FX税金を減らす基本 必要経費と税額控除 FX税金2015第31回
利益をしっかり出したら次は税金を減らす工夫です。必要経費と税額控除の基本部分を押さえておくと何かと役に立ちますよ。毎年確定申告をするようになると、払う税金の多さに唖然とするようになります。当然、「なんとか減らせないだろうか」といろいろと考えるようになります。
誰もが思いつく方法としては以下の2つがあります。
- 必要経費をつくって利益を圧縮する。
- 所得控除を活用する。
以下補足します。
FXの必要経費について
FXの必要経費を大きく作れる場合、課税対象利益を大きく減らすことができ、税金も減らせます。
300万円の利益で必要経費が100万円となれば、課税対象利益は200万円になります。これだけで税金20万円の節約となります。ただ、この計算はほとんどの方が絵に描いた餅となります。現実には100万円も必要経費が作れる方は少数だからです。
必要経費の主なものについては、以下が参考になるかと思います。
参考:FXの必要経費について
FXに使うパソコンなどもその利用割合に応じて経費として落とせるので、利益の多い年にはパソコンの買い替え検討をするなどは有効な一手になりえます。
あと大きく必要経費にできそうなので思いつくのは「ディーリングルームへの改造費」などです。パネルを数枚組み合わせたトレード環境を整備される方もかなりいらっしゃるので、100%FX運用のためのものであれば、必要経費として認められる可能性が高くなります。
商用EAやFX教材費も必要経費として認められるようです。
でも、これ以外で大きな必要経費はあまり思い浮かびません。
特に私のように長期投資中心で注文もたまにしか出さないタイプは、必要経費にできるものがほとんどありません。
注文を出すものも、高価なパソコンなどは不要だからです。
「普通のノートパソコン1台またはスマホ1台」
日中為替値を見る必要がないので注文が出せるものがあれば問題はありません。
このため、スキャルピングで稼ぐ専業トレーダーの部屋にあるような何枚もの大きなパネルを組み合わせたディーリングルームはいりません。私のやり方は、場帖・グラフを描ける机さえあれば十分なのです。こんな状況なので、FXの必要経費とできるものはほとんどありません。
まあ、「誰でもお金をかけないで利益を出せる」という視点でみれば理想的な気もするので必要経費が作れないのはやむを得ないと思っています。
必要経費を計上する場合、留意しておくべきことがあります。
それは、「必要経費として認められるかどうかは税務署の判断次第」ということです。自分では大丈夫だと思って必要経費にしても、後で「これは認めません」と指摘されて税金を追加で支払うこともあります。
私もそうだったのですが、最初のうちは確定申告で書類を受理されれば「認められた」と勘違いしがちです。
でも、確定申告が終わった段階というのは「書類を税務署が受け取った」だけにすぎません。内容の精査は後で行われます。数年経ってから修正を指示されることもあるようなので、注意が必要です。
所得控除の利用
FX利益というよりは、税金を減らすのに案外有効なのが所得控除です。
15の所得控除があるのですが、自分に関連しそうなものは少し掘り下げて調べてみると使えるものが意外にあるものです。何の気なしにやっていることが、税金を減らす手段となることが案外あるものなのです。
- 遠隔地の親に仕送りをしている
- 家族全員で医療費が10万円以上かかっている
などなど調べてみると意外なものがあります。
医療費控除は、交通費も認められます。全員分の医療費をご主人が一人で負担しているようであれば、全部まとめて医療費控除とできます。また、一緒に住んでいなくても扶養家族に出来る場合もあります。
特に、長期入院などして医療費を支援したときなどは所得控除として落とせる可能性がでてくるので覚えておくと案外使えます。
所得控除を戦略的に使う2つの方法
所得控除の中には、もっと積極的に出費をすることで「節税」ともなり「将来の資産形成に役立つ」ようなものもあります。
- ふるさと納税
- 国民年金基金・確定拠出年金
私も、数年前より両方を利用しています。次回、この辺についてまとめます。
FX税金2015 目次
連載FX税金2015の目次です。
- 第1回:勢い止めるべからず FX税金対策禁止事項
- 第2回:株式投資家は税金払い過ぎになりやすいのはなぜ?
- 第3回:未決済ポジションの為替差益に税金が発生するケース
- 第4回:スワップポイント税金は2種類
- 第5回:FX利益20万円以下なら無税の誤信
- 第6回:確定申告しないFX 2つの方法
- 第7回:住宅ローンと専業トレーダー
- 第8回:税金のかからないスワップ投資7つのポイント 準備編
- 第9回:【その1:FX口座選定】税金のかからないスワップ投資7つのポイント
- 第10回:【その2:通貨ペア選定】税金のかからないスワップ投資7つのポイント
- 第11回:【その3:ポジションは未決済のままにする】税金のかからないスワップ投資7つのポイント
- 第12回:【その4:年間スワップポイントの把握】税金のかからないスワップ投資7つのポイント
- 第13回:【その5:決済ポジションの把握】税金のかからないスワップ投資7つのポイント
- 第14回:【その6:含み益が大きくなった場合】税金のかからないスワップ投資7つのポイント
- 第15回:【その7:含み損が大きくなった場合】税金のかからないスワップ投資7つのポイント
- 第16回:バスケット通貨運用 個人でのやり方と無料ツ−ル
- 第17回:株券でのスワップFX メリットと注意点
- 第18回:「米ドル売らず 南アフリカランド買わず」スワップ投資通貨ペア選びの基本基準
- 第19回:スワップポイント振替制度 2社比較
- 第20回:税金のかからない範囲でやる「スワップポイントサヤ取り」
- 第21回:スワップポイントサヤ取り 心理面で大切な2つのポイント
- 第22回:スワップポイント変動への対応 スワップポイントサヤ取り(異業者両建て)
- 第23回:利益の出しすぎ注意 税金の範囲でやるスワップポイントサヤ取り
- 第24回:画餅の高利回りにご注意
- 第25回:スワップポイントサヤ取り 絶対禁止事項
- 第26回:スワップポイントサヤ取り まとめと念のための資金的余裕記事
- 第27回:税金のかからないFX 2つの方法メリット・デメリット
- 第28回:専業主婦が最初に運用方針を決めないといけない理由
- 第29回:FX法人口座の長所・短所
- 第30回:FX専業トレーダーよりも兼業トレーダ 断然有利の現実
- 第31回:FX税金を減らす基本 必要経費と税額控除
- 第32回:ふるさと納税 なぜお得なの?
- 第33回:ふるさと納税015年改正点「控除上限2倍」
- 第34回:ふるさと納税ワンストップ特例制度
- 第35回:1万円寄付で後世に名を残す 2015年ユニークなふるさと納税事例
- 第36回:国民年金基金 確定という安心感とリスク
- 第37回:確定拠出年金(401K) インフレ時代にも対応できる制度
- 第38回:勝者の鉄則 FX投資家が1月に必ずすべき事
- 最終回:驕兵必敗 驕れるFX投資家に訪れるのは破滅のみ
- おまけ:住宅ローン 審査の緩い銀行の探し方
FX税金に関する記事は下記にてまとめてあります。