RSIエグジット戦略とは MT4EA作成編第12回
RSIの使い方の一つに「エグジット戦略」があります。ここではこのエグジット戦略についてご紹介します。詳細解説は土曜日のメルマガ「相場生活入門」にて行います。
RSIエグジット戦略説明
RSI設定使い方 3つのパターンの2つめです。2番目は「エグジット戦略」です。この戦略は既にご存知の方も多いと思います。まずは、下記図をご覧下さい。
A点が通常のRSIでの売りエントリーポイントです。Bがエグジット戦略のエントリーポイントとなります。
値動きと合わせてみると、Bの方が良さそうな感じに見えますよね。実際には、いつもエグジット戦略が有利というわけではないのですが、一つの応用形として覚えておくとよいかと思います。通常のRSIとエグジット戦略でのエントリーポイントは以下のような違いがあります。
通常のRSI戦略
- RSI70を超えたら売りエントリー
- RSI30を割ったら買いエントリー
RSIエグジット戦略
- RSI70を超えてから70を割ったところで売りエントリー
- RSI30を割ってから30を超えたところで買いエントリー
これが先ほどの図でのA点とB点の違いです。値動きに合わせて考えるとそれぞれの戦略の有効性の違いが見えてきます。
通常のRSI戦略では、上げ続けているときに売るという感じで逆張りでポジションをつくる形になります。
これに対してRSIエグジット戦略では、上げの勢いが弱まったところで売りをいれるためどちらかというと順張り的なところでポジションをつくる形になる。
RSIを使ったことがある方は既にご存知でしょうが、通常のRSIでは、強力な上げ相場のときには、上げ途上で売りポジションを作成して、そのまま持っていかれてしまうことがあります。RSIの数値も70を超えたままで、暫く高い数値で推移するような状況となると含み損が大きく膨らむこともあります。
これに対して、エグジット戦略は、上げ相場が一段落したところでポジションを作る感じになるため、大きく持っていかれてしまう可能性は小さくなります。
一応、これがエグジット戦略の理屈上の優位性となります。まあ、現実の売買ではこの理屈どおりにいかないことも多いんですけどね。一応、効果のあったバックテストパターンも紹介しておきますね。。
RSIエグジット戦略 効果のあったパターン
ユーロドル5分足でのバックテスト例です。RSIでも、エントリーポイントを変更することで収支はかなり違ってきますね。エグジット戦略にしたケースでは、勝率も70%を超えています。実際の運用でも、通貨ペアや時間軸によって使い分けていくべきでしょう。MT4であれば、どちらも単純な自動売買プログラムで実現できます。
今まで作ったEAでの経験上、この戦略は1分足や5分足のような短い時間足で有効なときが多い気がします。
通常のRSIのEAでバックテストしてあまり良い成績でないときは前回の「RSI期間変数の最適化」とともにこの「エグジット戦略」も試してみてください。
プログラムの変更点も数行変更するだけなので、簡単です。
MT4EA作成編目次
EAを手軽につくるやり方をまとめました。
- 第1回MT4EA作成編 RSIEAの簡単な作り方
- 第2回手順その2 EAの売買ロジックを考える
- 第3回手順その3:EA加工前の準備 EAコピーの仕方
- 第4回基本EAの変更箇所確認
- 第5回30分でできるRSI MT4EA作成編
- 第6回MT4組み込みテクニカル指標関数の使い方
- 第7回MT4でRSIEAを作る 売買シグナル部分
- 第8回決済注文プログラムはたった1行
- 第9回マジックナンバーとRSIEA検証行
- 第10回パラメーターと変数化の効果
- 第11回RSI設定使い方 3つのパターン
- 第12回RSIエグジット戦略とは
- 第13回RSIスキャルピングにも使えるこの応用形
- 第14回RSI20 RSI80の検証
- 第15回RSIの使い方 3つのポイント
- 第16回過剰最適化(カーブフィッティング)の話
- 第17回最適化はカミソリ 大怪我しないためのポイント
- 第18回RSIEA無料配布と留意点
- 第19回決済を値幅指定
- 第20回ブレイクアウトMT4無料EA検証
- 第21回EA作成早期習得のための2つのポイント
- 第22回プログラムを短くする関数化
- 第23回「Breakout1SL1.mq4」をRSI値幅決済EAへ書換え
- 第24回コメントアウト MT4でも大切な理由
- 第25回EA解説後半 EA作成上達のコツ
- 第26回RSI値幅決済EA 短期売買向
- 第27回改造EAの面白いところ
- 第28回Breakout1TS1.mq4 1粒で三度おいしい無料EA
- 第29回大量売買防止方法
- 第30回MT4運用失敗の必然性に気づく
- 第31回最適化して最高成績を選ぶ愚
- 第32回MT4 PF(プロフィットファクター)
- 第33回MT4バックテスト 私の使い方
- 第34回MT4ファンのMT4口座比較方法
- 第35回裁量トレードの方が優秀に見える理由
- 第36回MT4最初の壁「夢の過剰最適化」
- 第37回MT4で儲からないことで目覚めた