第7歩:ナンピン売買成功のカギは「損きり」にあり
ナンピン売買を成功させるために不可欠となるのが「損きりの考え方」です。ナンピン売買で失敗しないための参考になればと思い記事にまとめました。まずは、ナンピン売買悪玉論から始めさせていただきます。
今回この連載を読まれるのが初めての方は、第一話から読まれることをお勧めいたします。
ナンピン売買は良いのか悪いのか
前に「ナンピン売買」について少し書いたところ、「もう少し詳しく書いて欲しい」といった要望があったので今回のテーマとさせていただきます。
ナンピン売買は、難平売買とも呼ばれていて「難を平らにする」という意味の相場用語です。分割売買と呼ばれることの方が多いかもしれませんが、ほぼ同義です。
FXを数ヶ月もされた方であれば「ナンピン売買」という言葉自体を知らない方はほとんどいないだろうと思います。
このナンピン売買の評判はよくありません。
- 「ナンピン売買は失敗の元」
- 「ナンピン売買は絶対にしてはいけない。」
こんな論調の記事は、結構な頻度で目にします。
2019年現在では、「ナンピン売買悪玉論」が主流といって良いかもしれません。
私はというと・・・・
ナンピン売買が悪いと考えたことは一度もありません。
そもそも、私達の運用法はナンピン売買=分割売買が主軸であり、これによって利益を出してきました。
ナンピン売買で利益を出してきている訳なので、疑う余地もないというのが本音です。
私がここまで相場の世界を生き抜いてこれたのは、ナンピン売買のお陰でもあります。
ナンピン売買が絶対に有効jだと思っているわけでもありません。運用法によってナンピン売買は有効にもなるし不利にもなるというのが正直な気持ちです。
少なくとも、私達のやっている運用法では、ナンピン売買は必須の技術であり有効なものであると断言できます。
いろんなブログ記事をみて感じるのは、ナンピン売買で失敗する一番の原因は、失敗の処置を誤ったことに原因がある気がします。
ナンピンの失敗は、損きりで対応するしかありません。
視点を変えれば、失敗の処理としての損きり基準がしっかりと出来ていれば、ナンピン売買をもっと有効に使えるということです。
損きり基準は、投資家それぞれで違ってきます。
損きりには、その基本部分ともいえる基準が3つあります。
林先生の本にも記載されている内容を少し書き換えて、紹介させていただきます。
ナンピンの損きり 3つの基準
- 割合で決める:10%逆行や5%逆行という具合
- 値幅で決める:●円下がったら損きりという具合
- 日柄で決める:ポジションを持ってから10日したら損きりという具合
株の世界では「5%逆行したら損きり」という感じで決めるのが「割合で決める」損きりのやり方です。
5%というのは、米ドル円では5円以上の値動きに相当します。FXでは、為替の変動幅などを考慮してもっと狭目の設定の方が良いかもしれません。
「値幅で決める」損きりは、「買値から2円下がったら損きり」といった形で行います。ブログ記事などをみていると、この基準で損きりをされている方が一番多いように感じます。
「日柄で決める」という損きり基準は、一般的ではないかもしれません。
どちらかというと、中長期のスイングトレードをされる方に有効な基準です。
為替相場がトレンドを形成するには日数がかかります。ポジションを作って「失敗かも」と思ったとしても、それがはっきりと見え始めるまでには数日〜数週間かかることがよくあります。
10日・30日という日数は、そういう判断が出来るまでの期間であり、その日数経過後に「失敗」という状況であれば、損きりを実行するというのがこの「日柄で決める」という基準です。
最初は、この3つのどれかで損きり基準を決めておきます。慣れてくると、自分なりの損きり基準ができてきます。
現在、私の損きり基準は「場帳・グラフ記入で”マズイ”と感じたときに損きり」としています。この基準はうまくいくときは、スッキリするのですが、たまに調整が必要です。
「損きりタイミングがずれてきた」と感じるような時は、先程の3つの基準のどれかに一旦戻ります。
微調整をしながら、自分の損きり技術を向上させていくつもりでいます。
FX勝利貫徹編 目次
- 第1話:凡人の道
- 第2話:努力は報われない
- 第3話:FX投資で勝てるようになったきっかけの話
- 第4話:FX勝利貫徹の第1歩「正しい運用法とは」
- 第5話:第2歩:FX運用法を絞り込む
- 第6話:脳神経科学からみた「FXで失敗しやすい理由」
- 第7話:FX手法は一つで十分〜1投資分野1運用法
- 第8話:第3歩:兼業でFXやるときの鉄則
- 第9話:第4歩:正しく実践しなければFXで成果はでない
- 第10話:第5歩:売買開始は数ヶ月してからで良い。
- 第11話:第6歩:基礎練習の続け方
- 第12話:第7歩:ナンピン売買成功のカギは「損きり」にあり
- 第13話:第8歩:やらないとわからない事への対処
- 第14話:第9歩その1 FXで大損の種がまかれる時はいつなのか
- 第15話:第9歩その2 FX好調期に注意すべき3つの事
- 第16話:第10歩 FX本 利益につなげるための4つの読み方
- 第17話:第10歩その2 最高の学習時期に何をすべきか
- 第18話:第11歩 負けないためにすべき事「FXで絶対負ける人はどんな人」
- 第19話:第12歩 勝つために何をしているのか
- 第20話:第13歩 FX・株式投資「運用技術を磨く」とは
- 第21話:第14歩 「為替相場・株式相場をありのまま見る」ことについて
- 第22話:第15歩 AIの活用方針
- 第23話:AIの限界と激変時代の勝ち残り方
- 第24話:第16歩 FX売買で考えるべき一つの事
- 第25話:第17歩 場帳・グラフ記入で得た副産物
- 第26話:第18歩 場帳・グラフトレードで伸びるタイプ・伸びないタイプ
- 最終回:第19歩 千里の道を歩むがごとく
「心得編」はこちらです。