損失繰越は後からできるのか・・・
今回の連載の損失繰越のところで、「損失繰越をやらないでしまうと翌年以降には出来ない」という説明をしました。
ただ、認めてもらえるケースもあるようです。
読者から実際にあった税務署さんでのやり取りを紹介させて頂きます。
FX損失繰越手続き忘れた場合 K様よりの参考情報
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この前、野暮用で税務署に行ったときに、「去年損して、今年儲かった。何か方法は無いの?」と税務署員に質問していた人が居ました。
税務署員曰く
「昨年の損を更正申告して、損出申告をして、今年の儲けをその範囲で相殺できます。更正は過去二年有効とかいっていたような、気もしますがこれはちょっと自信がありません。」
・・・という事で、損失繰越の手続きは、更正手続きをすれば認めてくれるときもあるようです。
しかし、以前、万ションの家賃収入を過大申告して、その後更正申告をして税金が戻ってくるまで、結構面倒でした。まず、確定申告は、e-TaxでもOKですが、更正は税務署に書面で申告となります。そのご、証拠書類が不足していると税務署の官吏から問い合わせが来てやっと認めてもらえるという事ですね。
だから、損失繰越の更正申告は、まず、損失年の証明が出来ないと受けてもらえません。確定申告でe-taxなら、自分で作ったExcelでも後で、株式取引明細を税務署に届出ればOKですが、更正の場合はこれを認めてくれるかどうか?
メルマガでも書いてあった通り、確定申告で損失繰越を行わないと、後々面倒な事になります。法人で青色申告していると7年繰越がありますよね。
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罰則にも留意 FX損失繰越手続き忘れ
K様、貴重な情報を教えていただきありがとうございます。
K様の事例は「株式投資の損失繰越」です。FXでも似たようなケースはあると思われます。
ちなみに、罰則にも留意が必要です。
故意にやった場合の罰則
手続きも厄介なのですが、故意に損失繰越をしなかったと判断されたりすると、更に厄介なことになります。
こういう罰則があります。
*申告書の故意の不提出による罰則
「5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金」
損失繰越をわざとやらなかったと判断された場合は、この罰則に抵触する可能性があります。懲役も勿論嫌ですけど、罰金でも痛いですよね。やはり、損を出した年には確実に損失繰越の手続きをしておくのが一番です。
損失繰越をやったことがない方は、とても面倒に感じるかもしれませんが、慣れてしまえばそれほど大変でもありません。
ここで紹介した更正手続きの方が10倍以上大変です。
法人口座は7年の繰越損失が可能
K様の話の中にもあるのですが、法人口座では7年間の損失繰越が可能です。個人口座では3年なので、これもFXで法人口座を作るメリットの一つと言えるかもしれません。
参考にされて下さいませ。
K様、ありがとうございました。
FX税金基礎 目次
- FX税金基礎 その1
- FX無税の範囲 20万円以内だから税金ゼロの誤解
- FX利益 サラリーマン雑所得20万円内でも税金がかかるケース
- スワップポイントの税金
- 本当は怖いFX利益と社会保険料の話
- 主婦FX税金の落とし穴 妻が扶養からはずれたら?
- サラリーマン止める前に読む記事
- のスワップポイントについて
- 専業トレーダーはつらいよ
- 人気がないけど大事なFX損失繰越
- FX損失繰越の手続きと必要書類
- FX損益通算はどこが良いのか
- FX損失繰越手続きを忘れたらどうする
- FX必要経費のまとめ
- 専業トレーダーの節税対策
- FX法人口座の魅力
- FX法人口座のデメリット
- FX税金2012総括
- 追加FX税金と復興特別所得税
- 追加ふるさと納税 有効活用法