ストラングル戦略 短期と長期
ストラングル戦力も短期と長期では、相当内容が変化してきます。
今回は「売り」を例にして、短期と長期を比較しながら使い方について考えていきたいと思います。
短期と長期で大きく変わるストラングル戦略
前回使った画像をもとに短期と長期のストラングル戦力を比較してみましょう。
このページには2つ画像があります。上の画像は「短期のストラングル仕掛け」で下の画像は「長期のストラングル仕掛け」の画像です。
それぞれでこのプレミアムで「ストラングル売り」を仕掛けた場合、以下のようになります。
画像の日付は9月9日です。
- 米ドル円値 111.00円
- 権利行使日 9月19日
- コールオプション売り 権利行使価格112.00円 プレミアム0.062
- プットオプション売り 権利行使価格109.50円 プレミマム0.068
- 米ドル円値 111.00円
- 権利行使日 11月21日
- コールオプション売り 権利行使価格114.00円 プレミアム0.222
- プットオプション売り 権利行使価格106.00円 プレミアム0.324
2つともストラングル売りなのですが、期間が違うだけで様々な部分で大きな違いがでてきます。
権利行使日までの期間
短期では権利行使日までの日数は10日程度、長期では2ヶ月半程度と2か月以上の差があります。
この期間の差は、FXオプションではプレミアム価値の差としてでてきます。
利益の出る価格帯
利益の出る価格帯には、短期と長期では大きな差が出ます。
短期のストラングルの売り 利益の出る価格帯
- 上げ相場:112.00+(0.062+0.068)=112.130円
- 下げ相場:109.50−(0.062+0.068)=109.370円
9月19日の権利行使日に米ドル円が109.370−112.130円の間に入っていれば利益になります。現在値が111円で10日くらいの期日ですので微妙な感じがするところですね。
長期のストラングル売り 利益の出る価格帯、
- 上げ相場:114.00+(0.223+0.324)=114.547円
- 下げ相場:106.00−(0.223+0.324)=105.453円
11月21日の権利行使日に米ドル円が105.453−114.547円の間に入っていれば利益になります。
一見、かなり余裕がありますね。
期日まが2ヶ月半あります。この間、米ドル円が往来相場を続けれくれれば十分に勝算のある仕掛けという気がします。
受け取れるプレミアム
このストラングル売りで受け取れるプレミアムも長期の方が大きくなります。
- 短期:0.062+0.068=0.130
- 長期:0.222+0.324=0.546
この数値に売買数量を掛けて算出した金額が、最大利益額です。10万通貨のストラングル売りポジションを作った場合、利益額は以下のようになります。
- 短期:0.130×10万通貨=13,000円
- 長期:0.546×10万通貨=54,600円
10万通貨くらいで仕掛けると、受け取れる金額も段々とまとまったものになってきます。
ただ、「売り」ですので目論見が外れたときの損失の増加リスクは予め留意しておかねばなりません。
そうなった場合に、含み損の増加をみているのではなく損きりあるいは途中決済をどうするのかをルール化しておき、きっちり実行していくことが必須です。
ストラングル戦略 私の使い方
私は、ストラングルは「長期の売り」で使いたいと考えています。
買いは、既存ポジションのヘッジ手段としては有効な気がします。でも、利益を出せる可能性は薄く、ポジションは捨て銭的な感じになりがちです。
これなら、単純にFXポジションを損きりする力を磨いていった方が良い気がするのです。
短期のストラングル売りも、利益が少ない割には想定外の大変動に弱いのが気になります。
どんなに小さい数量でも、ポジションを持てば日々の損益が気になるものです。
ゆったりと構えてポジションをきっちり維持していくためには、利益の出る値幅帯を広く設定できて利益もほどほどに確保できる「ストラングル売り」が、私には合っているような気がします。
この辺は、考え方の差が大きいところです。興味が出たら、ご自身で少々のポジションを試してみて、それぞれの活用法を考えてみるのが一番だと思います。
FXオプション攻略 2018年版 目次
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