スワップポイントの税金 FX税金2015第4回
無税の範囲でFXをやりたい時に必須となるのがスワップポイントの税金知識です。内容は簡単なので把握しておきましょう。
スワップポイント税金は2種類
前回、FX口座によって為替損益の課税時期が分かれるということを書きました。
参考:為替損益 課税時期の差
為替差益同様にスワップポイント損益の課税タイミングも大きく2つです。
- 決済時課税タイプ: くりっく365など
- 未決済でも課税タイプ:GMOクリック証券 GMO外貨
「決済時課税タイプ」は、ポジションを決済した際にスワップポイントが課税対象となるFX口座のことです。「未決済でも課税タイプ」は、ポジションを決済しなくてもその年に発生したスワップポイントがそのまま課税対象となるFX口座です。
例えば、豪ドル円買いポジションを保有中のまま翌年に繰り越したとしましょう。そのポジションでその年発生したスワップポイントが仮に20万円だとします。
その口座が「決済時課税タイプ」であれば20万円は、翌年以降のポジション決済時に課税対象となります。
逆に、「未決済でも課税タイプ」だった場合には、その未決済ポジションのスワップポイント20万円は、発生したその年に課税対象となります。
この課税時期の違いが重要となるのは「無税の範囲でFXをするケース」などです。
無税の範囲でFXをするやり方については、いずれ詳しく書かせていただきますが、ここの理解なしではうまくいきません。毎年のスワップポイントを為替差益の合計額をきっちりと無税枠内に収めていく必要があるため、数字を確実に読んでいく必要があるからです。
ただ、スワップポイントの課税タイミングの違いは、為替差益ほどの深刻さはありません。利益に占めるスワップポイントの割合が小さいので、これで税金が大きく違ってくるというケースは稀だからです。スワップポイントについては「スワップポイント振替」制度を持つFX口座もあります。
このスワップポイント振替制度は、いつもは「決済時課税タイプ」なのですが途中で必要なだけスワップを振替て引出し可能とする制度です。これによって、税金上も取扱いが変わります。
先ほどの区分でいくとこうなります。
- 振替前:決済時課税タイプ
- 振替後:未決済でも課税タイプ(振り替えた金額だけ)
これって、税金対策上もすごく便利ですね。数千円単位で細かい調整ができるからです。これが、出来るFX口座はいくつかあります。
スワップポイント振替のできる口座
スワップポイント振替のできるFX口座は、私の知っているところでは以下の3つです。
この制度を持つ口座の中で2019年7月現在で一番高スワップポイントの傾向があるのは、みんなのFXです。。
参考:みんなのFX
未決済のポジションにおけるスワップポイントの評価益(含み益)は、課税対象とはなりません。反対売買による決済、受渡注文による決済、およびスワップポイント振替の結果としてスワップポイント益が確定することにより、はじめて課税の対象となります。
最初のほうで「未決済のポジションにおけるスワップポイントの評価益(含み益)は、課税対象とはなりません。」と書いてあり、何もしなければ「決済時課税タイプ」ということです。
そして、その後には以下の記述があります。
「スワップポイント振替の結果としてスワップポイント益が確定することにより、はじめて課税の対象となります。」
つまり、スワップポイント振替によって振替た部分は「未決済でも課税タイプ」に変化することになります。
もともと「ポジションを決済せずにスワップポイントを引出ししたい」という要望から出来た制度のようなのですが、税金上も有効活用できる便利な制度となっています。前回の為替差益と今回のスワップポイントの税制の違いを把握してFX口座を利用していきましょう。
FX税金2015 目次
連載FX税金2015の目次です。
- 第1回:勢い止めるべからず FX税金対策禁止事項
- 第2回:株式投資家は税金払い過ぎになりやすいのはなぜ?
- 第3回:未決済ポジションの為替差益に税金が発生するケース
- 第4回:スワップポイント税金は2種類
- 第5回:FX利益20万円以下なら無税の誤信
- 第6回:確定申告しないFX 2つの方法
- 第7回:住宅ローンと専業トレーダー
- 第8回:税金のかからないスワップ投資7つのポイント 準備編
- 第9回:【その1:FX口座選定】税金のかからないスワップ投資7つのポイント
- 第10回:【その2:通貨ペア選定】税金のかからないスワップ投資7つのポイント
- 第11回:【その3:ポジションは未決済のままにする】税金のかからないスワップ投資7つのポイント
- 第12回:【その4:年間スワップポイントの把握】税金のかからないスワップ投資7つのポイント
- 第13回:【その5:決済ポジションの把握】税金のかからないスワップ投資7つのポイント
- 第14回:【その6:含み益が大きくなった場合】税金のかからないスワップ投資7つのポイント
- 第15回:【その7:含み損が大きくなった場合】税金のかからないスワップ投資7つのポイント
- 第16回:バスケット通貨運用 個人でのやり方と無料ツ−ル
- 第17回:株券でのスワップFX メリットと注意点
- 第18回:「米ドル売らず 南アフリカランド買わず」スワップ投資通貨ペア選びの基本基準
- 第19回:スワップポイント振替制度 2社比較
- 第20回:税金のかからない範囲でやる「スワップポイントサヤ取り」
- 第21回:スワップポイントサヤ取り 心理面で大切な2つのポイント
- 第22回:スワップポイント変動への対応 スワップポイントサヤ取り(異業者両建て)
- 第23回:利益の出しすぎ注意 税金の範囲でやるスワップポイントサヤ取り
- 第24回:画餅の高利回りにご注意
- 第25回:スワップポイントサヤ取り 絶対禁止事項
- 第26回:スワップポイントサヤ取り まとめと念のための資金的余裕記事
- 第27回:税金のかからないFX 2つの方法メリット・デメリット
- 第28回:専業主婦が最初に運用方針を決めないといけない理由
- 第29回:FX法人口座の長所・短所
- 第30回:FX専業トレーダーよりも兼業トレーダ 断然有利の現実
- 第31回:FX税金を減らす基本 必要経費と税額控除
- 第32回:ふるさと納税 なぜお得なの?
- 第33回:ふるさと納税015年改正点「控除上限2倍」
- 第34回:ふるさと納税ワンストップ特例制度
- 第35回:1万円寄付で後世に名を残す 2015年ユニークなふるさと納税事例
- 第36回:国民年金基金 確定という安心感とリスク
- 第37回:確定拠出年金(401K) インフレ時代にも対応できる制度
- 第38回:勝者の鉄則 FX投資家が1月に必ずすべき事
- 最終回:驕兵必敗 驕れるFX投資家に訪れるのは破滅のみ
- おまけ:住宅ローン 審査の緩い銀行の探し方
FX税金に関する記事は下記にてまとめてあります。