1000通貨スタートの原則 MT4安全運転7原則
商用EA選びのポイントとEAの個別ルールの項目についてのまとめが終わりました。ここまで書いたことを参考にしていただくことで手堅いEA選びは出来るだろうと思います。
さて、あとは稼働させるだけですね。
これから長い期間MT4を動かしていって利益を積み上げていくことになります。最後のまとめとしてMT4運用を安全にやっていくために注意しているポイントをまとめさせて頂きます。題して「MT4安全運転 7原則」です。これは、MT4運用全体の基本ルールです。
その1:1000通貨スタートの原則
まず最初は「1000通貨スタートの原則」です。説明するまでもないかもしれませんが、私は厳守しています。
「EA長期稼働に自信が持てるまで1000通貨」
最初は1000通貨、こうするだけで運用にかなり余裕がでてきます。どんなに有望そうなEAでも、まずは1000通貨でじっくり様子を見ます。ある程度売買をした後「これならいけそうだ」と自信が持てるようになってからポジション増加を検討します。
- 優秀そうなEAでも最初は1000通貨開始
- 最初から連勝続きでも1000通貨運用堅持
凄く儲かりそうなEAなどは、資金ギリギリで大き目のポジションで勝負したくなるものです。
そして、仮に1000通貨でやったとして2連勝すると「ああ、最初から10万通貨でやっていればよかった」なんて気持ちにもなるかもしれません。
私もそうなのですが、MT4でうまくいかないという場合は「最初から売買数量を大きくしているケースが多い」という傾向がある気がします。
短期的には、「1000通貨で成功した」「1000通貨で失敗した」という差はあると思います。
でも、長く続けていけば1000通貨でスタートする方が失敗のときの損失も少なく安全にやっていけます。
実際のところ、この原則で始めて「ああ、もっと売買数量を大きめにしておけばよかった」と思ったことはほとんどありません。最初の数回で連勝すると、「あっ、今回はもうちょっと数量増やせばよかったかな」と思ったりすることがあるのですが、数ヶ月も動かすと「やはり1000通貨スタートで正解だった」と納得することがほとんどです。
最低3ヶ月 1000通貨運用
1000通貨運用をどれくらいやるかという期間も大切です。先程も書きましたが、ちょっと連勝したくらいで1000通貨を変更するようなことはしません。
5回や10回程度の売買ではそのEAに自信が持てるようになるまではいきません。
連勝が続けば「これはいけそうだ」と思ってしまうかもしれませんが、それは「自信」ではなく「欲」です。「欲」から出た行動は、投資の世界では大体裏目にでます。
では、どれくらいの期間動かせばいいのかということになりますが、私はその期間を3ヶ月と設定しています。
3ヶ月間動かしていると、短期では見えなかったものがいろいろと見えてきます。
儲かりそうだが売買数量据え置き
例えば、このEAです。
このEAは、好調に成績を伸ばしているEAの一つですが、私の売買数量は1万通貨です。EAに対する自信は出来ててきているものの、売買数量はそれほど増やしていません。
最初1000通貨でかなり勇気を出して1万通貨にしてやっています。
これには理由があるのです。
実は「怖い」のです。
誤解なく書けば、売買回数が想定以上に多い時があります。翌日に持ち越しはしないものの、1日2〜3回くらいの売買をこなして、損益が派手にでたりするのです。
私は、こういう売買には慣れていないのです。裁量トレードでも数週間・数ヶ月単位での売買に慣れているので、自動売買といえど1日数回も売買されると気が気でいられなくなります。
なので、裁量トレードで1日数回売買することに慣れている方は私のような気持にはならず、問題なく大きな勝負もできるかもしれません。
良いEAなんですよね。
多分、いずれは私もいずれこのEAの売買に慣れる日がくるでしょう。その時は、売買数量をもっと増やす検討もしたいと思っています。
いずれにせよ、この辺は、無理をしない方が良いです。人にはそれぞれ性格があり、その人にあった運用法があります。1000通貨運用で3ヶ月くらい様子を見ていると、単なる実績以外のこういう心理的に適応できるかどうかという部分も見えてきます。
MT4使い方2016 目次
「MT4使い方2016」の目次です。
- 第1回:MT4 成功と失敗 3年間の振り返り
- 第2回:MT4に不可欠VPS 無料と有料とメモリの話
- 第3回:MT4失敗例その1:優秀な成績のEAで失敗
- 第4回:MT4失敗例その2:データ不足のバックテストで失敗
- 第5回:MT4失敗例その3:スプレッド拡大時に刈り取られる
- 第6回:MT4失敗例その4:ポジションを増やすタイミングを誤る
- 第7回:ミラートレーダーで得たMT4教訓
- 第8回:MT4 VS ミラートレーダー比較
- 第9回:MT4失敗例 その5:自作EAの可能性と壁
- 第10回:MT4 完全自動売買と半自動売買 2つの使い方
- 第11回:MT4シグナルを使用した半自動売買
- 第12回:投資で儲ける2つの方法 裁量トレードで勝つための鉄則
- 第13回:MT4自動売買の勝機 20年以上前から抱き続けた夢の実現
- 第14回:MT4で検証 その2:絶対はないが相性の良いシグナルは存在
- 第15回:MT4の落とし穴 勝率100%の魔力
- 第16回:MT4最適化の呪縛と利用法
- 第17回:MT4商用EA 2つの基本事項
- 第18回:MT4 長期運用の原則
- 第19回:MT4自動売買 利益期日目標はなぜNGなのか?
- 第20回:MT4商用EA選び 4つのポイント
- 第21回:MT4商用EA損益グラフ 2つの理想形
- 第22回:PF(プロフィットファクター) MT4商用EAで留意するポイント
- 第23回:MT4自動売買隠れコスト スワップポイント差コストへの対応
- 第24回:自動売買スワップポイント差負担軽減 2つの策
- 第25回:MT4で多頻度売買EA 体験談
- 第26回:MT4 理想のエントリーパターン2016
- 第27回:MT4 EAに休みは必要なのか?
- 第28回:MT4EA 個別売買ルールの中身
- 第29回:その1:1000通貨スタートの原則 MT4安全運転7原則
- 第30回:その2:1MT4 1EA MT4安全運転7原則
- 第31回:その3:稼働EAを一気に増やさない MT4安全運転7原則
- 第32回:その4:資金を限定する MT4安全運転7原則
- 第33回:その5:EAに期待し過ぎない MT4安全運転7原則
- 第34回:その6:絶不調時にEAを止めない MT4安全運転7原則
- 第35回:EA絶不調 夜明け前が一番暗いは本当なのか? MT4安全運転7原則
- 第36回:その7:売買数量を増やすタイミング MT4安全運転7原則
- 第37回:売買数量増加 留意している4ポイント MT4安全運転7原則
- 最終回:MT4長期利用者たちの共通点と感じること