元本確保型の欠点 インフレリスクとは
運用商品を選ぶ上で理解しておくべきリスクについてです。元本確保型といえど欠点はあります。
確定拠出年金 運用商品3つのリスク
確定拠出年金の運用商品を選ぶ際に意識して欲しい3つのリスクについて書かせていただきます。
- 元本確保型にはインフレリスク
- 運用重視型には相場変動リスク
- 投資家の選択リスク
これらはメリットでもあるのですが、裏返せばリスクでもあります。
元本確保型のインフレリスク
銀行預金など元本確保型金融商品は、デフレには強いのですがインフレには弱い傾向があります。ここ20年くらいの日本経済の状況が続くのであれば元本確保型金融商品でも良いのですが、風向きは大きく変わりつつあります。
アベノミクスが成功するということは、日本がインフレ時代に入るということでもあるからです。そろそろインフレリスクを正確に理解すべき時期が近づいている気がします。このインフレリスクはお金の絶対額が減らないせいかなかなか理解されないのですが、本当にインフレ時代に入って何の手も打たないと恐ろしいことになります。
インフレリスクとは
インフレは、インフレーションの略です。ウィキペディアによればインフレーションはこう書かれています。
インフレーション(inflation)とは、経済学においてモノやサービスの全体の価格レベル、すなわち物価が、ある期間において持続的に上昇する経済現象である。
「インフレ時代 = 通貨価値下落の時代」
こう置き換えても差し支えないかと思います。通貨価値の下落というと難しいのですが現実の生活で考えるとわかりやすいかもしれません。
100万円の現金を持っていたとします。
100万円というお金の絶対額は、インフレ時代でもデフレ時代でも減ることはありません。でも、100万円で買える商品に差が出てきます。
例えば、現在100万円で買える車があったとします。
- 数年後に全体の物価が2倍に上昇。車も2倍の値に値上がりする。
- つまり100万円のままでは、その車は購入できない。
通貨価値の下落とは、このような状況をさします。でも、100万円が200万円に増えれば大丈夫じゃないのという意見もあると思います。確かに理屈ではそうなるのですが、現実にはそういう状況はまずおきません。
インフレに弱い銀行預金
仮に、100万円を銀行預金にしてあって利息で200万円まで増えれば問題はありません。そして、収入も2倍になればインフレの生活への影響もほとんどありません。
でも、インフレ時代に物価上昇率以上の銀行預金金利が何十年も続いた事例は過去の世界経済の歴史の中でおそらく一度もありません。現在の日本のようにデフレ化で低金利という状況はあるのですが、物価上昇が本格化すると銀行預金金利も上昇するものの、物価上昇率には及ばないのが現実の姿です。
これが、元本保証金融商品の限界でもあります。
もしも、インフレによる物価上昇率が5%で銀行預金金利が1%であれば、毎年4%ずつ通貨価値が下落していることになります。
確定拠出年金の運用商品で銀行預金を選択する場合はこの点に注意しておく必要があります。全額所得控除の銀行預金はとても有利なのでそのメリットを享受しながら、インフレリスクには注意しておく必要があります。
とはいえ、2013年11月の現段階では慌てる必要はありません。インフレリスクが高くなってきたと感じたら配分変更やスイッチングで運用商品を変更すればいいだけだからです。
対策としては、現状のようにインフレリスクが少ないうちは元本確保型の運用をしておいて、インフレリスクがでてきたら運用商品を変更するというのが良いかと思います。
私は、元本保証というのも魅力なのですが、インフレ時代に上がり易いものに投資をしておくつもりでいます。
FX税金2013 目次
- 第1回知るだけで差がつく FX税金2013年
- 第2回復興税で税金の増える人減る人
- 第3回fx税金払わないですむ3つの基準
- 第4回無税のはずが税金70万円の笑えない話
- 第5回無税範囲でやるFXのやり方 その1
- 第6回豪ドル円暴落のための備え
- 第7回FX確定申告必要書類まとめ
- 第8回税務調査 加算税減らす窮余の3策
- 第9回FX・株式税務調査 都市伝説
- 第10回FX税金は税率ではなく負担率 専業主婦36%
- 第11回専業トレーダー自営業のFX税金
- 第12回税金からみた専業トレーダーになる目安
- 第13回専業トレーダーが税金上不利になる3つの理由
- 第14回大敗大勝のジンクスと損失繰越
- 第15回FX損益通算と金融所得課税の一体化問題
- 第16回国民年金・国民健康保険料 節約の一手
- 第17回必要経費と損失繰越で税金がこれだけ違う
- 第18回所得控除 税金を減らすポイントその2
- 第19回全額掛金控除 国民年金基金の資産効果
- 第20回専業トレーダーが確定拠出年金を始めた理由
- 第21回確定拠出年金 元本割れが気になったら読む記事
- 第22回税金還付をキャッシュバックと考えてみる
- 第23回確定拠出年金手数料まとめ
- 第24回確定拠出年金 給付手数料節約の小技
- 第25回運用商品と信託報酬のポイント
- 第26回配分変更とスイッチング
- 第27回元本確保型の欠点 インフレリスクとは
- 第28回インフレ時代の資産運用
- 第29回投資家の選択リスク
- 第30回ドルコスト平均法の効果と試練
- 第31回NISAに応用できるFX運用法
- 第32回ふるさと納税 2013
- 第33回ふるさと納税 手続きと手順
- 第34回FX税金2013 NEVERまとめ