大敗大勝のジンクスと損失繰越
損をしたときこそ確定申告が大事だと思っています。将来利益を出すつもりでいるからこそ、そのための備えをしておきましょう。
損失繰越
今回は、確定申告をする一番大きなメリットでもある損失繰越についてです。今年も昨年と損失繰越の仕組みは全く同じです。書類などについては過去記事を紹介させていただきます。
毎年書いていますが、運悪く今年は損になってしまった方は、絶対損失繰越をしておきましょうね。
「損をしたときは確定申告をしなくて良い」
こう思っている方もまだまだ多いのですが、その考えは改めたほうが良いです。特にまとまった損を出したときなどは、損失繰越をしておかないとメリットを享受できません。
「損失繰越は翌年以降の利益と相殺して税金を少なく出来る」
これは、本当にありがたいです。
私自身も、損失繰越のお陰で数百万円の税金を節約した経験があります。上記ページ「人気がないけど大事な損失繰越」で詳しく書いています。損失繰越の手続きをしていたお陰で翌年以降の利益で税金を払わずに済みました。
運が良かっただけという面もあるのですが、実は、大負けの後に勝つというこのパターンは昔からよくあるのです。大敗大勝のジンクスともいえるかもしれません。
大敗大勝のジンクス
「大負けの後は勝ちやすい」
読者の中にも「大負けの後に勝つ」というサイクルの経験のある方がいるかと思います。
説明するまでもなく、大負けすると運用技術が上がるわけではありません。このジンクスはいろんな要因があるだろうと思います。
「大負けするときは、天井・大底で最悪の売買をやるから、そこから頭を切り替えて反対売買すれば勝てる」
当時の売買を振り返り、無理やり理屈づけするとこういう説明もなりたつかもしれませんが、詳しい理由はわかりません。
私自身20年以上の投資人生の中でこの大敗大勝のジンクスは数回経験しています。大敗自体、そう何度も経験するものではないのですが、大敗の後は必ずといって良いほどチャンスが訪れています。
でも、このジンクスはほとんど知られていません。
私も、投資を始めたてのころはこのシンクスに気づくことはありませんでした。
なぜかと言えば、投資を始めたての頃は、損きりやら塩漬けで新規に投資できる資金が無くなっているからです。商品先物でほぼ全財産を飛ばしたこともあります。この経験談は、亀千人投資術の説明ページで書いてあります。
参考:亀千人投資術ページ
大負けの後は、相場がよく見えることが多いのですが、そういうときは資金も枯渇していることが多いので、投資をしたくても出来ないという状況がほとんどです。
だから、このジンクスは知られていないのだという気がします。
余裕資金が復活の鍵を握る
大負けした後に・・・相場の見通しが面白いほど当たる。
でも、お金がない・・・。
こんな経験ある方、多いですよね。この寂しい思いは、私も経験しました。
そういう時に復活のカギを握るのが「余裕資金」です。
メルマガ読者歴の長い方であれば、私の実践する運用法には必ずといってよいほど「余裕資金」に類する資金ルールなどがあることにお気づきのはずです。
そして、ほとんどの運用で余裕資金を使うことはほとんどありません。
メルマガでお馴染みのこれらの数年間の運用でも、余裕資金が出動したことは、まだありません。
これ、本当に必要なの?
そう思われている方も多いかもしれません。でも、必要なんです。少々大袈裟ですが、貴方の投資人生の窮地を救う救世主になるかもしれません。
余裕資金は、運用がうまくいっている間は出番はありません。何年かに一度、運用で窮地に立たされたときにだけ出番が訪れます。
無論、大敗のあとに大敗という可能性もあります。相場に絶対はないので、余裕資金を投入するタイミングを間違えれば傷口を拡げる可能性もあります。
なので、余裕資金の取り扱いにはかなり慎重にやっています。一世一代の大勝負と思える状況にならなければ投下しません。
10年間のFX運用歴でこういう心境になったのは、1回だけあります。
それは、リーマンショック時の豪ドル暴落で1000万円以上の損きりをしてからポジションを再度作ったときです。あのときは、余裕資金を投下したわけではありませんが、「もしこれがダメだったら・・・」という悲壮感も持ちながら注文ボタンを押しました。
今思えば、あそこで注文ボタンを押せたことが比較的早めに復活ができたきっかけでした。
あれ以来、一世一代の大勝負といえるような緊張した局面はありません。現在のような時期はゆったりと利益を出しながら、油断だけはしないでいくという感じでいいかなと思っています。
チャンスを自分のものにするために損失繰越が大切
仮に、大敗のあとにチャンスが訪れたときに余裕資金をうまく使って利益を出したとしても税金でガッポリもっていかれるとうれしさが半減してしまいます。
こうならないために損失繰はやっておきましょう。大損の範囲内までの利益であれば税金はゼロ円です。
- 今年:1000万円の損
- 来年:1500万円の利益
こういう場合でも、損失繰越をやっておけば税金が発生するのは利益と損の差額である500万円分だけです。損失繰越をしておかねば、1500万円の利益全てが税金計算の対象となります。
これだけでも税金で200万円以上の差がでます。
この制度のお陰で私はかなり救われてきました。儲かったときの確定申告は勿論大切なのですが、損を出した年こそ、しっかり確定申告をすることは自分のために大切なのだと感じております。
FX税金2013 目次
- 第1回知るだけで差がつく FX税金2013年
- 第2回復興税で税金の増える人減る人
- 第3回fx税金払わないですむ3つの基準
- 第4回無税のはずが税金70万円の笑えない話
- 第5回無税範囲でやるFXのやり方 その1
- 第6回豪ドル円暴落のための備え
- 第7回FX確定申告必要書類まとめ
- 第8回税務調査 加算税減らす窮余の3策
- 第9回FX・株式税務調査 都市伝説
- 第10回FX税金は税率ではなく負担率 専業主婦36%
- 第11回専業トレーダー自営業のFX税金
- 第12回税金からみた専業トレーダーになる目安
- 第13回専業トレーダーが税金上不利になる3つの理由
- 第14回大敗大勝のジンクスと損失繰越
- 第15回FX損益通算と金融所得課税の一体化問題
- 第16回国民年金・国民健康保険料 節約の一手
- 第17回必要経費と損失繰越で税金がこれだけ違う
- 第18回所得控除 税金を減らすポイントその2
- 第19回全額掛金控除 国民年金基金の資産効果
- 第20回専業トレーダーが確定拠出年金を始めた理由
- 第21回確定拠出年金 元本割れが気になったら読む記事
- 第22回税金還付をキャッシュバックと考えてみる
- 第23回確定拠出年金手数料まとめ
- 第24回確定拠出年金 給付手数料節約の小技
- 第25回運用商品と信託報酬のポイント
- 第26回配分変更とスイッチング
- 第27回元本確保型の欠点 インフレリスクとは
- 第28回インフレ時代の資産運用
- 第29回投資家の選択リスク
- 第30回ドルコスト平均法の効果と試練
- 第31回NISAに応用できるFX運用法
- 第32回ふるさと納税 2013
- 第33回ふるさと納税 手続きと手順
- 第34回FX税金2013 NEVERまとめ