EA加工前の準備 EAコピーの仕方 MT4EA作成編 第3回
前回、EAのロジックを決めました。今回より、そのロジックに従ってEAを作っていきます。今回より次の手順にはいります。
手順3:基本EAを加工して簡単なEAを作ってみる。
今回は、作成前の準備として「基本EAを決める」と「EA複製」をやります。
基本EAを決める
EAを作るときは、ゼロから作るのは大変です。でも、既存のものを少し加工すればすぐ出来ます。少し加工するだけでも、全然売買結果の違うものが作れます。
私は、「EA作りの基本形」をいくつか決めてあります。EAを作るパターンに応じて基本形のどれを使うかを検討します。ここからそのやり方について紹介しながらEAを作っていこうと思っています。
連載で教科書本としている豊嶋先生の本で紹介しているEAは、基本形として使用するには最適だと思います。EAがシンプルで補足説明も多いため理解しやすいからです。今回使うのは「FXメタトレーダー入門」を購入すると入手できる「Breakout_Exp.mq4」です。
読んで字のごとく「ブレイクアウト手法」のEAです。
ブレイクアウト手法は、米国常勝集団として有名だった「タートルズ」が使っていたといわれるやり方です。タートルズについては、説明不要かもしれません。
リチャード・デニスとウィリアム・エリックハートが作った投資家集団で成功者が多数出たたことでも有名です。
そのタートルズが使った代表的なやり方が「ブレイクアウト手法」です。勝率は低いのですが、利大損小で大きく稼げるという特徴があります仕組みが単純なため、自動売買でもよく使われています。
この「Breakout_Exp.mq4」を元に、前回のRSIをEA化してみましょう。まずは、「Breakout_Exp.mq4」の構造を確認していきましょう。
「Breakout_Exp.mq4」の構造
「Breakout_Exp.mq4」のプログラムを開いてみてください。プログラムを開き方が分からないときは下記ページを参考にされてください。
この手順1を参考にメタエディタを起動させてexpertフォルダの中から「Breakout_Exp.mq4」を見つけ出してクリックしてみて下さい。プログラムが画面に表示されるはずです。。
このEAは以下の構造になっています。
- パラメーター・マジックナンバー設定
- オープンポジションの計算
- ポジションを決済する
- スタート関数
この中で2と3はそのまま使います。1と4を変更するだけでブレイクアウトEAがRSIEAへと変身します。
ちなみにこのやり方は、ボリンジャーバンドやCCIなど他のテクニカル指標でやるときも同様です。まずは、単純なEAを簡単に作るやり方としてこの方法を覚えてみてください。
このEAを基本として変更していくことになります。EAに手を加える前にEA一番最初の手順として必ずすべきことがあります。
最初の一歩 EAの複製
「オリジナルEAを別名で保存してから加工を始める」
一番最初の作業としてこれ大事です。
基本EAを加工して簡単なEAを作ってみるを開いたままで、変更を開始するとオリジナルのブレイクアウト手法が上書きされてしまい、元のEAが使えなくなってしまいます。
考えてみれば当たり前のことなのですが、最初のうちは特に意識しておかないとオリジナルを上書きしてしまい取り返しのつかない状況になることもあります。
豊嶋先生のEAは、何度でもダウンロードできるので万が一上書きしても一応大丈夫ではあります。
ということで、基本とするEAを複製してからその複製に変更を加えていくようにします。
EA複製の仕方
EAの複製は以下の手順で行います。
EA複製の仕方
保存完了したら、変更予定のEA名が保存名になっていることを確認します。
混乱を避けるため、複製前の基本EAをオリジナルEA、それを複製したものを複製EAととここでは呼ぶことにします。
ちなみに、加工をしているうちにEAが動かなくなることがよくあります。どうも直せそうにない時は、オリジナルEAをもう一度複製して最初から作り直すほうが早いことが多いです。
オリジナルEAはこれからも何度も使いますので、この手順は確実に行ってください。
EAの複製が終わったら、複製EAの加工を始めます。
MT4EA作成編目次
EAを手軽につくるやり方をまとめました。
- 第1回MT4EA作成編 RSIEAの簡単な作り方
- 第2回手順その2 EAの売買ロジックを考える
- 第3回手順その3:EA加工前の準備 EAコピーの仕方
- 第4回基本EAの変更箇所確認
- 第5回30分でできるRSI MT4EA作成編
- 第6回MT4組み込みテクニカル指標関数の使い方
- 第7回MT4でRSIEAを作る 売買シグナル部分
- 第8回決済注文プログラムはたった1行
- 第9回マジックナンバーとRSIEA検証行
- 第10回パラメーターと変数化の効果
- 第11回RSI設定使い方 3つのパターン
- 第12回RSIエグジット戦略とは
- 第13回RSIスキャルピングにも使えるこの応用形
- 第14回RSI20 RSI80の検証
- 第15回RSIの使い方 3つのポイント
- 第16回過剰最適化(カーブフィッティング)の話
- 第17回最適化はカミソリ 大怪我しないためのポイント
- 第18回RSIEA無料配布と留意点
- 第19回決済を値幅指定
- 第20回ブレイクアウトMT4無料EA検証
- 第21回EA作成早期習得のための2つのポイント
- 第22回プログラムを短くする関数化
- 第23回「Breakout1SL1.mq4」をRSI値幅決済EAへ書換え
- 第24回コメントアウト MT4でも大切な理由
- 第25回EA解説後半 EA作成上達のコツ
- 第26回RSI値幅決済EA 短期売買向
- 第27回改造EAの面白いところ
- 第28回Breakout1TS1.mq4 1粒で三度おいしい無料EA
- 第29回大量売買防止方法
- 第30回MT4運用失敗の必然性に気づく
- 第31回最適化して最高成績を選ぶ愚
- 第32回MT4 PF(プロフィットファクター)
- 第33回MT4バックテスト 私の使い方
- 第34回MT4ファンのMT4口座比較方法
- 第35回裁量トレードの方が優秀に見える理由
- 第36回MT4最初の壁「夢の過剰最適化」
- 第37回MT4で儲からないことで目覚めた