FX底値狙い 上げ相場での不満解消
大きな下げ相場などで「ここまでは下がる」と思っている時というのは往々にしてそこまでは下がらずに反発してしまうことが多いものです。そして、そういう時の上げ方は急上昇になるもので、それに乗れないととても悔しい気持ちになります。
その意味ではFX底値狙い 失敗しても「お小遣い」戦略では、上げ相場での利益を放棄する形になるので不満が残るかもしれません。
そういう方のための戦略をご紹介します。
FX底値⇒上昇をきっちり攻める
ちょっと欲張りな戦略をご紹介します。
先日記事にした「FX底値狙い 戦略」では、「あと少し下がったら買いたい」という場合にプットオプション売りを仕掛けていきました。
今回の仕掛けは、それにもうひとひねり加えます。
- プットオプション売りでプレミアム受取0.352
- コールオプション買いでプレミアム支払0.297
- 合計でプレミアム受取(0.352−0.297)=0.055
こうすることで、上げ相場も追いかけられるように変化します。
この記事時点で79.10円の豪ドル円の動きに合わせて説明させていただきます。
- 期日に豪ドル円が79円以下に下落⇒豪ドル円79円の買いポジション発生
- 期日に豪ドル円が79.50円以上に上昇⇒豪ドル円79.50円の買いポジションまたは上昇分の利益受取
「FX底値狙い 戦略」では、豪ドル円が下がった時に買いポジションが建つのみでした。豪ドル円が上昇した場合は、プレミアム代金を受け取って終了ですので、上げ相場で利益を伸ばすことはできません。
今回も下がったときに買いポジションが建つのは同じです。ただ、プレミアム受取額は0.352⇒0.055に減ります。
その代わり、豪ドル円が上昇した場合には値上がり幅だけ利益が受け取れるようになります。
単純な「FX底値狙い 戦略」でのプットオプション売りだけでは、プレミアム受取額は大きいものの、大きく豪ドル円が上昇した場合には、ちょっと悔しい想いをすることになります。
そういう想いをしたくない場合は、今回のようなプレミアム受取額を減らしてコールオプション買いを組み合わせることで有効な解決策とできます。
この戦略は先日思いついたもので、まだポジションは持っていませんが、いずれは使ってみたいと考えています。
要注意:魔法の杖的な使い方
ここまでストラドル戦略などの「よく知られた戦略」と「私の独自戦略」の両方をいくつかご紹介してきました。
FXオプションは、やり方によって無限といって良いくらい戦略があります。
FXオプションをある程度使い込んでいけば、独自の戦略を練ることも難しいものではありません。
一定期間、「戦略作り」に深くのめり込むのも良いと思います。
でも、使う戦略は絞り込むことが大切です。
そして、使い方も重要なポイントです。
「どの局面」で「どの戦略を使うか」のルールを決めておいて、仕掛けていくのが有効です。
そうしないと、「魔法の杖的な使い方」になりやすく後で苦しむことにもなりかねません。
「魔法の杖的な使い方」というのは、FXポジションが苦しくなったときにその局面を打開するためにFXオプションを使うような方法です。
所謂「その場しのぎ」の使い方です・・・・
「スワップポジションで含み損が膨らんだ時」などにありがちな行動です。
相場が大きく下落して、FXポジションの含み損が大きくなった。
まだ下がりそうだ。
損きりはしたくない、どうしよう。
そうだ、含み損をカバーするために「カバードコール戦略」を使ったらどうだろう。コールオプション売りを入れてプレミアムを受け取っておこう。
こんな感じでやっていると後々大変な事態を招くのは、FXでもFXオプションでも同じです。
確かに、コールオプション売りを入れればプレミアム代金を受け取ることができるので、それを含み損の穴埋めとして使うことが出来ます。
でも、その後の展開次第ではさらに苦しい状況に立たされる可能性もあります。
例えば、相場が急回復したようなときです。
買いポジションだけであれば含み損が減って窮地を脱するところですが、コールオプション売りに大きな含み損が発生してポジション処理に苦しむ可能性があります。
いろんなケースがありますが、苦しい局面に陥ってからその場しのぎの魔法の杖的なという使い方をしているとFXオプションの有効性はかき消されてしまいます。
こうならないためにも、「どの局面」で「どの戦略を使うか」というルールを決めておくべきです。
FXオプション攻略 2018年版 目次
- 第1回「暗黒時代に見えた希望」 FXオプション攻略2018版
- 第2回オプション取引終了理由とFXオプション25年ぶり再開理由
- 第3回FXオプションとは 違いをFXとFXオプション比較で解説
- 第4回FXとFXオプションの共通点と相違点
- 第5回FXオプション「買い」の夢と現実
- 第6回FXオプション「売り」の魔力
- 第7回コールオプション現実の売買画像と損益分岐点
- 第8回プットオプション リアル売買と損益分岐点計算方法
- 第9回FXオプションの税金2018
- 第10回FXオプション FXよりも有効な税金対策としての使い方
- 第11回FXオプション無税枠活用「運用通貨選定まで」 その1
- 第12回FXオプション無税枠活用「期日」「権利行使価格」選定 その2
- 第13回損きりルールで利益がでてしまう理由 〜FXオプション無税枠活用法 その3
- 第14回FXオプション 無税枠活用におけるギリギリの税金対策等について
- 第15回FXオプション そのほかの基礎知識
- 第16回FXオプション 開始7か月の運用成績
- 第17回ストラドルの買い 一見とても魅力的なFXオプション戦略編の落とし穴
- 第18回ストラドル売り FXオプションにおける短期と長期比較
- 第19回ストラングル戦略 ストラドル戦略との比較でみた特徴
- 第20回ストラングル戦略 FXオプションでの現実的な使い方
- 第21回カバードコール戦略 スワップ派に必須知識
- 第22回カバードコール FXでの現実的な使い方
- 第23回高金利通貨でのカバードコールの仕掛け方
- 第24回10倍狙いのFXオプション戦略
- 第25回「スポット」とは・・方法と効用
- 第26回FX底値狙い 失敗しても「お小遣い」が貰える戦略
- 第27回一見勝率50%のFXオプション買いポジション戦略
- 第28回為替相場 長期堤相場で使える「カバプー戦略」
- 第29回スワップポイント複利戦略 数十倍に増やすならこの選択肢
- 第30回スワップポイント振替機能を使ったFXオプション複利運用
- 第31回「捨て駒」と「本気玉」 FXオプション「買い」2つの戦略
- 第32回FX底値と上昇狙い戦略と魔法の杖
- 第33回FXオプション 米ドル円と豪ドル円での使い方