジションを増やすタイミングを誤る
- 第7回:ミラートレーダーで得たMT4教訓
- 第8回:MT4 VS ミラートレーダー比較
- 第9回:MT4失敗例 その5:自作EAの可能性と壁
- 第10回:MT4 完全自動売買と半自動売買 2つの使い方
- 第11回:MT4シグナルを使用した半自動売買
- 第12回:投資で儲ける2つの方法 裁量トレードで勝つための鉄則
- 第13回:MT4自動売買の勝機 20年以上前から抱き続けた夢の実現
- 第14回:MT4で検証 その2:絶対はないが相性の良いシグナルは存在
- 第15回:MT4の落とし穴 勝率100%の魔力
- 第16回:MT4最適化の呪縛と利用法
- 第17回:MT4商用EA 2つの基本事項
- 第18回:MT4 長期運用の原則
- 第19回:MT4自動売買 利益期日目標はなぜNGなのか?
- 第20回:MT4商用EA選び 4つのポイント
- 第21回:MT4商用EA損益グラフ 2つの理想形
- 第22回:PF(プロフィットファクター) MT4商用EAで留意するポイント
- 第23回:MT4自動売買隠れコスト スワップポイント差コストへの対応
- 第24回:自動売買スワップポイント差負担軽減 2つの策
- 第25回:MT4で多頻度売買EA 体験談
- 第26回:MT4 理想のエントリーパターン2016
- 第27回:MT4 EAに休みは必要なのか?
- 第28回:MT4EA 個別売買ルールの中身
- 第29回:その1:1000通貨スタートの原則 MT4安全運転7原則
- 第30回:その2:1MT4 1EA MT4安全運転7原則
- 第31回:その3:稼働EAを一気に増やさない MT4安全運転7原則
- 第32回:その4:資金を限定する MT4安全運転7原則
- 第33回:その5:EAに期待し過ぎない MT4安全運転7原則
- 第34回:その6:絶不調時にEAを止めない MT4安全運転7原則
- 第35回:EA絶不調 夜明け前が一番暗いは本当なのか? MT4安全運転7原則
- 第36回:その7:売買数量を増やすタイミング MT4安全運転7原則
- 第37回:売買数量増加 留意している4ポイント MT4安全運転7原則
- 最終回:MT4長期利用者たちの共通点と感じること