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FX損益通算と金融所得課税の一体化問題

現在、FXは、いくつかの投資商品と損益通算ができます。主要なところでは以下のものがあります。

 

  • 日経225先物
  • 商品先物
  • CFD取引

 

日経225先物とFXの両方をやっているという方には、損益通算は便利です。でも、株はできません。とはいえ、議論が始まっています。株とFXの損益通算が実現すれば、投資家にも大きくプラスになりますね。平成25年現在は、まだ無理ですが、現状についてまとめました。

株とFXの損益通算

「株とFXの損益を合計できないだろうか?」

 

この質問をたまにいただきます。現状は、FXと株式は別の税制のため別々の所得として扱われます。ただ、数年後にはFXと株式の間で損益通算が可能になりそうな雰囲気もあります。

 

金融庁の平成26年度以降の税制改正要望のなかに「金融所得課税の一体化」が入ってきているからです。

 

 

このレポートの中の7ページに損益通算対象について触れている部分があります。

 

金融所得課税の一体化を実現するためには、まず一体化の対象となる「金融所得」の範囲を明にする必要がある。金融所得を金融商品の保有や譲渡によって生じる所得と捉えるならば、さしあたり、次のような所得が含まれることになろう。

 

  1. 株式の配当、譲渡益
  2. 投資信託の収益分配金、譲渡益、償還益
  3. 預貯金の利子
  4. 公社債の利子、譲渡益、償還益
  5. 保険の満期返戻金、満期受取金
  6. 先物の決済差損益
  7. 外貨預金等に伴う為替差損益

 

これらの多くは、現行では、利子所得、配当所得、譲渡所得に分類されているが、中に は、一時所得や雑所得とされているものもある。それらを金融所得として再整理することが求められるのである。

 

FXは、6の「先物の決済差損益」と同じ扱いです。FXの確定申告書類の中に「先物取引の〜」という書類があるのはその流れです。

 

今は別の税制となっている、株式・預貯金利息・外貨預金の諸利益・保険・先物取引・FXなどほぼ全ての金融商品を全て損益通算できるようにすることが検討されています。これ実行されると、投資家にとってはとてもわかりやすい税制になります。

 

そして、メリットも大きいです。平成24年現在、株とFXは別々に計算します。

 

  • 株式投資 300万円損失
  • FX   300万円利益

 

この場合、「株式は損失繰越:FXは利益申告して約60万円の税金納付」という手続きを確定申告で行う必要があります。

 

もしも、株とFXの損益通算が実現すれば「株式の損失とFXの利益を相殺して税金ゼロ」となります。

 

この事例だけでも、税金に差が付きますね。

 

現状、株式投資では利益がでたときに税金を差し引かれて確定申告を不要とする特定口座が定着しています。金融庁が最終的にもくろむのは、FXも含めて株式取引と同じ形で課税を目指していくことになるでしょう。

 

ただ、一つの懸念材料もあります。

 

 

 

「金融所得課税の一体化」が実施されるときに、取引所取引のくりっく365と店頭FXが再び別扱いになる可能性があるということです。

 

これだけは止めて欲しいですね。

 

懸念すべき部分は若干ありますが、あと数年すると株式とFXの損益通算が出来るかもしれないというのは投資家にとっては明るいニュースであると思っています。

FX税金2013 目次

2013/10/15


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