その2:絶対はないが相性の良いシグナルは存在・・・MT4の使い方2016 第14回
相性の良いテクニカル指標をみつけて利用するという戦略は、今のところ有効に機能しています。
通貨ペアと相性の良いテクニカル指標
私は複雑なEAは作れません。なので、作るEAはテクニカル指標を単純に使用しているものが中心です。単純なEAといっても、100本以上作るといろいろな気づきがあります。
その中の一つが今回のタイトルです。
「通貨ペアによって絶対はないが相性の良いシグナルは存在する」
前回連載で南アフリカランド円で相性の良いシグナルなどを検証しましたが、あれらも単純なEA作りでみつけたものです。
テクニカル指標の中には、特定の通貨ペアの値動きとうまく合うようなものがいくつかあります。無論、通貨当局がその指標を使って介入をしているはずはないので、たまたまではあるものの、この傾向は利用できます。
「絶対という勘違いだけはしないで利用すれば強い武器になる」
私はこう考えています。この相性の良いシグナルは時間足が長目のものに多い気がします。
利用時の一工夫
これら相性の良さそうなテクニカル指標の売買シグナルは、完全な自動売買で動かすとなかなかうまくいきません。理由は2つあります。
- スプレッドの急変動で刈られてしまうことがある。
- スワップポイントなどの取引条件が悪いことがある。
朝方や重要指標発表時の急変動+スプレッド拡大局面では、この手のEAは格好の餌食となりやすいようです。曜日的には月曜日の朝方などが要注意です。
最適化機能を使って広目の損きりにしてあっても、為替相場が損きり水準に近づいてきたときは、刈られてしまうことがあります。
私も、何度かこのパターンで刈られました。
月曜日の朝にポジションが無くなっていたなどの経験が数回あります。
短時間の急変動・急拡大のため、スプレッドが開いたところでポジションが消えています。チャート上値をつけていないようなところで決済されていることもあり、これには憤りすら感じました。
「なんで、値がついていないのに決済されているの?」
これ、不思議ですよねぇ。FX会社に問い合わせても「異常レートではございません」というありきたりの回答しかありません。ごねて、とことん争うというやり方もあるのでしょうが、金額的に大きくはないので、そこまでする気にもなれません。
あまりにも不愉快なので、「こういう時間帯に逆指値が入りそうなポジションを持たないようにしよう」というルールも作りました。
その後にポジションを立て直しても不利になることが多いのも困りものです。
そして、MT4ではスワップポイントの売りと買いの差が開いていることが多く、長期保有すると不利になることもよくあります。
例外は、FXTFMT4口座くらいです。
参考:FXTFMT4 詳細
FXTFMT4は、買いと売りのスワップポイント差が数円と一般の裁量トレード口座と遜色有りません。このスワップポイト差が数十円開いているMT4口座は結構ありますので、ポジションを長期保有するEAなどを使用するときは注意が必要です。
このパターンでの、私の自衛策は2つです。
- MT4のシグナルのみを利用して他口座で手動売買
- 損きり指値をはずして稼働させる
どちらで対応するかは、その状況に応じて決めます。
MT4使い方2016 目次
「MT4使い方2016」の目次です。
- 第1回:MT4 成功と失敗 3年間の振り返り
- 第2回:MT4に不可欠VPS 無料と有料とメモリの話
- 第3回:MT4失敗例その1:優秀な成績のEAで失敗
- 第4回:MT4失敗例その2:データ不足のバックテストで失敗
- 第5回:MT4失敗例その3:スプレッド拡大時に刈り取られる
- 第6回:MT4失敗例その4:ポジションを増やすタイミングを誤る
- 第7回:ミラートレーダーで得たMT4教訓
- 第8回:MT4 VS ミラートレーダー比較
- 第9回:MT4失敗例 その5:自作EAの可能性と壁
- 第10回:MT4 完全自動売買と半自動売買 2つの使い方
- 第11回:MT4シグナルを使用した半自動売買
- 第12回:投資で儲ける2つの方法 裁量トレードで勝つための鉄則
- 第13回:MT4自動売買の勝機 20年以上前から抱き続けた夢の実現
- 第14回:MT4で検証 その2:絶対はないが相性の良いシグナルは存在
- 第15回:MT4の落とし穴 勝率100%の魔力
- 第16回:MT4最適化の呪縛と利用法
- 第17回:MT4商用EA 2つの基本事項
- 第18回:MT4 長期運用の原則
- 第19回:MT4自動売買 利益期日目標はなぜNGなのか?
- 第20回:MT4商用EA選び 4つのポイント
- 第21回:MT4商用EA損益グラフ 2つの理想形
- 第22回:PF(プロフィットファクター) MT4商用EAで留意するポイント
- 第23回:MT4自動売買隠れコスト スワップポイント差コストへの対応
- 第24回:自動売買スワップポイント差負担軽減 2つの策
- 第25回:MT4で多頻度売買EA 体験談
- 第26回:MT4 理想のエントリーパターン2016
- 第27回:MT4 EAに休みは必要なのか?
- 第28回:MT4EA 個別売買ルールの中身
- 第29回:その1:1000通貨スタートの原則 MT4安全運転7原則
- 第30回:その2:1MT4 1EA MT4安全運転7原則
- 第31回:その3:稼働EAを一気に増やさない MT4安全運転7原則
- 第32回:その4:資金を限定する MT4安全運転7原則
- 第33回:その5:EAに期待し過ぎない MT4安全運転7原則
- 第34回:その6:絶不調時にEAを止めない MT4安全運転7原則
- 第35回:EA絶不調 夜明け前が一番暗いは本当なのか? MT4安全運転7原則
- 第36回:その7:売買数量を増やすタイミング MT4安全運転7原則
- 第37回:売買数量増加 留意している4ポイント MT4安全運転7原則
- 最終回:MT4長期利用者たちの共通点と感じること