無税のはずがFX口座まちがえて税金70万円の笑えない話
前回無税で済む範囲についてご説明しました。
今回は、スワップポイントを活用した無税範囲のFXをやるときに重要となるのがどのFX口座を使うかです。このニーズが一番大きい主婦の方を例にまとめました。
FX税金スワップポイントの税金
スワップポイントは、使う口座によって課税時期がちがってきます。この違いは下記ページでまとめてあります。
スワップポイントの課税時期には2種類あります。これは口座の種類によって違ってきます。
- スワップポイントが発生した年に税金の対象
- ポジションを決済した年に税金の対象
「スワップポイントが発生した年に税金の対象」となる業者の代表格は、GMOクリック証券【FXネオ】です。一般的には、「ポジションをもったまま資金引き出し自由」と宣伝している口座が「スワップポイントが発生した年に税金の対象」のことが多いのですが、たまに変化球を投げる業者さんもいます。不安な方は、業者HPのよくある質問 税金編などで確認しておきましょう。
GMOクリック証券【FXネオ】は、私も昔から利用している業者さんです。現在は、中国元投資と自動売買で使っています。ずっとスワップポイントも高目の水準を維持していて経営に安定感もあるので、無税の範囲でスワップ投資をするときには手ごろな業者の一つです。
業者によっては、数種類の口座を提供しています。その場合、スワップポイントの取り扱いはその口座によって違ってきます。例えば、GMOクリック証券であれば、店頭FXネオ口座は「スワップポイントが発生した年に税金の対象」で、くりっく365口座は「ポジションを決済した年に税金の対象」となります。GMOクリックだからスワップポイントはみな同じとはならないので注意が必要です。
短期売買では、この違いはほとんど気にする必要はないのですが、スワップ投資のようなポジション保有が長期になると影響がでてきます。特に「毎年発生するスワップポイントを無税の範囲に抑えよう」と思っている方にはとても重要なポイントです。
「毎年のスワップポイントを無税範囲である33万円以内にしたい」
主婦の方が、こう思ってポジションを作ったFX口座が「ポジションを決済した年に税金の対象」だとしたら、将来大変なことになります。
毎年仮に33万円のスワップポイントが発生するとしましょう。
「スワップポイントが発生した年に税金の対象」となる口座であれば、毎年発生するスワップポイントは毎年無税ですみます。
ところがですよ。
「ポジションを決済した年に税金の対象」となる口座の場合であればスワップポイントは毎年課税対象とはならずに積みあがっていきます。
仮に5年も保有すれば、スワップポイントだけで33万円×5年=165万円となります。
決済値が買値と同値と仮定して、どれくらい負担が違ってくるのかをちょっと計算してみましょう。
負担差計算
まず、165万円に対して20%の税金がかかります。
- 所得税(165万円−基礎控除38万円)×15。315%=19.45万円
- 地方税(165万円ー基礎控除33万円)×5%=6.6万円
*復興税込み
前回記事fx税金払わないですむ3つの基準の基準でいくと165万円の利益があった年は配偶者控除と社会保険の扶養家族からもはずれる可能性が高くなります。もしも、ご主人の地方税・所得税の合計税率が30%とするとこんな感じになります。
配偶者控除が無くなったときのご主人の負担増
38万円×30%=11.4万円
奥様の国民健康保険料(所得比例方式で負担率10%の自治体の場合)
(165万円ー基礎控除33万円) × 10% = 13.2万円
奥様の国民年金保険料 15,040円(平成25年)
15,040×12ヶ月=18.048万円
全て合計するとこうです。
19.45万円+6.6万円+11.4万円+13.2万円+18.048万円=68.698万円
恐ろしい金額ですね。使うFX口座が違うだけで、同じ利益でも税金・健康保険料も考慮すると負担がこれだけ違ってきます。
この場合、GMOクリック証券ネオ口座のような「スワップポイントが発生した年に税金の対象」の口座を使っていれば毎年無税で処理されているので大きな決済利益がでない限りこうはなりません。
連載後半で書きますが、この負担を減らす方法もいくつかあります。でも、大幅に減らすことはできません。
扶養家族からはずれたときの負担増の大きさは笑って済ませる金額ではないということはご理解いただけると思います。
扶養家族でいるメリットを活かす
学生もそうなのですが、今の税制では扶養家族はかなり優遇されています。そのため、その優遇の枠がはずれると、その格差に愕然とすることにもなります。
できればこの優遇された状態を維持しながらFX運用を続けていきたいものですね。
例えば、ご主人と話し合って、ご主人口座で一緒にやるという手があります。そして、奥様口座はスワップ放置ポジション中心で無税の範囲でやるという使い分けも有効です。
現在の我が家がこのパターンです。
参考までに、我が家でどうやっているのかを次回ご紹介します。
FX税金2013 目次
- 第1回知るだけで差がつく FX税金2013年
- 第2回復興税で税金の増える人減る人
- 第3回fx税金払わないですむ3つの基準
- 第4回無税のはずが税金70万円の笑えない話
- 第5回無税範囲でやるFXのやり方 その1
- 第6回豪ドル円暴落のための備え
- 第7回FX確定申告必要書類まとめ
- 第8回税務調査 加算税減らす窮余の3策
- 第9回FX・株式税務調査 都市伝説
- 第10回FX税金は税率ではなく負担率 専業主婦36%
- 第11回専業トレーダー自営業のFX税金
- 第12回税金からみた専業トレーダーになる目安
- 第13回専業トレーダーが税金上不利になる3つの理由
- 第14回大敗大勝のジンクスと損失繰越
- 第15回FX損益通算と金融所得課税の一体化問題
- 第16回国民年金・国民健康保険料 節約の一手
- 第17回必要経費と損失繰越で税金がこれだけ違う
- 第18回所得控除 税金を減らすポイントその2
- 第19回全額掛金控除 国民年金基金の資産効果
- 第20回専業トレーダーが確定拠出年金を始めた理由
- 第21回確定拠出年金 元本割れが気になったら読む記事
- 第22回税金還付をキャッシュバックと考えてみる
- 第23回確定拠出年金手数料まとめ
- 第24回確定拠出年金 給付手数料節約の小技
- 第25回運用商品と信託報酬のポイント
- 第26回配分変更とスイッチング
- 第27回元本確保型の欠点 インフレリスクとは
- 第28回インフレ時代の資産運用
- 第29回投資家の選択リスク
- 第30回ドルコスト平均法の効果と試練
- 第31回NISAに応用できるFX運用法
- 第32回ふるさと納税 2013
- 第33回ふるさと納税 手続きと手順
- 第34回FX税金2013 NEVERまとめ