コメントアウト MT4でも大切な理由 MT4EA作成編第24回
MT4で「//」を入れるとその後の部分はプログラム実行の際に無視されます。この「//」をコメントアウトといいます。コメントアウトの部分には、プログラムの解説を入れたりすることでプログラム全体を読み易くする効果があります。
この効果は、後でプログラムを見直すときなどにでてきます。時間が経つとプログラム内容を忘れてしまっているときなど、コメントアウトの解説を読み直すことで記憶を蘇らすきっかけにもなります。
沢山のEAを作っていくためにも、丁寧にコメントアウトを入れておくことを強くおすすめします。
コメントアウトから開始
前回記事「Breakout1SL1.mq4」をRSI値幅決済EAへ書換えでの変更箇所部分を解説させていただきます。、
// エントリー関数
extern int HLPeriod = 20; // HLバンドの期間...1
変更後
// エントリー関数
//extern int HLPeriod = 20; // HLバンドの期間...1
ここは、変更前EA「Breakout1SL1.mq4」のブレイクアウト計算に使う変数HLPeriodの行です。RSIで売買するのには不要ですのでコメントアウト”//”を入れておきます。
コメントアウトは、その文を無効化するというものです。文章を削除しても同じなのですが、こうしておくことで後日更なる改造やうまく動かないときの原因探しに役立ちます。次が売買シグナル計算部分の変更です。
//HLバンドの計算
double HH2 = iCustom(NULL, 0, "HLBand", HLPeriod, 1, 2);
double LL2 = iCustom(NULL, 0, "HLBand", HLPeriod, 2, 2);
変更後
// HLバンドの計算
//double HH2 = iCustom(NULL, 0, "HLBand", HLPeriod, 1, 2);
//double LL2 = iCustom(NULL, 0, "HLBand", HLPeriod, 2, 2);
// RSIの計算
double Rsi1 = iRSI(NULL,0,14,PRICE_CLOSE,1);//...2
double Rsi2 = iRSI(NULL,0,14,PRICE_CLOSE,2);//...2
変更前EA「Breakout1SL1.mq4」の売買シグナルはHLバンド計算をもとにブレイクアウトの判定をしています。そのHLバンド計算部分をコメントアウトで無効にしてからRSIの売買計算式を入れています。
ここの考え方は、この間作成したRSIEAと同じです。
参考記事:MT4組み込みテクニカル指標関数の使い方 iRSI編
随分簡単だという気がするかもしれませんね。既存のEAを書き換える作業は慣れてくると簡単に感じると思います。そして、簡単だと思い始めたらレベルアップのチャンスでもあります。
単純なものから少しづつレベルアップ
今回のような簡単なEA作りを何度かやっていくと、「自作EAって簡単」と感じるようになるはずです。その段階まできたら、少し難しいものにチャレンジするようにしてみてください。
例えば「このEAの決済パターンをトレイリングストップ形式に変えてみよう」とかです。
あるいは「時間制限のフィルターをつけてみよう」なんてのも面白いです。特定時間だけ売買するEAが有効という説はよく聞くので自分で確かめてみても面白いですよね。
多分、そのチャレンジはすんなり成功はしません。おそらくどうしてよいかわからなくなって挫折するはずです。
でも、その挫折がEA作りのレベルアップには大切です。
挫折することで、「次はこれができるようになろう」という目標ができるからです。自分のプログラム技術の未熟さも実感するはずですので、その後のEA作りにも好影響があります。
いつになったら完璧なEA作れるようになるんだ?
なんて思い始めている方もいるかもしれません。正直に書くと、私は完璧なEAなんていつになっても出来ないと思っています。だから、プログラム技術を磨きはどこまでも続けていくつもりです。でも、利益を出せるEA作りだけであれば、それほど技術は必要としないと思っています。
複雑なEA=利益の出るEAではないからです。
単純でも、利益の出るEAは作れるのでしっかりと腕を磨いていきましょう。重要なのは、まずは沢山EAを作ることです。
完璧よりもヘタな鉄砲
EA作りに本格的に取り組んで1年半くらい経過しました。まだまだ未熟なので大きなことはいえませんが、やっとリアル口座で資金が徐々に増加していくEAが作れるようになってきたという手応えがあります。今の段階で、私は「儲かるEA作りの一番のコツ」をこう考えています。
「完璧よりもヘタな鉄砲が重要」
最初から1本1本完璧に作ろうとするよりも、最初はいろんなテクニカル指標を組み合わせて思いつくままに作ったほうが良いEAが作れるような気がするのです。
ヘタな鉄砲って案外当たるものです。
今リアル口座で動かして良い成績を出してくれているのは、一目均衡表の普通の売買ロジックを基礎にした単純なEAです。これは、思いつくままにテクニカル指標を取替えながら作っていて出来ました。
「完璧なEAを作ろう」という発想は、この思いつきが一段落してからで十分です。
まずは、ヘタな鉄砲を沢山打ってみることをおすすめします。
本日のまとめ
「完璧よりもヘタな鉄砲」
EA解説前半部分です。EA改造はなれると簡単なうえに、これでも良いものが作れます。「ヘタな鉄砲数うちあたる」の精神でどんどん作ってみてください。
MT4EA作成編目次
EAを手軽につくるやり方をまとめました。
- 第1回MT4EA作成編 RSIEAの簡単な作り方
- 第2回手順その2 EAの売買ロジックを考える
- 第3回手順その3:EA加工前の準備 EAコピーの仕方
- 第4回基本EAの変更箇所確認
- 第5回30分でできるRSI MT4EA作成編
- 第6回MT4組み込みテクニカル指標関数の使い方
- 第7回MT4でRSIEAを作る 売買シグナル部分
- 第8回決済注文プログラムはたった1行
- 第9回マジックナンバーとRSIEA検証行
- 第10回パラメーターと変数化の効果
- 第11回RSI設定使い方 3つのパターン
- 第12回RSIエグジット戦略とは
- 第13回RSIスキャルピングにも使えるこの応用形
- 第14回RSI20 RSI80の検証
- 第15回RSIの使い方 3つのポイント
- 第16回過剰最適化(カーブフィッティング)の話
- 第17回最適化はカミソリ 大怪我しないためのポイント
- 第18回RSIEA無料配布と留意点
- 第19回決済を値幅指定
- 第20回ブレイクアウトMT4無料EA検証
- 第21回EA作成早期習得のための2つのポイント
- 第22回プログラムを短くする関数化
- 第23回「Breakout1SL1.mq4」をRSI値幅決済EAへ書換え
- 第24回コメントアウト MT4でも大切な理由
- 第25回EA解説後半 EA作成上達のコツ
- 第26回RSI値幅決済EA 短期売買向
- 第27回改造EAの面白いところ
- 第28回Breakout1TS1.mq4 1粒で三度おいしい無料EA
- 第29回大量売買防止方法
- 第30回MT4運用失敗の必然性に気づく
- 第31回最適化して最高成績を選ぶ愚
- 第32回MT4 PF(プロフィットファクター)
- 第33回MT4バックテスト 私の使い方
- 第34回MT4ファンのMT4口座比較方法
- 第35回裁量トレードの方が優秀に見える理由
- 第36回MT4最初の壁「夢の過剰最適化」
- 第37回MT4で儲からないことで目覚めた