スワップポイント振替機能を使ったFXオプション複利運用
前回ご紹介した「スワップポイント複利戦略」の続きです。今回は運用上の注意点などについて書かせていただきます。
この戦略で注意して欲しいのが、「FXオプションポジションの建てすぎ」です。
最初はスワップポイントの範囲内と思ってはいても、やっているうちに結構な金額を使ってしまうこともあるからです
特に、相場が大きく動いてくると気持ちが高揚してきて、「よ〜し、大勝負かけるぞ!」という気持ちになりやすい方などは要注意です。
この仕掛けは、「もしかしたら10倍以上になるかも・・」という可能性もあるせいか、慣れてくると毎日のようにポジションを作りたくなります。
FXでもよくある「ポジポジ病」に似た症状です。
夢にかける・・・と書けば聞こえはよいですが、そのために大金を浪費することになったら大変です。
こうならないために、予め対策を取っておくべきです。
お勧めは、この対策を兼ねてFXポジション運用を「スワップポイント振替機能」口座をつかうことです。
「スワップポイント振替機能」あり口座をすすめる理由
スワップポイント振替機能とは、保有FXポジションを決済せずにスワップポイントだけを口座に振り替えるというものです。
振り替えたお金は、税金上今年度の利益となりますが、普通の口座資金と同様に自由に使えますし、その分だけ出金もできます。
税金のかからない範囲でやる時などにも重宝する機能です。
この戦略でも、スワップポイント振替機能のあるFX口座を使うのがベストです。
その理由は、スワップポイント振替金の利用状況を手間少なく管理できるからです。
振替した範囲でポジションを作るというルールを徹底すれば、使い過ぎ防止は容易にできます。
便利なスワップポイント振替制度ですが、この機能を持っている口座は限られています。
2018年10月現在、この4社だけです。
この中で、高スワップポイント傾向のある口座は、「マネーパートナーズFXnano」と「ヒロセ通商」の2口座です。
どちらかというと、マネーパートナーズFXnanoの方が高スワップポイント対象通貨が広いのでおすすめです。
私は、低スワップポイントで有名はDMMFXを使っています。
理由は、スワップポイントサヤ取りで「DMMFX口座で売りポジション」を持つことが多いからです。
両建て効果と留意点
スワップポイントサヤ取りの売りポジション口座は、相場上昇期には大きな含み損を抱えます。両建て運用なので、買いポジション口座では大きな含み益がでていて、全体としては利益ですのでこれ自体は問題はありません。
ただ、上げ相場が続き「売り口座」の含み損が大きくなると「売りポジション維持」のための追加資金入金が必要です。
この売り口座で、単純な買いポジションを保有すれば「含み損増加対策」にもなります。
上げ相場で買いポジションは利益となるので売りポジションの含み損増加を緩和できやすくなります。
これによって、上げ相場になっても口座内で収支が安定すれば、資金移動の回数が減らせるという効果を期待しています。
当メルマガで時折指摘していますが、FX口座で取引を伴わない入出金を煩雑にすると、FX業者からペナリティを食らう可能性があります。
スワップポイントサヤ取りでそのペナルティを受けたという話はまだ聞きません。でも、この辺はペナルティを受けないような対策を取っておくべきだと思っています。
この両建ては、目論見どおりにいかないときもありますが、今のところうまく機能しています。
本日のDMMFX口座での豪ドル円買いポジションのスワップポイントは34円・ヒロセ通商のスワップポイントは50円ですので、1万通貨あたり1日分だけで16円も差があります。
それでも、このメリットを考慮してDMMFXをスワップ投資用ポジション口座としても使っています。
余談ではありますが、・・・・
DMMFXは店頭FX口座では唯一スワップポイント売買同値を続けている口座であり、スワップポイントサヤ取りでの利益に随分貢献してもらっています。
この制度を少しでも長く続けてもらうため、少しでも応援したいという気持ちも入っています。
振替機能なし口座では「収支管理簿作成」がおすすめ
当然ですが、スワップポイント振替機能なしの口座でも管理をしっかりやれば、似たようなことはできます。
発生したスワップポイントの範囲内でFXオプションポジションを作っていけば良いだけだからです。
この場合、スワップポイントの収支管理簿のようなものを作っておくのがおすすめです。
スワップポイント管理を徹底するため、私も収支管理簿を作っています。
書式は自由です。
- スワップポイント発生金額
- FXオプションで利用した金額
- 未利用残高
この3つが把握できるようになっていれば大丈夫です。相場で気持ちが熱くなってきたときに自分の心を抑えて「使い過ぎ」を防ぐのが管理簿の目的です。
やってみるとわかるのですが、1回1回のポジションは小資金ですが、慣れてくるとどんどんポジションを作りたくなります。
振替機能のないFX口座で収支管理簿をつけておかないと、いつの間にかオプションで消費した金額が発生したスワップポイントを大幅に上回っているという事態も起こります。
この辺は、十分にご注意下さい。
家計簿やお小遣い帳をつける気持ちでやると良いと思います。
無理のない範囲で、スワップポイントを運用して利益を増やしていけるよう、この辺の管理は徹底していきましょう。
FXオプション攻略 2018年版 目次
- 第1回「暗黒時代に見えた希望」 FXオプション攻略2018版
- 第2回オプション取引終了理由とFXオプション25年ぶり再開理由
- 第3回FXオプションとは 違いをFXとFXオプション比較で解説
- 第4回FXとFXオプションの共通点と相違点
- 第5回FXオプション「買い」の夢と現実
- 第6回FXオプション「売り」の魔力
- 第7回コールオプション現実の売買画像と損益分岐点
- 第8回プットオプション リアル売買と損益分岐点計算方法
- 第9回FXオプションの税金2018
- 第10回FXオプション FXよりも有効な税金対策としての使い方
- 第11回FXオプション無税枠活用「運用通貨選定まで」 その1
- 第12回FXオプション無税枠活用「期日」「権利行使価格」選定 その2
- 第13回損きりルールで利益がでてしまう理由 〜FXオプション無税枠活用法 その3
- 第14回FXオプション 無税枠活用におけるギリギリの税金対策等について
- 第15回FXオプション そのほかの基礎知識
- 第16回FXオプション 開始7か月の運用成績
- 第17回ストラドルの買い 一見とても魅力的なFXオプション戦略編の落とし穴
- 第18回ストラドル売り FXオプションにおける短期と長期比較
- 第19回ストラングル戦略 ストラドル戦略との比較でみた特徴
- 第20回ストラングル戦略 FXオプションでの現実的な使い方
- 第21回カバードコール戦略 スワップ派に必須知識
- 第22回カバードコール FXでの現実的な使い方
- 第23回高金利通貨でのカバードコールの仕掛け方
- 第24回10倍狙いのFXオプション戦略
- 第25回「スポット」とは・・方法と効用
- 第26回FX底値狙い 失敗しても「お小遣い」が貰える戦略
- 第27回一見勝率50%のFXオプション買いポジション戦略
- 第28回為替相場 長期堤相場で使える「カバプー戦略」
- 第29回スワップポイント複利戦略 数十倍に増やすならこの選択肢
- 第30回スワップポイント振替機能を使ったFXオプション複利運用
- 第31回「捨て駒」と「本気玉」 FXオプション「買い」2つの戦略
- 第32回FX底値と上昇狙い戦略と魔法の杖
- 第33回FXオプション 米ドル円と豪ドル円での使い方