住宅ローンと専業トレーダー 確定申告所得1000万円以上でも評価ゼロの現実
専業トレーダーになって軌道に乗ってから住宅ローンを組もうとお考えの方は、是非お読みになってください。
専業トレーダーになる前にすべき事
FX税金対策と微妙なところで関わってくるのが住宅ローンです。住宅ローンを組むことによって借入金の1%を税金により控除出来るというのは、節税手段の乏しい専業トレーダーにとっては大きな恩恵になるからです。年末残高2000万円の住宅ローンがあれば、約20万円の税額控除となるためFX利益約130万円相当の所得税をゼロ円にするくらいの威力があります。
私は、将来独立したいという方にはサラリーマンのうちに住宅ローンを組んでしまう方が良いとたまに書いています。なぜならば、専業トレーダーになると住宅ローンを組むのが困難になってしまうからです。
実際、今の私がそれに苦しんでいます。
確定申告所得1000万あっても評価はゼロ
「この内容だとかなり厳しいですねぇ」
先日、某金融機関で住宅ローン相談時に言われた言葉です。
私の息子も3歳となり来年から幼稚園に通う予定にしています。是非とも入れたい幼稚園があるため、その学区への引越を検討しています。引越予定先で気に入った中古住宅をみつけたので相談してみたのです。
現在の金利であれば賃貸よりも買った方がメリットが多く、出来れば住宅ローンを組みたいと思ってはいます。住宅ローンは、低金利で借りれて節税対策にもなります。しかも、手元運用資金を減らさずに済むのでとても効率が良いのです。
現在の住宅ローン金利は0.7〜1%台です。FXでもっとも手堅いスワップポイントサヤ取りでも2〜6%くらいの運用利回りは期待できます。
この状況であれば、手元にある資金はできるだけ運用に回し、無理のない範囲で借入金を増やしておくほうが手元に残る利益を増やせます。これで税金を減らす効果もあるのですから、専業トレーダーにとっては住宅ローンは、とても相性が良いのです。
でも、スンナリはいきません。
私が借り入れたい金額は2000万円前半です。私の確定申告での所得は、ここ数年1000万円を割ったことはありません。もしも、私がサラリーマンであれば何の問題もなく2〜3000万円の住宅ローンは組める収入です。
多分、サラリーマンの方であれば年収400万円もあれば、2000万円前半の住宅ローンは余裕で審査が通るはずです。
でも、私はダメなんです。
担当者の説明では「相場運用の収入は全くといって良いほど評価されない」ということです。ちなみに、自分でやっている法人から月数十万円の役員報酬を私は受け取っているので、その内容での評価しかしてもらえません。
その法人の収支は相場運用の数分の1で、しかも不安定で赤字のときもあります。ちなみに、相場収入はずっと黒字で安定しています。それでも、銀行担当者が見るのは私にとっては不安定なほうの相場以外の収入部分なのです。
別の金融機関では、「信用会社をつければできるかも」とアドバイスを受けました。
この信用会社というのは、借入金額の2〜3%程度の手数料を払う必要があります。つまり、40〜70万円相当の手数料なのです。この保証料も、私がもしも勤続年数3年以上のサラリーマンであれば不要な金額です。相談前から覚悟はしていたのですが、あまりの扱いの悪さに嫌になってしまいました。住宅ローン組むのを止めようかと本気で考えています。
幼稚園の学区内に住むだけであれば賃貸でも十分です。また、中古万ションは300万円台からあります。まずは、ここからスタートして数年後に購入というパターンでもいいかもしれません。こんなこともあって、専業トレーダーの辛さを改めて感じているところです。
住宅ローンの魅力は大きい
今回、私が住宅ローンを組むかどうかは微妙ですが住宅ローンのメリットは専業トレーダーにとっては大きいです。私のメルマガ読者で、ある程度軌道に乗っている方であれば、年間利回りが1%未満ということはないでしょう。
無理に家を買う必要は勿論ありません。でも、もしも専業トレーダーを目指している方が、将来住宅ローンも組む可能性があるのであれば私と同様の現実に直面するかもしれません。
余計なお世話かもしれませんが、住宅ローンは専業トレーダーになる前に組みましょう。
その住宅ローンの支払いがプレッシャーになるようであれば、それに耐えられると判断できるまで独立を待つくらい優先した方がよいと思います。老婆心ながら、これも専業トレーダーになる準備の一つかもしれません。
FX税金2015 目次
連載FX税金2015の目次です。
- 第1回:勢い止めるべからず FX税金対策禁止事項
- 第2回:株式投資家は税金払い過ぎになりやすいのはなぜ?
- 第3回:未決済ポジションの為替差益に税金が発生するケース
- 第4回:スワップポイント税金は2種類
- 第5回:FX利益20万円以下なら無税の誤信
- 第6回:確定申告しないFX 2つの方法
- 第7回:住宅ローンと専業トレーダー
- 第8回:税金のかからないスワップ投資7つのポイント 準備編
- 第9回:【その1:FX口座選定】税金のかからないスワップ投資7つのポイント
- 第10回:【その2:通貨ペア選定】税金のかからないスワップ投資7つのポイント
- 第11回:【その3:ポジションは未決済のままにする】税金のかからないスワップ投資7つのポイント
- 第12回:【その4:年間スワップポイントの把握】税金のかからないスワップ投資7つのポイント
- 第13回:【その5:決済ポジションの把握】税金のかからないスワップ投資7つのポイント
- 第14回:【その6:含み益が大きくなった場合】税金のかからないスワップ投資7つのポイント
- 第15回:【その7:含み損が大きくなった場合】税金のかからないスワップ投資7つのポイント
- 第16回:バスケット通貨運用 個人でのやり方と無料ツ−ル
- 第17回:株券でのスワップFX メリットと注意点
- 第18回:「米ドル売らず 南アフリカランド買わず」スワップ投資通貨ペア選びの基本基準
- 第19回:スワップポイント振替制度 2社比較
- 第20回:税金のかからない範囲でやる「スワップポイントサヤ取り」
- 第21回:スワップポイントサヤ取り 心理面で大切な2つのポイント
- 第22回:スワップポイント変動への対応 スワップポイントサヤ取り(異業者両建て)
- 第23回:利益の出しすぎ注意 税金の範囲でやるスワップポイントサヤ取り
- 第24回:画餅の高利回りにご注意
- 第25回:スワップポイントサヤ取り 絶対禁止事項
- 第26回:スワップポイントサヤ取り まとめと念のための資金的余裕記事
- 第27回:税金のかからないFX 2つの方法メリット・デメリット
- 第28回:専業主婦が最初に運用方針を決めないといけない理由
- 第29回:FX法人口座の長所・短所
- 第30回:FX専業トレーダーよりも兼業トレーダ 断然有利の現実
- 第31回:FX税金を減らす基本 必要経費と税額控除
- 第32回:ふるさと納税 なぜお得なの?
- 第33回:ふるさと納税015年改正点「控除上限2倍」
- 第34回:ふるさと納税ワンストップ特例制度
- 第35回:1万円寄付で後世に名を残す 2015年ユニークなふるさと納税事例
- 第36回:国民年金基金 確定という安心感とリスク
- 第37回:確定拠出年金(401K) インフレ時代にも対応できる制度
- 第38回:勝者の鉄則 FX投資家が1月に必ずすべき事
- 最終回:驕兵必敗 驕れるFX投資家に訪れるのは破滅のみ
- おまけ:住宅ローン 審査の緩い銀行の探し方
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