RSI20 RSI80の検証 MT4EA作成編第14回
RSI応用形、RSI設定使い方 3つのパターンの続きです。3つめは「20−80」の検証となります。RSIは「30−70」が通常の使い方なのですが、買いの基準を20にして売りの基準を80と厳しくすることでバックテストの収支をよくできることがあります。
では、はじめましょう。
RSI20 RSI80プログラム変更点
この変更はとても簡単です。以下の2点だけの変更で済みます。
変更前
//買いシグナル
if(pos <= 0 && Rsi2 > 30 && Rsi1 < 30)//
変更後
//買いシグナル
if(pos <= 0 && Rsi2 > 20 && Rsi1 < 20)//
変更前
//売りシグナル
if(pos >= 0 && Rsi2 < 70 && Rsi1 >70)//
変更後
//売りシグナル
if(pos >= 0 && Rsi2 < 80 && Rsi1 >80)//
お気づきのとおり、通常のRSIプログラムの数字を変更するだけです。30⇒20、70⇒80にしてコンパイルします。尚、この後も変更を加える可能性があるのでEA名を別名にして保存してコンパイルすることをおすすめします。
前回のRSIエグジット戦略の基準を20−80に変更してみても面白いと思います。
前回記事:RSIエグジットへの書換え
RSI20 RSI80が有効になる事例
RSI20とRSI80は、私もよく試します。たったこれだけの変更で収支がよくなることが多いからです。
米ドル円15分足の事例
2014年1〜5月の期間でバックテストを行って比較してみました。
米ドル円は長期間の往来を続けることが多いので、RSIに向く通貨のような気もするのですが、実際に通常のRSIで検証するとあまり良い結果は得られませんでした。勝率66%はなかなか良いですが、利益66.8は少ないですね。
そこで「RSI20 RSI80」として再バックテストしてみました。
利益が66.8⇒214.77と大幅に増加しています。売買基準を厳しくしたため売買回数も大幅に減っていますが、その分手堅く稼ぐタイプに変身したようにみえます。このバックテストでは、OANDA JapanのMT4を使用しています。
この事例は、15分足でのものです。2010〜2012年の往来相場時には、米ドル円のRSIは好成績を出しています。米ドル円は、特徴的にある程度の値幅での往来相場が多いので今後も時期をみながらRSI活用も面白いのではないかと思っています。
以上、RSI応用形として3つのパターンを紹介しました。
MT4でたった数行変更するだけでも、これくらいのバリュエーションでの検証が可能になります。MT4は、ちょっと変更するだけであれば誰にでもできるようになります。その結果を裁量トレードに活かすという使い方もありです。
私もEA作りをしながら、興味深い検証事例は記事にまとめていく予定にしています。少しでも参考になれば幸いです。
MT4EA作成編目次
EAを手軽につくるやり方をまとめました。
- 第1回MT4EA作成編 RSIEAの簡単な作り方
- 第2回手順その2 EAの売買ロジックを考える
- 第3回手順その3:EA加工前の準備 EAコピーの仕方
- 第4回基本EAの変更箇所確認
- 第5回30分でできるRSI MT4EA作成編
- 第6回MT4組み込みテクニカル指標関数の使い方
- 第7回MT4でRSIEAを作る 売買シグナル部分
- 第8回決済注文プログラムはたった1行
- 第9回マジックナンバーとRSIEA検証行
- 第10回パラメーターと変数化の効果
- 第11回RSI設定使い方 3つのパターン
- 第12回RSIエグジット戦略とは
- 第13回RSIスキャルピングにも使えるこの応用形
- 第14回RSI20 RSI80の検証
- 第15回RSIの使い方 3つのポイント
- 第16回過剰最適化(カーブフィッティング)の話
- 第17回最適化はカミソリ 大怪我しないためのポイント
- 第18回RSIEA無料配布と留意点
- 第19回決済を値幅指定
- 第20回ブレイクアウトMT4無料EA検証
- 第21回EA作成早期習得のための2つのポイント
- 第22回プログラムを短くする関数化
- 第23回「Breakout1SL1.mq4」をRSI値幅決済EAへ書換え
- 第24回コメントアウト MT4でも大切な理由
- 第25回EA解説後半 EA作成上達のコツ
- 第26回RSI値幅決済EA 短期売買向
- 第27回改造EAの面白いところ
- 第28回Breakout1TS1.mq4 1粒で三度おいしい無料EA
- 第29回大量売買防止方法
- 第30回MT4運用失敗の必然性に気づく
- 第31回最適化して最高成績を選ぶ愚
- 第32回MT4 PF(プロフィットファクター)
- 第33回MT4バックテスト 私の使い方
- 第34回MT4ファンのMT4口座比較方法
- 第35回裁量トレードの方が優秀に見える理由
- 第36回MT4最初の壁「夢の過剰最適化」
- 第37回MT4で儲からないことで目覚めた