FX始めるときの鉄則 専業主婦が最初に運用方針を決めないといけないのはなぜか?
専業主婦がFXをする際は、サラリーマンよりも注意すべき点があります。結論から書くと「専業主婦は最初に運用方針を決めないといけない」のです。これには、扶養家族優遇の仕組みが深くかかわってきます。それについてまとめました。
専業主婦のFX税制 まとめ
専業主婦の方であればFX税制が要注意であることは既にご理解いただいていると思います。
今回は、その部分について復習をかねて書かせていただきます。
専業主婦の方は、もともと税制や社会保険制度での優遇があります。これは収入がないことを前提に受けられる特典でもあるため、FXでガンガン稼いでいるとこれらの特典が一つづつ消えていくことになります。なので、扶養家族の優遇を維持するためにも「現在の利益額」は絶対に把握しておかねばなりません。
例えば、運用予定口座のスワップポイント税制が「スワップポイントが発生した年に税金の対象」なのか「ポジションを決済した年に税金の対象」なのかの確認などです。
参考:無税のはずがFX口座まちがえて税金70万円の笑えない話
それと利益が大きくなったときにどれくらいの負担増となるのかも基礎知識として持っておくと良いと思います。
これらのことは、メルマガでもブログでも毎年のように書いているので既にご理解いただいている方も多いはずです。でも、専業主婦で悩むのは「利益を出した年」だけではありません。「損失を出した年」にも留意しておかねばなりません。
損の翌年利益のケース
損失を出した年は、損失繰越をすべきなのは他の職業の方とかわりはありません。ただ、翌年の利益額によっては扶養家族からはずれる可能性もでてきます。
例えば、こんなケースです。
- 2015年度:300万円の損失を出して損失繰越
- 2016年度:200万円利益
この場合、損失繰越300万ー今年の利益200万円で相殺されるため確定申告上の税金はゼロ円となります。
ところが、国民健康保険料の計算上は200万円の所得として扱われるのでこれによる新たな負担が発生する可能性がでてきます。
当然のことながら、損失繰越をした翌年は頑張って利益を出すべきです。
ただ、税制上優遇されている専業主婦でFXをやる以上こういう事も起こりうるという理解はしておかねばなりません。損してつらいのは一緒でも、専業主婦は利益をだしても辛いこともあるわけです。
この現実を踏まえて、専業主婦でFXをされる場合、最初に方針を決めておくと良いと思います。
「扶養家族からはずれるるなんて気にしないで利益を出す!」
この気迫でやるのであれば、何も心配せずに稼いでください。
「スワップ投資などで無税・扶養控除の範囲でやる」
これに徹する方は、今回のこれまで連載記事がお役に立つはずです。
私達夫婦の場合
私の妻も現在専業主婦です。私達夫婦は、それぞれ目的を分けて運用をしています。
- 妻口座:税金のかからない範囲でやるFXに限定
- 私口座:ガンガン稼ぐつもりで運用
この役割は株式投資でも基本的に同様です。ただ、株式投資の場合は「源泉徴収有の特定口座」にしてあるので利益や配当金が発生すれば自動的に税金が徴収されるため「確定申告不要」なのですが「無税」ではありません。
ここは混乱しそうなので、ここの部分だけまとめておきます。
- 株式口座:確定申告不要 税金自動徴収「有税」
- FX口座:確定申告不要 税金も基本的に「無税」
妻口座は、一つの口座に運用を集中させており損きりも基本的にしません。そのため、確定申告をしても税金は同じであり確定申告不要にして毎年の手間をはぶくことができます。
更に、妻口座で保有中の株式は株主優待・配当金目的で数年保有が前提のものが中心です。株価が数倍になりでもしない限り売却はしない方針でやっています。株式売却して大きな利益がでても、税金は自動徴収のため確定申告は基本的に不要です。
株式投資では、株価が2倍以上になるなど一旦売却した方が良いような状況が時折置きます。そのため、無税の範囲で利益を押さえるのはFX以上に難しいので私はこれでよしとしています。
この株券をマネーパートナーズ口座で代用有価証券としてスワップ放置投資用のFX証拠金に充当しています。つまり、株式投資とFX投資を同じ資金源でやっています。うまく回せれば、両方の利益を享受できるので効率的な方法です。
