長期運用を基本にする
私自身のMT4運用は、最初から長期運用を基本としています。その具体的内容についてまとめました。
積極的と消極的 二つの意味
私のMT4運用は、長期運用を基本としています。これには積極的な意味と消極的な意味の両方があります。
- 積極的な意味:低リスクで堅実に資産を増やしていく。
- 消極的な意味:短期で大儲けしようと思わないようにする。
消極的な意味がわかりにくいと思うので、ちょっと補足させていただきます。
「短期で大儲け」というのは、情報商材系のEAの宣伝文句よくでてきます。これを実現したという話は、今のところ聞いたことはないのですが、中にはいるかもしれません。
成功者がいるにしても、少数派であることは間違いないだろうと思われます。つまり、成功するにはリスクが高いEAということになります。
なので、こういうものには見向きもしないというのが私の基本姿勢です。
こういうEAはこれでシャットアウト出来るのですが、問題は既存の商用EAを動かしている時にでてくる欲です。「もっと儲けよう」という気持ちの制御がなかなか厄介なのです。
「もっと儲けよう」として損失拡大
MT4運用を本格化して数年、そんな浅い経験の中でも失敗は相当してきました。失敗のほとんどは「もっと儲けよう」という欲からでた行動が原因です。
- もっと儲けるためにこのEAも動かそう!
- もっと儲けるために売買数量を増やそう!
- もっと儲けるために最適化で一番成績の良いEAを使おう!
既に書いたことばかりですが、こういうのがほぼ確実に失敗に繋がっています。
優秀なEAでも、稼働時期が悪いと利益となるまでには相当の日数がかかることもあります。時には大き目の損失も発生することもあります。
「もっと儲けよう」と欲が出てくるのは、大抵EAが好調な成績を出している時期です。1か月で30万円の利益を出すような状況が3ヶ月も続いているようなときです。
- 1か月で30万円 3ヶ月で90万円稼いでくれた。
- このままいけば1年で360万円の利益となる。
- でも、売買数量をここで2倍にすれば利益も2倍になる。
- 3倍にすれば利益は一気に1000万円になってしまうじゃないか。
こんな皮算用をしてしまうと、かなりの確率で売買数量を2〜3倍に増やしてしまうことになります。
「この好調がいつまでも続く」という前提に無理があるということには、なかなか気づけないものです。
これをやっているうちは、MT4運用はなかなか軌道に乗りません。
欲を枯れさせることで利益は増える
これとは逆に、欲を抑えたときのパターンはうまくいくことが多いです。私の場合、「MT4で儲けようという欲を抑える」というより「MT4で儲けようという欲を枯れさせる」というつもりでこの辺は取り組んでいます。
具体的には以下のようなことです。
- EA選び:大儲けはないけど堅実そうだから使ってみる。
- 最初は1000通貨で3ヶ月は動かそう。
- 最適化で真ん中くらいのでいいかな。
「ほどほどの利益でいいや」という気持ちが前面にでているときは、ケガすること少なくスムーズに利益がでてきます。
でも、「堅実そうだから」という基準もなかなか曖昧なところがあります。
実際の商用EA運用で、「欲を抑える」のに有効と感じるのが「最初は強制的に1000通貨運用」というやり方です。
私は最低3ヶ月としているのですが、これが「欲を枯れさせる」のに効果があります。「このEA絶対儲かりそうだ」と思っても、あまり期待せずに1000通貨で数ヶ月転がしておきます。
本当に稼いでくれることもあります(苦笑)。
4月に稼働してから不調となることがほとんどなく利益を伸ばしてくれています。7月は不調かなと思っていたのですが、27日に大きな利益を出してここまでのマイナスを全て埋めてくれました。
こういう時は、「最初から10万通貨でいけばよかった」という気持ちもでがちですが、最近の私はそういう感覚はありません。
多分、良い意味で「欲が枯れてきている」のかなと思っております。
このEA,3ヶ月が経過したこともあり、7月より売買数量を1万通貨に増やしています。今後も稼働させたまま、様子をみながら売買数量増加・あるいはEA稼働停止を検討していきます。
MT4使い方2016 目次
「MT4使い方2016」の目次です。
- 第1回:MT4 成功と失敗 3年間の振り返り
- 第2回:MT4に不可欠VPS 無料と有料とメモリの話
- 第3回:MT4失敗例その1:優秀な成績のEAで失敗
- 第4回:MT4失敗例その2:データ不足のバックテストで失敗
- 第5回:MT4失敗例その3:スプレッド拡大時に刈り取られる
- 第6回:MT4失敗例その4:ポジションを増やすタイミングを誤る
- 第7回:ミラートレーダーで得たMT4教訓
- 第8回:MT4 VS ミラートレーダー比較
- 第9回:MT4失敗例 その5:自作EAの可能性と壁
- 第10回:MT4 完全自動売買と半自動売買 2つの使い方
- 第11回:MT4シグナルを使用した半自動売買
- 第12回:投資で儲ける2つの方法 裁量トレードで勝つための鉄則
- 第13回:MT4自動売買の勝機 20年以上前から抱き続けた夢の実現
- 第14回:MT4で検証 その2:絶対はないが相性の良いシグナルは存在
- 第15回:MT4の落とし穴 勝率100%の魔力
- 第16回:MT4最適化の呪縛と利用法
- 第17回:MT4商用EA 2つの基本事項
- 第18回:MT4 長期運用の原則
- 第19回:MT4自動売買 利益期日目標はなぜNGなのか?
- 第20回:MT4商用EA選び 4つのポイント
- 第21回:MT4商用EA損益グラフ 2つの理想形
- 第22回:PF(プロフィットファクター) MT4商用EAで留意するポイント
- 第23回:MT4自動売買隠れコスト スワップポイント差コストへの対応
- 第24回:自動売買スワップポイント差負担軽減 2つの策
- 第25回:MT4で多頻度売買EA 体験談
- 第26回:MT4 理想のエントリーパターン2016
- 第27回:MT4 EAに休みは必要なのか?
- 第28回:MT4EA 個別売買ルールの中身
- 第29回:その1:1000通貨スタートの原則 MT4安全運転7原則
- 第30回:その2:1MT4 1EA MT4安全運転7原則
- 第31回:その3:稼働EAを一気に増やさない MT4安全運転7原則
- 第32回:その4:資金を限定する MT4安全運転7原則
- 第33回:その5:EAに期待し過ぎない MT4安全運転7原則
- 第34回:その6:絶不調時にEAを止めない MT4安全運転7原則
- 第35回:EA絶不調 夜明け前が一番暗いは本当なのか? MT4安全運転7原則
- 第36回:その7:売買数量を増やすタイミング MT4安全運転7原則
- 第37回:売買数量増加 留意している4ポイント MT4安全運転7原則
- 最終回:MT4長期利用者たちの共通点と感じること