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株式投資家は税金払い過ぎになりやすいのはなぜ?   FX税金2015第2回

「源泉徴収ありの特定口座」は、とても便利な制度なのですがデメリット部分も把握して利用していきましょう。

株とFX 似て非なる税金制度

2015年現在、株とFXの税率は同じです。「3年の損失繰越」もできるため制度上はほとんど同じです。ただ、「株とFXの損益通算」はできない部分は注意が必要です。「既に株とFX通算してやってしまいました〜!」という強者もいるのですが、いつか税務署さんに指摘される可能性があるのでご注意ください。

 

  • 株式で100万円
  • FXで100万円
  • 合計利益 0円

 

つまり、こういう合計はできないということです。合計損益0円でも税金計算は別々に行うことになります。

 

この場合の具体的な税金計算は、株式100万円部分には20.315万円の税金がかかり、FXの損失は損失繰越をして翌年以降のFX利益が出たら相殺という形になります。

 

さて、株式投資では「源泉徴収ありの特定口座」というとても便利な制度が存在します。これを利用すれば、売買時に税金が自動的に徴収されるためそのままで良ければ確定申告はしなくても良いのです。

 

 

株の税金って楽だよね。確定申告しなくても脱税の心配いらないもんな。FXも早くこの制度導入すべきだよね。


 

確かに便利です。でも、この制度に頼りすぎると税金を多く払うことになりやすいのでその点は注意すべきです。

 

これには便利であるが故の落とし穴のようなところがあります。

便利であるが故の落とし穴

  • 株式投資をしている人は税金払い過ぎになりやすい。
  • 相対的に、FXをやっている人は税金払い過ぎは少ない。

 

これは、私自身の実体験でもあります。「源泉徴収ありの特定口座」の落とし穴とは、自動的に徴収された税金がその人にとって適切な税金額とは限らないというところです。

 

現実に、「源泉徴収ありの特定口座」で売買ごとに自動徴収されだけだと税金払い過ぎになっているケースがかなりあります。逆に、税金が少なく済むケースはほとんどありません。例えば、以下のような場合です。

 

  • 自営業で本業が赤字になっている年
  • 専業トレーダーでトレード以外に収入のない方
  • 専業主婦で株式利益額が30万円くらいしかない年
  • 2つ以上の株式口座で売買して年間収支がマイナスの口座がある時
  • 前年度収支が赤字だった時

 

職業によっても様々なケースがあり、他にも払いすぎのパターンがあります。

 

自営業で本業が赤字になっている年は税金の計算上、株式投資の利益から所得控除を差し引ける形になります。株式投資についても確定申告をすることで大きな税金還付を受けられる可能性があるわけです。

 

前年度株式投資収支が赤字だった時なども同様です。昨年度100万円の損失で今年100万円の利益であれば今年徴収された税金は全額還付されることになります。この払い過ぎは、税金で数十万円以上になることも珍しくはありません。

 

これらを是正して還付を受けるには確定申告をする必要があります。

 

「源泉徴収ありの特定口座」を選択する人は確定申告をしない傾向にあります。私もサラリーマン時代に株式投資が中心だった頃には「源泉徴収ありの特定口座」にしていて株式については確定申告をしていませんでした。理由は「面倒だから」です。

 

現在のように毎年確定申告をするようになってから、「あの頃は税金を払いすぎていた」ことに気づき、その額に愕然となりました。そして、とても後悔したのですが後の祭りです。

 

昔の私のように面倒がって確定申告をしない方も多いのですが、あまりに勿体ない話だと思います。

「源泉徴収ありの特定口座」の隠れメリット

ちょっとややこしいのが「源泉徴収ありの特定口座」にはあまり知られていない隠れメリットのようなものがあるところです。

 

  • 自営業の方は、そのままであれば国民健康保険料負担が上昇しないで済む。
  • 主婦あるいは扶養者でも利益が大きくても扶養対象者からはずれないで済むことが多い。

 

これらは制度上の抜け穴のようなところもあります。主婦・自営業者などは隠れメリットと総合的に判断して確定申告するかどうか判断する必要があります。そして、「どっちが有利か判断」するためには確定申告の中身を知っておかねばなりません。知るための早道は実際にやってみることです。

 

特に、損失の年など「確定申告をしておけば明らかに有利な年」には練習がてら確定申告に挑戦しておくと良いと思います。

 

覚えてしまえば、税金制度を自分に有利に使えるようになります。

 

必要経費もなし

 

確定申告時には、投資教材費用や購入書籍などは必要経費として利益から差し引くことができます。「源泉徴収ありの特定口座」では、必要経費はゼロとして単純に利益額に税率をかけた金額が自動徴収されます。

 

この辺まで書くと、「源泉徴収ありの特定口座」にしない方が良いのではないかと感じている方もいるかもしれません。

 

無論、「源泉徴収ありの特定口座」で徴収された税金通りで良いという方は確定申告の手間が省けることになります。運用口座を1口座に集中させれば、多口座運用による税金の払いすぎも防げます。私も、株式投資の売買口座はできるだけ1口座に集中させています。こうすることで確定申告不要の年が作り易くなり手間がはぶけるからです。

 

「源泉徴収ありの特定口座」は、内容を理解して利用していけばとても便利な制度です。しかし、この制度があるから確定申告をしないで済ませていくととても勿体ないことにもなります。

 

この特定口座制度は、いずれFXにも導入されるかもしれません。ただ、特定口座導入にはFX業者のシステム負担がかなり大きいからです。そのため、野村・大和などの大手証券のように資金に余裕のある証券会社が中心の株式業界のようにはなかなかいかないだろうと思っています。

 

FX投資家の中にも、株式投資も一緒にやっている方が増えています。税率は同じでも制度違うので、うまく活用して賢く税金を納めていきましょう。

FX税金2015 目次

連載FX税金2015の目次です。

 

 

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FX税金最新情報

2015/06/01


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