ふるさと納税2015年改正点「控除上限2倍」 今年は昨年の2倍楽しめる
2015年のふるさとには大きな改正点が2つあります。
- 控除上限枠が2倍になった。
- 確定申告不要「ふるさと納税ワンストップ特例制度」開始
この2つは大きいです。これまで「ふるさと納税」にメリットが薄かったり、確定申告がネックになっていた方にも利用できる制度に進化したからです。
ふるさと納税の全額控除目安
「ふるさと納税」は、一定範囲内の寄付であれば自己負担分2000円を差し引いた全額が所得税と住民税から全額控除される仕組みです。
「全額控除」という言葉についてちょっと補足します。
5万円の寄付をして、自己負担2000円を差し引いた4万8千円分税金が控除される状態を「全額控除」と呼びます。5万円全額が控除される訳ではないというところにご注意ください。
もしも、3万円が上限の方が5万円寄付した場合には全額控除とはならない可能性が高くなります。
この部分の理解は、とっても重要です。
税金の納付状況に応じて全額控除できる額が違ってきます。その上限目安は「住民税」でみます。昨年までは、「住民税の1割」が控除上限目安でした。
この枠が2015年は、2倍の「住民税の2割」に拡大されています。
毎月0.9万円くらいの住民税を給与天引きされているサラリーマンでこの違いをみてみましょう。この方は、毎月0.9万円であれば、毎月0.9×12ヶ月=10.8万円で、年間約10万円の住民税を払っていることになります。
昨年までは住民税の1割でしたので、10万円×1割=1万円がこの方のふるさと納税全額控除の上限目安でした。
今年はこの目安枠が住民税の約2割まで拡大しています。
10万円×2割=2万円
同じ所得の方でも、今年は昨年の約2倍までふるさと納税ができるようになった訳です。ただ、正確には1.95倍くらいのようです。完全に2倍とはならないようなので上限枠ギリギリ利用を検討の方は、各種シミュレーションなどでしっかりと確認が必要です。
でも、この差は大きいですよね。
1万円のふるさと納税で5000円相当の商品を頂いたとすると、自己負担額2000円で5000円の商品を頂く感じになります。差引3000円くらいのお得感がありました。
これでも、なかなか良いです
でも、2015年はこの方が今年も住民税支払いが同等であれば今年のふるさと納税上限目安は「約2万円」と2倍になっています。
昨年と同じ条件の自治体に2万円のふるさと納税をしたとすると、自己負担額2000円で1万円の商品を頂く感じになります。これだと、差引8000円くらいのお得感となります。
自己負担額は昨年も今年も同じですが、お得度は3000円⇒8000円と大幅に増ました。上限枠が2倍になったことで、昨年まではあまりお得感がなかったという方でも今年は利用するメリットが大きいと思われます。
所得別上限目安
以下が所得別の控除上限目安です。
総務省サイトにあった表を切り取らせていただきました。
これを見て頂くとわかるのですが、同じ所得でも家族構成などで上限目安は大きく異なっています。
それと、この表はあくまで目安です。ふるさと納税を実際にやる時は制度には目を通してご自身の実際に払っている住民税を把握してご自身の上限目安を確認したうえで利用されてください。
FX利益での目安
FX利益の場合、給与所得とは税率も違いので上記表は使えません。でも、簡単に計算できるので心配無用です。利益100万円で払う住民税や約5万円です。5万円の2割上限とすれば約1万円となります。
「FX利益100万円でふるさと納税枠1万円」
私はこの目安でやっています。サラリーマンや兼業トレーダーの方は大体この目安で良いかなと思われます。
専業トレーダーの方は、所得控除や税金控除などを差し引いた課税所得ベースで計算する必要があります。
言うまでもないことですが、FX利益は「ここまでの利益は確保」くらいの範囲内で利用するのが「ふるさと納税」を楽しむコツです。
「現在1000万円の利益でているから10万円ふるさと納税」とギリギリやってしまうと、その後にトレードの調子を崩した場合、全額控除とならなくなります。
また、損きりしないといけない状況なのに「ふるさと納税が無駄になる」という気持ちがでて、傷口を大きくするようなこともやりかねないとも限りません。
1000万円利益が出ているのであれば「半分の利益500万円分に該当する5万円だけふるさと納税しておこう」くらいが良いのかなと思います。FX利益は、計画的に調整するのが難しいのでこの辺はご留意くださいませ。
FX税金2015 目次
連載FX税金2015の目次です。
- 第1回:勢い止めるべからず FX税金対策禁止事項
- 第2回:株式投資家は税金払い過ぎになりやすいのはなぜ?
- 第3回:未決済ポジションの為替差益に税金が発生するケース
- 第4回:スワップポイント税金は2種類
- 第5回:FX利益20万円以下なら無税の誤信
- 第6回:確定申告しないFX 2つの方法
- 第7回:住宅ローンと専業トレーダー
- 第8回:税金のかからないスワップ投資7つのポイント 準備編
- 第9回:【その1:FX口座選定】税金のかからないスワップ投資7つのポイント
- 第10回:【その2:通貨ペア選定】税金のかからないスワップ投資7つのポイント
- 第11回:【その3:ポジションは未決済のままにする】税金のかからないスワップ投資7つのポイント
- 第12回:【その4:年間スワップポイントの把握】税金のかからないスワップ投資7つのポイント
- 第13回:【その5:決済ポジションの把握】税金のかからないスワップ投資7つのポイント
- 第14回:【その6:含み益が大きくなった場合】税金のかからないスワップ投資7つのポイント
- 第15回:【その7:含み損が大きくなった場合】税金のかからないスワップ投資7つのポイント
- 第16回:バスケット通貨運用 個人でのやり方と無料ツ−ル
- 第17回:株券でのスワップFX メリットと注意点
- 第18回:「米ドル売らず 南アフリカランド買わず」スワップ投資通貨ペア選びの基本基準
- 第19回:スワップポイント振替制度 2社比較
- 第20回:税金のかからない範囲でやる「スワップポイントサヤ取り」
- 第21回:スワップポイントサヤ取り 心理面で大切な2つのポイント
- 第22回:スワップポイント変動への対応 スワップポイントサヤ取り(異業者両建て)
- 第23回:利益の出しすぎ注意 税金の範囲でやるスワップポイントサヤ取り
- 第24回:画餅の高利回りにご注意
- 第25回:スワップポイントサヤ取り 絶対禁止事項
- 第26回:スワップポイントサヤ取り まとめと念のための資金的余裕記事
- 第27回:税金のかからないFX 2つの方法メリット・デメリット
- 第28回:専業主婦が最初に運用方針を決めないといけない理由
- 第29回:FX法人口座の長所・短所
- 第30回:FX専業トレーダーよりも兼業トレーダ 断然有利の現実
- 第31回:FX税金を減らす基本 必要経費と税額控除
- 第32回:ふるさと納税 なぜお得なの?
- 第33回:ふるさと納税015年改正点「控除上限2倍」
- 第34回:ふるさと納税ワンストップ特例制度
- 第35回:1万円寄付で後世に名を残す 2015年ユニークなふるさと納税事例
- 第36回:国民年金基金 確定という安心感とリスク
- 第37回:確定拠出年金(401K) インフレ時代にも対応できる制度
- 第38回:勝者の鉄則 FX投資家が1月に必ずすべき事
- 最終回:驕兵必敗 驕れるFX投資家に訪れるのは破滅のみ
- おまけ:住宅ローン 審査の緩い銀行の探し方
FX税金に関する記事は下記にてまとめてあります。