その4:年間スワップポイントの把握
今回から連載を読み始めた方は、準備編から確認することをおすすめします。
税金のかからないスワップ投資7つのポイント
では、はじめます。
作成するポジション数量は、発生するスワップポイントを目安に決めます。例えば、外為どっとコム社で豪ドル円でやるのであれば現状の豪ドル円1日のスワップポイントは約48円です。
1万通貨で受け取れる年間想定額:48円×365日=17,520円
専業主婦の方で他に全く収入のない方であれば、年間33万円くらいの利益以内に抑えることで税金のかからない範囲でのFXが実現します。
33万円÷17,520円=18.93万通貨
ここで今までの無税範囲のスワップ投資であれば、「作成ポジションはこれ以下にしましょう」という展開になります。
でも、スワップポイント振替制度を持つ外為どっとコム口座であれば、そこを気にする必要はあまりありません。仮に毎年100万円スワップポイントが発生しても毎年の振替額を税金のかからない範囲に押さえれば税金がかからずに済むからです。専業主婦で他に全く収入のない方であれば振替額を33万円以内に抑えればよいということになります。
でも、それじゃあスワップポイントがどんどん貯まっていくじゃないの?
そんなに貯めて大丈夫なの?
そんな不安がでてしまいますよね。でも、大丈夫です。私も過去に500万円くらい貯めた時期もありました。いくら貯まっても決済しなければ課税対象とはなりません。
この貯まり続ける含み益は、暴落したときにポジションを一旦決済して安値で買いなおすときの余力として使うなどの対応策があります。
いずれにせよ、利益が貯まりすぎるという現象ですのであまり深刻になる必要はないと思います。10年くらい貯め続けていけば、いろいろ大きなお金が必要になるときもきます。その年だけは、配偶者控除から外れて税金も払うのを覚悟して決済するということになります。それでも、それ以外の9年間はしっかりと節税が出来ているので十分にメリットがあります。
この対応策は、この連載中にいずれ書かせていただく予定です。
専業主婦 毎年6万円以上の税金節約効果
このやり方で、専業主婦が地方税基礎控除33万円の範囲内で利益を出していったとするとその効果はこんな感じになります。
33万円 × 20.315% = 約6.7万円
毎年約6.7万円の税金が節約できますね。毎年利益をこの枠内でおさめられれば10年で67万円手元に残るお金が増えることになります。こういうのも積み上げると大きくなります。この効果を活用するために、夫婦で運用法を分けるのも一つの方法です。
- 夫口座:サラリーマン⇒ 裁量トレードや自動売買で普通に運用
- 妻口座:専業主婦⇒ スワップ放置投資中心で33万円以内
こうすることで、運用法も自然に分かれるため夫婦全体では運用成績が安定しやすく税金を減らす効果も期待できます。私達夫婦も、今年から妻の専業主婦としての枠が使えるようになるため新規口座にてのスワップ放置投資をする予定にしています。
今口座作っています。
我が家は、株券を有効活用する予定です。そのため、妻のスワップ放置投資は、マネ−パートナーズを使います。マネーパートナーズは、株券を担保にしたFXができる数少ない業者の一つで、スワップポイント振替制度もあります。既に私の口座では、別目的の代用有価証券運用をしています。
参考:代用有価証券でFX
妻は、株主優待用の株券を相当数保有しています。株主優待目的のため最低でも1年以上保有するので、それをFXの証拠金としても無理なく利用できます。
ただ、マネーパートナーズはスワップポイントはそれほど高くありません。純粋に現金でのスワップ放置投資であれば外為どっとコム社のほうがおすすめです。
参考:外為どっとコム 詳細
これらの口座でポジションを作成し、スワップポイントが貯まってきたら振替えていきます。振替えるのは年に1回で十分で、あとはやることはありません。ただ、スワップポイントは変動するのでたまに口座管理画面でスワップポイントの蓄積状況をチェックするくらいはしたほうが良いです。
あと、慣れてくると1年に1回のスワップポイント振替を忘れる可能性もありますのでご注意くださいませ。
メルマガ読者の方であれば、この相場生活入門を利用するのも良いかもしれません。私のメルマガでは、年に1回は税金の連載をしています。税金の連載が始まったらスワップポイント振替を検討するという目安として使えます。
いずれにせよ、スワップポイント振替を忘れない工夫だけはしておいてくださいませ。
FX税金2015 目次
連載FX税金2015の目次です。
- 第1回:勢い止めるべからず FX税金対策禁止事項
- 第2回:株式投資家は税金払い過ぎになりやすいのはなぜ?
- 第3回:未決済ポジションの為替差益に税金が発生するケース
- 第4回:スワップポイント税金は2種類
- 第5回:FX利益20万円以下なら無税の誤信
- 第6回:確定申告しないFX 2つの方法
- 第7回:住宅ローンと専業トレーダー
- 第8回:税金のかからないスワップ投資7つのポイント 準備編
- 第9回:【その1:FX口座選定】税金のかからないスワップ投資7つのポイント
- 第10回:【その2:通貨ペア選定】税金のかからないスワップ投資7つのポイント
- 第11回:【その3:ポジションは未決済のままにする】税金のかからないスワップ投資7つのポイント
- 第12回:【その4:年間スワップポイントの把握】税金のかからないスワップ投資7つのポイント
- 第13回:【その5:決済ポジションの把握】税金のかからないスワップ投資7つのポイント
- 第14回:【その6:含み益が大きくなった場合】税金のかからないスワップ投資7つのポイント
- 第15回:【その7:含み損が大きくなった場合】税金のかからないスワップ投資7つのポイント
- 第16回:バスケット通貨運用 個人でのやり方と無料ツ−ル
- 第17回:株券でのスワップFX メリットと注意点
- 第18回:「米ドル売らず 南アフリカランド買わず」スワップ投資通貨ペア選びの基本基準
- 第19回:スワップポイント振替制度 2社比較
- 第20回:税金のかからない範囲でやる「スワップポイントサヤ取り」
- 第21回:スワップポイントサヤ取り 心理面で大切な2つのポイント
- 第22回:スワップポイント変動への対応 スワップポイントサヤ取り(異業者両建て)
- 第23回:利益の出しすぎ注意 税金の範囲でやるスワップポイントサヤ取り
- 第24回:画餅の高利回りにご注意
- 第25回:スワップポイントサヤ取り 絶対禁止事項
- 第26回:スワップポイントサヤ取り まとめと念のための資金的余裕記事
- 第27回:税金のかからないFX 2つの方法メリット・デメリット
- 第28回:専業主婦が最初に運用方針を決めないといけない理由
- 第29回:FX法人口座の長所・短所
- 第30回:FX専業トレーダーよりも兼業トレーダ 断然有利の現実
- 第31回:FX税金を減らす基本 必要経費と税額控除
- 第32回:ふるさと納税 なぜお得なの?
- 第33回:ふるさと納税015年改正点「控除上限2倍」
- 第34回:ふるさと納税ワンストップ特例制度
- 第35回:1万円寄付で後世に名を残す 2015年ユニークなふるさと納税事例
- 第36回:国民年金基金 確定という安心感とリスク
- 第37回:確定拠出年金(401K) インフレ時代にも対応できる制度
- 第38回:勝者の鉄則 FX投資家が1月に必ずすべき事
- 最終回:驕兵必敗 驕れるFX投資家に訪れるのは破滅のみ
- おまけ:住宅ローン 審査の緩い銀行の探し方
FX税金に関する記事は下記にてまとめてあります。