NISAと確定拠出年金のハイブリット活用
来年から始まるNISAも有効活用して資産を増やしていきましょうね。
NISAと確定拠出年金のハイブリット活用
今回が確定拠出年金シリーズの最終回です。最終回は、NISAと確定拠出年金のハイブリット運用について書いておきます。まだ青写真の段階ですが、来年から始めます。
NISAが話題になっているのですが、確定拠出年金と使い分けると更に有利な運用が出来ます。まずは、NISAについて簡単に触れさせていただきます。
NISAとは
少額投資非課税制度で、英国のISA制度を手本にして作られた制度のためNISAと呼ばれています。
年間100万円までの枠を設けてその運用益・配当金を無税にするという制度です。2014年から始まるということで現在口座開設手続きをされている方も多いと思います。以下の特徴があります。
- 1年100万円
- 制度は10年間継続の予定 合計1000万円の無税枠
- 一人一口座
このNISAは一人一口座ということもあり、銀行と証券会社入り乱れて顧客争奪戦をしています。対象商品も各社違うため投資家としてもかなり悩むところです。
*補足:2015年からは複数の口座も持てるようになる可能性がでてきていますが2013年11月26日のこの記事を書いている時点ではまだ正式決定ではないので詳細は後日書かせていただきます。
ちなみに私が開設したのはSBI証券です。
私が口座開設上で注意して欲しいと思う点は2点です。
- 運用商品のラインナップ重視
- 目先のキャンペーンはおまけ程度に考える
各社派手な宣伝やキャンペーンをやっているのですが、「NISAが非課税で有利」という部分が強調されすぎて「どう運用すべきか」という部分がおろそかになっているようなところがあります。
言うまでも無くNISAは、非課税というだけで通常の株式投資などとリスクは全く同じです。
自己責任の運用で利益を出していかねばならない部分も同じです。NISAだから損をしにくいという理屈はありません。目先の数千円のキャッバック等は無視しても良いだろうと思います。一人一口座のため、FXのように「取りあえず口座を開けてキャッシュバック」貰ってから考えるような訳にはいきません。
NISAの枠は毎年100万円で10年間ですので合計1000万円を非課税枠で運用できることになります。夫婦でこの枠を利用すれば2000万円になります。
仮にですが、この2000万円の投資で1000万円の利益を出せたとすれば通常申告分離20%で約200万円の税金がかかりますが、NISA口座は税金0円となります。
- 100万円を毎年回転させていく。
- 5年間じっくり寝かせていく。
- 毎月分割でドルコスト的な買い方をしていく。
- 低位株を買って10倍などの大穴を狙う運用
- うねり取りなどで中長期の波を中心に運用
- 短期売買と割り切って10万円を10回転
などなど、いろんな戦略が使えそうです。NISAというと投資信託で長期保有が良いという論調が多いのですが、私はそうは思いません。投資信託を長期保有しても必ず上がるわけではないからです。
証券会社が投資信託を進めるのは営業上当然の成行きです。投資信託は証券会社にとってもっとも利益のでる商品の一つで管理も楽です。マネー雑誌などのNISA記事はこの辺を割り引いて読むべきです。
「短期で上昇する株を狙い2倍になったら即売却」
こんな戦略もありです。
NISAで大事なのは「非課税枠を有効活用する」ことだけだと思っています。損失繰越が出来ないので損きりは不利と考えているケースもありますが、そもそも税金がかからないので「トータルで利益が出る運用をする」ことのほうが重要です。
巷の宣伝を横においてNISAの制度をみるとそれぞれの投資スタイルに合ったNISA活用法が見えてくると思います。
NISAと確定拠出年金の違い
この2つの違いを把握しておきましょう。
- 確定拠出年金:全額所得控除 現金化は年金受給時期まで原則不可能
- NISA:5年間非課税 売却後は現金化可能
NISAは税金がかからないだけなのですが、確定拠出年金は税金が戻ってくるという点で運用面ではかなり有利です。でも、確定拠出年金は途中で現金化して使うことは出来ません。流動性の面ではNISAに軍配があがります。私は、NISAと確定拠出年金を以下のように組み合わせる予定にしています。
- 確定拠出年金:ドルコスト平均法積立の優位性を生かせるように運用
- NISA:海外ETF・米国株などで運用。2倍くらいを目安に決済
私のサイトやメルマガをみて頂いている方はどこかで聞いたような文章と感じるかもしれませんね。そうなんです。FXの運用スタイルをそのまま応用するってことです。
この2つの運用法を応用して確定拠出年金とNISAをうまく回せそうな気がしています。
まあ、どうなるかは今後のお楽しみというところです。
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- 第9回FX・株式税務調査 都市伝説
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