妻口座のFX運用自体は先日開始しています。
これは、私口座の運用記録です。妻口座運用記録は公開していません。こんなやり方で「確定申告不要の株式投資」と「税金のかからないFX運用」の両方を実現しています。
このやり方は、合理的ではあるのですが証拠金管理には通常以上に注意しています。
先週から今週前半のように「株安」と「円高」が同時に進行する際には、株価急落によりFX証拠金としている株券評価額が急激に減ります。そして、円高によりFXポジションにも含み損が出やすい状況となるためFX証拠金の余力自体も一気に減ります。
今回、実際にこれを経験しましたがなかなか凄まじい減り方をします。なので、レバレッジは低目が基本です。妻口座のレバレッジはいまのところ約1倍です。
レバレッジ1倍と聞いて「なんでそんなに慎重なんだ!」と思う方も多いかもしれません。
どんな運用法でも、私は大体これくらい余裕を持たせて始めるようにしています。こうやって始める方が、安全確実にお金を増やしていけるからです。低レバレッジで始めて利益を積み上げながら慣れていくというのは、意外なほご効率的なのです。
今後も、この口座は気楽に放置しておきます。
FX税金2015 目次
連載FX税金2015の目次です。
- 第1回:勢い止めるべからず FX税金対策禁止事項
- 第2回:株式投資家は税金払い過ぎになりやすいのはなぜ?
- 第3回:未決済ポジションの為替差益に税金が発生するケース
- 第4回:スワップポイント税金は2種類
- 第5回:FX利益20万円以下なら無税の誤信
- 第6回:確定申告しないFX 2つの方法
- 第7回:住宅ローンと専業トレーダー
- 第8回:税金のかからないスワップ投資7つのポイント 準備編
- 第9回:【その1:FX口座選定】税金のかからないスワップ投資7つのポイント
- 第10回:【その2:通貨ペア選定】税金のかからないスワップ投資7つのポイント
- 第11回:【その3:ポジションは未決済のままにする】税金のかからないスワップ投資7つのポイント
- 第12回:【その4:年間スワップポイントの把握】税金のかからないスワップ投資7つのポイント
- 第13回:【その5:決済ポジションの把握】税金のかからないスワップ投資7つのポイント
- 第14回:【その6:含み益が大きくなった場合】税金のかからないスワップ投資7つのポイント
- 第15回:【その7:含み損が大きくなった場合】税金のかからないスワップ投資7つのポイント
- 第16回:バスケット通貨運用 個人でのやり方と無料ツ−ル
- 第17回:株券でのスワップFX メリットと注意点
- 第18回:「米ドル売らず 南アフリカランド買わず」スワップ投資通貨ペア選びの基本基準
- 第19回:スワップポイント振替制度 2社比較
- 第20回:税金のかからない範囲でやる「スワップポイントサヤ取り」
- 第21回:スワップポイントサヤ取り 心理面で大切な2つのポイント
- 第22回:スワップポイント変動への対応 スワップポイントサヤ取り(異業者両建て)
- 第23回:利益の出しすぎ注意 税金の範囲でやるスワップポイントサヤ取り
- 第24回:画餅の高利回りにご注意
- 第25回:スワップポイントサヤ取り 絶対禁止事項
- 第26回:スワップポイントサヤ取り まとめと念のための資金的余裕記事
- 第27回:税金のかからないFX 2つの方法メリット・デメリット
- 第28回:専業主婦が最初に運用方針を決めないといけない理由
- 第29回:FX法人口座の長所・短所
- 第30回:FX専業トレーダーよりも兼業トレーダ 断然有利の現実
- 第31回:FX税金を減らす基本 必要経費と税額控除
- 第32回:ふるさと納税 なぜお得なの?
- 第33回:ふるさと納税015年改正点「控除上限2倍」
- 第34回:ふるさと納税ワンストップ特例制度
- 第35回:1万円寄付で後世に名を残す 2015年ユニークなふるさと納税事例
- 第36回:国民年金基金 確定という安心感とリスク
- 第37回:確定拠出年金(401K) インフレ時代にも対応できる制度
- 第38回:勝者の鉄則 FX投資家が1月に必ずすべき事
- 最終回:驕兵必敗 驕れるFX投資家に訪れるのは破滅のみ
- おまけ:住宅ローン 審査の緩い銀行の探し方
FX税金に関する記事は下記にてまとめてあります。