FX税金基礎 第1回
2012年からのFX税金のポイントをまとめておきたいと思います。無税の範囲やスワップポイントの税金から損失繰越など基礎部分を押さえておけば、いくつかの節税対策も打ちやすいと思われます。
有利な税金対策は、投資家それぞれで違ってきます。ここで紹介する内容が少しでも皆様のお役に立つことを願っております。
FX税金基礎 はじめに
今年からのFX税金は、分離課税20%に統一されてシンプルになりました。シンプルになった分、納税がしやすくなりました。その反面、税務署さんでも申告漏れなどを指摘しやすくなったともいえます。
去年までは、税務署の職員さんも「くりっく365」と「店頭FX」の違いなどはいまひとつ理解が進んでいなかった感じがありました。
FX税金について質問しても答えがチグハグだったのです
今年からは、そういうケースはほとんどなくなるから「計算違い」や「申告漏れ」は見つけやすくなるような気がするのです。
ルール通りに申告すれば問題はありませんけどね。
FXをやっていても去年までは、確定申告をあまりやっていなかったという方もいるかもしれません。例えば、店頭FX口座で年間損失となってしまった場合などは申告する必要がなかったからです。
でも、今年からは損失繰越が使えます。この損失繰越を使うには確定申告が必要になります。確定申告をやっていないで翌年利益をだしても、前年度の損失を差し引くことはできないのです。
ですので、去年までは確定申告をしなかった方でも、今年からは確定申告をしておいた方が有利な方が増えます。
これを考慮すると、2012年からはFXをやる方は基本的に確定申告をするという前提で考えたほうがいいだろうと感じています。とはいえ、仕組みは単純です。基本部分を把握しておけば大丈夫です。
今回の連載では、その基本部分をまとめてまいります。
株とFXの違い
まず株とFXの税金の税金の仕組みの違いについてです。株式投資からFXに入ってきた方は、税金徴収方法の違いに戸惑うと思います。
以下のような違いがあるからです。
株式投資
口座に源泉徴収を選択しておけば、売買して利益が出ると自動的に税金が差し引かれる仕組み、その税金徴収の内容でよければ確定申告をする必要はない。
FX
利益がでても源泉徴収はされない。投資家が年間収支をまとめて確定申告する必要がある。
これには裏技的な違いがいくつかあります。例えば、自営業や専業トレーダーは、FXで利益を出すと国民健康保険料も上がります。でも、株式投資で源泉徴収を選択している場合は国民健康保険料には影響しないなどです。
まあ、こういう部分は税金上の不備みたいなものなのでいずれ是正されるだろうと思われます。
私の知る限り、「株式投資をしている方のほとんどが「確定申告をしていない」と思います。例えば、長期保有で損きりを基本的にしない方は、利益分から自動的に源泉徴収されて終わりだからです。
FXは確定申告が基本
FXは、株式投資とは逆で「確定申告するのが基本」となります。
FXの将来形としては、株式投資のような形が望ましいのですが、そう簡単にはいかないかもしれません。システムの費用負担が大きいからです。
株式投資で源泉徴収が導入される時にも、証券業界ではその費用負担の大きさが問題になりました。FX業界でこれを導入するということになれば、その費用負担をどこかに転化しないといけなくなり、スプレッドの拡大など取引条件の悪化に繋がることになるかもしれません。
FXは確定申告が基本と書きましたが、税金のかからない範囲や確定申告が不要となる範囲がいくつかあります。次回は、それについて書かせて頂きます。
FX税金基礎 まとめ
2012年以降のFX税金基本部分についてまとめていきます。
FX税金基礎 目次
- FX税金基礎 その1
- FX無税の範囲 20万円以内だから税金ゼロの誤解
- FX利益 サラリーマン雑所得20万円内でも税金がかかるケース
- スワップポイントの税金
- 本当は怖いFX利益と社会保険料の話
- 主婦FX税金の落とし穴 妻が扶養からはずれたら?
- サラリーマン止める前に読む記事
- のスワップポイントについて
- 専業トレーダーはつらいよ
- 人気がないけど大事なFX損失繰越
- FX損失繰越の手続きと必要書類
- FX損益通算はどこが良いのか
- FX損失繰越手続きを忘れたらどうする
- FX必要経費のまとめ
- 専業トレーダーの節税対策
- FX法人口座の魅力
- FX法人口座のデメリット
- FX税金2012総括
- 追加FX税金と復興特別所得税
- 追加ふるさと納税 有効活用法