FX・株式のニセ情報と戦うために必要な力
ネットではFXの情報が手軽に大量に取れます。でも、本当に役に立つ情報はわずかです。
ほとんどが役に立たない情報といってもよい中でFX運用を正常にやっていくのには、それなりの工夫が必要です。
私は、大量の情報を「見えない敵」とみたてて対応しています。
今回初めてこの連載を読まれる方は、第一回から読み始めることをおすすめいたします。
では、はじめましょう。
心得編その3−2 見えない敵への対応ルール
「●●が買っている」「●●が売っている」
これは昔からの煽りの常套句です。
これらのほとんどは、明確なものが存在するわけではありません。
私はこういうのは、基本的に無視しています。
まどわされてはいけません。
私の「見えない敵への対応ルール」の基本的考え方は、「見えない敵をつくらない」ということです。
具体的には以下のようなことを徹底するようにしています。
- 株式・FXなどのネット掲示板はみない。
- SNSからの情報もシャットダウン
- 各種情報機関の為替ニュースなども基本的にはみない。
- 噂で乱高下している銘柄には手を出さない。
まず投資系のネット掲示板はみません。たまに読んでしまうこともあるのですが、その記事が印象的であればあるほど頭に残って、その後の売買に少なからぬ影響が出てしまうからです。
経験上、その影響は良いものではなく、悪い方向に作用することがほとんどです。
こういう記事・カキコミは最初は気にならないんです。
でも、自分の運用がうまくいかなくなってくると、「上げそうで上げないのは、●●が売っているからだ」などと、知らぬ間に自分で「見えない敵」を作りだしていたりするものです。
ツィッター・FACEBOOKなどで流れている情報も相手にしません。
FX業者など情報機関が発信している為替ニュースもほとんど読みません。たまに、世界経済全体の流れの確認程度に読むことはあります。
見てしまっても、日々の相場解説で、後づけで解説しているものは相手にはしません。
覚えておいても意味のないものが多いからです。こういう解説は、翌日には別の要因で相場が動く解説があったりして、並べていくと矛盾ばかりが目だつものです。
そして、FXでも株式でも「噂話」や「買収合戦」などで乱高下している銘柄には手を出しません。
以上、いずれも売買判断に悪影響を及ぼす要因です。
これらを遮断することで、「見えない敵を作らない」ようにしています。
それでも、知らず知らずのうちに「見えない敵」が出来てしまうときもあります。
それに気づいたら、自分の中から取り除き、駆逐せねばなりません。
そのために必要な力があります。
それは「自分を信じる力」です。
「見えない敵」を駆逐する「信じる力」
例え、「見えない敵」を作り出したとしても、それを無視し続けるためには、強力な力が必要です。 、
それが「信じる力」です。
「見えない敵」に誘惑されても、「私はこの運用法をきっちりやればよい。よそ見をしてはいけない。これを信じていくだけだ。」という気持ちで取り除くようにしています。
「信じる力」は、相場世界で大きく勝つための絶対要件とでもいうべきものでもあります。
大きな利益を定期的に出せるようになるには、「信じる力」が必要不可欠になるからです。
利益がちょっと出てくると多くの投資家は不安になるものです。
「もしかしたらこれ以上利益は伸びないかもしれない」
そんな気分になると、相場がちょっと動くたびに気が気ではなくなります。
昔から、「相場運用は利益が伸ばすのが難しい」と言われる所以です。
私達がサヤすべりなどでやっている場帳・グラフトレードでも、それは同じです。
こんなの書いています。
参考記事:豪ドル円手書きグラフからの見通し
場帳・グラフ記入を始めて数カ月くらいすると、多くの方が「損をしなくなった」という感覚を持つようになります。
これまで損失の方が多かったという方が、「収支トントン」ところまでくるのでこれはとてもうれしいことです。
次は「利益を伸ばす」段階に入るのですが、そこに入るために絶対必要なことがあります。
それが「信じる力」です。
相場運用の世界で「何を信じるべきか」と「どうやったら信じ抜くことができるか」は。その投資家の成否を左右する大切な要件といっても過言ではありません。
「信じると言っても何を信じれば良いのか?」
ここも大切なところです。
何を信じれば良いのか?
- 何を信じるべきか。
- この不確実な世界で信じ抜けるものなどあるのか?
こう感じる方がいても不思議なことではありません。
相場運用では、絶対的なものは何一つないように思えます。利回り保証・利益保証などという言葉はまともな運用法や運用商品ではあり得ないものです。
相場変動を完全に読み切ることは誰にもできません。
その変動の中で形成される市場の噂や「いくら儲かった」などの投資家の収支情報などは聞いている分には楽しく夢が拡がるものですが、それを聞いたことで儲かるものではありません。
全てが変動し不確定な中で、一つだけ確実なものがあります。
確実なものであれば信じ抜くことができます。
その確実なものとは「投資家自身」です。
自分が判断したことを信じ抜く力を養成していくことが、勝ち抜くための必須条件です。
自分が選んだ運用を信じて、日々の売買判断を信じて売買を続けていく。
私の場合、信じるのは「自分の売買道具からの売買判断」だけです。私が、30年も投資家を続けてこれたのは、この売買道具があったからこそです。
どうやったら信じ抜くことができるか?
「どうやったら自分を信じ抜くことができるか」
これも意識しておくべき部分です。
数年おき、あるいは数ヶ月おきに、運用法をコロコロ変えてしまう方も多いと思います。
これはある程度しょうがないところです。
実践する運用法には、「いくらやっても利益を出せない運用法」と「基本をきっちりやれば利益が出せる運用法」があるからです。
あと、「その人に合うかどうか」という部分もあるようです。
私がやっているサヤすべり取りを他の方がやっても、その評価は分かれてしまうからです。
自分に合う運用法をみつけることはとっても大事です。
運用法をコロコロ変えているうちは「自分の売買判断を信じ抜く」ことは難しいです。
自分に合う運用法をみつけたら、その基本事項をきっちり守ってやっていかねばなりません。
私の場合は、毎日1分程度の「場帳・グラフ記入」です。
これだけを信じて、粛々と売買を続けています。
「敵は己自身 己を信じ抜くことが勝利の道」
そう思ってやっています。
「見えない敵」に翻弄されやすいと感じていている方は、信じ抜ける運用法をみつけることが優先課題です。
FX初心者向け FX長期投資派の基礎 目次
- 第1回:投資で儲かっている人はどこにいる? 30年経っても変わらない現実
- 第2回:心得編その1:人の行く裏に道あり花の山 振り回されない運用
- 第3回:心得編その2:相場で勝つための見方・考え方
- 第4回:心得編その3:見えない敵とどう戦うべきか
- 第5回:FX・株式のニセ情報と戦うために必要な力
- 第6回:心得編その4:本当に儲かるFX運用法はどれ?
- 第7回:FXでの損きり判断 3つの基準 心得編その5
- 第8回:小人閑居 考え過ぎると失敗するの法則 FX心得編その6
- 第9回:FX・株式 思い付き売買はケガの元
- 第10回:心得その7:少数派でいる方が勝てる
- 第11回:心得その8:運も実力のうちの捉え方・考え方
- 第12回:心得その9:FXトレーダーは健康管理も重視すべし
- 第13回:FX専業トレーダー心得 狡兎三窟のすすめ
心得編のあとは、FX勝利貫徹編1話:凡人の道へと続きます。