FXオプション 米ドル円と豪ドル円での使い方
このままだとどこまでも続けてしまいそうなので、ここいらで2018年のFXオプション連載は一区切りとさせていただきます。
最終回の今回は、現在保有中のポジションと現段階での運用方針などのまとめです。米ドル円・豪ドル円などで保有中のFXオプションポジションと今後の方針などご紹介させていただきます。
FXオプション 只今の状況
FXオプションを2月より始めてからいろんな実験をしてきました。
今回の連載では、ここまでやってきたことと使えそうな戦略をご紹介しています。
FXオプションは、奥が深いです。
ここで紹介した以外にも、思いついたアイデアはまだあります。ここから使い込んでいくことで、更に有効な戦略を紹介していきたいと思っています。
現在保有しているポジションは2種類あります。
米ドル円 権利行使価格110円プットオプション買いポジション
FXで保有中の米ドル円買いポジション下げ対策のためのポジションです。
米ドル円は、崩れそうで崩れない値動きを続けています。政治混迷で大きく下げそうなところを堅調な経済が下支えしているような展開です。
このパターンがずっと続くかもしれませんが、どこかで大きく崩れることがあるかもしれません。大きく崩れるのは、私のFXポジションにとっては痛手です。
日本円資産ヘッジのため常時数十万米ドル円の買いポジションがあるからです。
この長期保有米ドル円買いポジションの値下がり時の含み損補填の目的で米ドル円プットオプション買いを保有しています。
保有中ポジションは、「プットオプション買い」ですので米ドル円が下げると利益になるポジションです。
具体的には、権利行使価格110円を下回るまで米ドル円が下がるようであれば利益が乗り始めます。
もしも、期日に110円を上回っていれば購入プレミアム代金は没収となります。
米ドル円上昇でプレミアム代金が損失となっても、実質的な損失はありません。買いポジションで発生しているスワップポイント累計が、FXオプション損失を補う形になっているからです。
この考え方は、連載で紹介した「スワップポイト複利戦略」と似たようなものです。
円安気味になれば損失で終わってしまうFXオプションポジションですが、保有FXポジションを守るための使い方ですので、これで問題ないと思っています。
豪ドル円コールオプション買いポジション
豪ドル円がそろそろ転換するかなと見込んで保有しているのがこのコールオプション買いポジションです。
最初の方は空振りで損失で終了しています。昨日の豪ドル円上昇で利益が乗り始めてきているので、今後の展開に期待しているところです。
これらのポジションは、上昇すればプレミアム代金の数倍以上の利益を生み出してくれることもあります。
この豪ドル円オプション買いは、損失上限限定のため相場が大きく崩れても損きりに悩む必要がないところが良いです。
今後も「チャンス」と感じる時期には、オプション買いを入れていく予定でいます。
現在の2種類のポジションは、いずれも向こう1ヶ月くらいをメドに終了させる可能性が高いです。
一段落したら、時期をみながら先日までやっていた「FXオプション プレミアム取り」ポジションを再開予定でいます。
「FXオプション プレミアム取り」は、9月末まで続けていた「売り」戦略です。直近ではUSDZARのプットオプション売りで利益を得ています。
大きく荒れそうなときにはリスクがあるやり方なので、今は休ませています。
2018年10月末時点、私のFXオプション運用は、以上3つの戦略でやっています。
これからも、実験を続けながら自分なりの運用スタイルを固めていければと思っています。
FXオプション取扱業者 競争拡大への期待
2018年10月より、SBIFXトレードがFXオプション取扱いを始めています。これで、FXオプションを扱っているFX口座は3つになりました。
現段階で私が運用しているのはサクソバンク証券だけです。
他の2社は、「買い」だけで「売り」ポジションが持てないなど、「売り」を多用する私としては使いにくいところがあるためです。
でも、この辺は、これから整備されてくるはずとみています。
特に、新規参入のSBIFXトレードさんには大いに期待しています。
FXオプションは、FX投資家にとってとても有益で効率的な運用手段となりえます。
その有益性が脚光を浴びるときがくれば、新規参入組が増えてもっと増えてFX業界のように競争によって取引条件が大きく改善していくようになるでしょう。私自身も、今後も公開口座運用を通じて、これからもFXオプションの魅力を伝えていくつもりでいます。
私の連載が、皆様のFXオプション理解の一助となれば幸いです。
FXオプション攻略 2018年版 目次
- 第1回「暗黒時代に見えた希望」 FXオプション攻略2018版
- 第2回オプション取引終了理由とFXオプション25年ぶり再開理由
- 第3回FXオプションとは 違いをFXとFXオプション比較で解説
- 第4回FXとFXオプションの共通点と相違点
- 第5回FXオプション「買い」の夢と現実
- 第6回FXオプション「売り」の魔力
- 第7回コールオプション現実の売買画像と損益分岐点
- 第8回プットオプション リアル売買と損益分岐点計算方法
- 第9回FXオプションの税金2018
- 第10回FXオプション FXよりも有効な税金対策としての使い方
- 第11回FXオプション無税枠活用「運用通貨選定まで」 その1
- 第12回FXオプション無税枠活用「期日」「権利行使価格」選定 その2
- 第13回損きりルールで利益がでてしまう理由 〜FXオプション無税枠活用法 その3
- 第14回FXオプション 無税枠活用におけるギリギリの税金対策等について
- 第15回FXオプション そのほかの基礎知識
- 第16回FXオプション 開始7か月の運用成績
- 第17回ストラドルの買い 一見とても魅力的なFXオプション戦略編の落とし穴
- 第18回ストラドル売り FXオプションにおける短期と長期比較
- 第19回ストラングル戦略 ストラドル戦略との比較でみた特徴
- 第20回ストラングル戦略 FXオプションでの現実的な使い方
- 第21回カバードコール戦略 スワップ派に必須知識
- 第22回カバードコール FXでの現実的な使い方
- 第23回高金利通貨でのカバードコールの仕掛け方
- 第24回10倍狙いのFXオプション戦略
- 第25回「スポット」とは・・方法と効用
- 第26回FX底値狙い 失敗しても「お小遣い」が貰える戦略
- 第27回一見勝率50%のFXオプション買いポジション戦略
- 第28回為替相場 長期堤相場で使える「カバプー戦略」
- 第29回スワップポイント複利戦略 数十倍に増やすならこの選択肢
- 第30回スワップポイント振替機能を使ったFXオプション複利運用
- 第31回「捨て駒」と「本気玉」 FXオプション「買い」2つの戦略
- 第32回FX底値と上昇狙い戦略と魔法の杖
- 第33回FXオプション 米ドル円と豪ドル円での使い方