税金のかからないスワップ投資7つのポイント【その1:FX口座選定】
税金のかからない範囲でやるスワップ投資のやり方と注意点をまとめています。今回は【その1:FX口座選定】です。
税金のかからないスワップ投資7つのポイント
FX口座は「未決済でも課税タイプ」が基本
この運用で使う口座は、どのFX口座でもよいという訳にはいきません。スワップポイントの税金の種類が「未決済でも課税タイプ」である必要があります。
例えば、高スワップポイント代表格のはこの運用法は適しません。理由は、「決済時課税タイプ」のためスワップポイントが決済時まで課税対象とならないからです。同様に高スワップポイント系口座のくりっく365やSBIFXトレードなどもと同じタイプです。
このタイプでもできないわけではないのですが、為替変動が大きい年などは毎年きっちりの利益で調整するのはなかなか難しいものがあります。
高スワップポイント系でこの運用法をするのであれば「未決済でも課税タイプ」である「GMOクリック証券【FXネオ】ネオ口座」やGMO外貨の方が向きます。参考までに、現在のスワップポイント水準は以下のようになっています。
スワップポイント振替制度の活用と留意事項
また、スワップポイント振替制度のあるFX口座を使うという手もあります。この制度については「連載第4回 スワップポイント税金は2種類」でも既に紹介させていただきました。
この制度を持つ口座の中で2019年7月現在で一番高スワップポイントの傾向があるのは、みんなのFXです。。
参考:みんなのFX
他の2社は、今のところスワップポイントの低さを活かしたスワップポイントサヤ取り(異業者両建)でよく使ったりするくらいなので、純粋にスワップポイントを受け取っていく運用法にはおすすめできません。
このスワップポイント振替制度は、その年のスワップポイントを調整するのにはとても便利です。
外為どっとコム社のスワップポイント税金タイプは、元々「決済時課税タイプ」です。ですので、何もしなければスワップポイントは決済時に課税対象となります。
でも、スワップポイント振替制度(利用料は無料です)を利用してスワップポイントを口座残高に振替えてしまえば振替えた年に課税対象となる「未決済でも課税のスワップポイント」に変身します。
ただ注意して頂きたい点があります。
「スワップポイント振替制度はポジション毎に全額振替」
つまり、いつでも好きな金額を振替えられるわけではないのです。ここはちょっと工夫が必要となります。
スワップポイント振替制度使う時の留意点
仮に、外為どっとコム口座で10万通貨の未決済ポジションに50万円のスワップポイントが貯まっていたとしましょう。このまま何もしなければスワップポイントは、ポジションを決済するまで課税対象とはなりません。でも、スワップポイント振替制度を使って振り替えることで今年の課税対象となります。これについては先ほども書きました。
さて、注意すべきが「ポジション毎に全額」というところです。もしも、10万通貨が1本のポジションであれば振替額は50万円全額でしかできません。
これに対応するに、「ポジションを分けて作成する」という手を使います。
例えば、10万通貨が2万通貨づつ5本のポジションに分かれていてそれぞれ10万円づつ合計50万円のスワップポイントだとしましょう。
表向きは、10万通貨で50万円のスワップポイントであることに変わりはありません。でも、スワップポイント振替制度はポジション1本ずつ振替できますので5本のポジションのうち3本だけ30万円分振替ということができます。
「税金のかからないスワップ投資」をする場合は、このパターンを使います。
ポジションをある程度分けておいて必要な分だけ振替をしていく形なら希望額に近い金額の振替がしやすくなります。ポジション分割といっても、5〜10本くらいに分割すれば十分かと思います。あとは必要な分だけスワップポイント振替制度で振替をしていきます。ちなみに、振替を忘れてしまうとスワップポイントが貯まっていく一方になり、その年の無税枠は使えないことになりますのでご注意くださいませ(汗)。
スワップポイント振替制度は、なかなか便利な制度です。
次回以降も、このスワップポイント振替制度を使ったケースを中心に説明させていただきます。
FX税金2015 目次
連載FX税金2015の目次です。
- 第1回:勢い止めるべからず FX税金対策禁止事項
- 第2回:株式投資家は税金払い過ぎになりやすいのはなぜ?
- 第3回:未決済ポジションの為替差益に税金が発生するケース
- 第4回:スワップポイント税金は2種類
- 第5回:FX利益20万円以下なら無税の誤信
- 第6回:確定申告しないFX 2つの方法
- 第7回:住宅ローンと専業トレーダー
- 第8回:税金のかからないスワップ投資7つのポイント 準備編
- 第9回:【その1:FX口座選定】税金のかからないスワップ投資7つのポイント
- 第10回:【その2:通貨ペア選定】税金のかからないスワップ投資7つのポイント
- 第11回:【その3:ポジションは未決済のままにする】税金のかからないスワップ投資7つのポイント
- 第12回:【その4:年間スワップポイントの把握】税金のかからないスワップ投資7つのポイント
- 第13回:【その5:決済ポジションの把握】税金のかからないスワップ投資7つのポイント
- 第14回:【その6:含み益が大きくなった場合】税金のかからないスワップ投資7つのポイント
- 第15回:【その7:含み損が大きくなった場合】税金のかからないスワップ投資7つのポイント
- 第16回:バスケット通貨運用 個人でのやり方と無料ツ−ル
- 第17回:株券でのスワップFX メリットと注意点
- 第18回:「米ドル売らず 南アフリカランド買わず」スワップ投資通貨ペア選びの基本基準
- 第19回:スワップポイント振替制度 2社比較
- 第20回:税金のかからない範囲でやる「スワップポイントサヤ取り」
- 第21回:スワップポイントサヤ取り 心理面で大切な2つのポイント
- 第22回:スワップポイント変動への対応 スワップポイントサヤ取り(異業者両建て)
- 第23回:利益の出しすぎ注意 税金の範囲でやるスワップポイントサヤ取り
- 第24回:画餅の高利回りにご注意
- 第25回:スワップポイントサヤ取り 絶対禁止事項
- 第26回:スワップポイントサヤ取り まとめと念のための資金的余裕記事
- 第27回:税金のかからないFX 2つの方法メリット・デメリット
- 第28回:専業主婦が最初に運用方針を決めないといけない理由
- 第29回:FX法人口座の長所・短所
- 第30回:FX専業トレーダーよりも兼業トレーダ 断然有利の現実
- 第31回:FX税金を減らす基本 必要経費と税額控除
- 第32回:ふるさと納税 なぜお得なの?
- 第33回:ふるさと納税015年改正点「控除上限2倍」
- 第34回:ふるさと納税ワンストップ特例制度
- 第35回:1万円寄付で後世に名を残す 2015年ユニークなふるさと納税事例
- 第36回:国民年金基金 確定という安心感とリスク
- 第37回:確定拠出年金(401K) インフレ時代にも対応できる制度
- 第38回:勝者の鉄則 FX投資家が1月に必ずすべき事
- 最終回:驕兵必敗 驕れるFX投資家に訪れるのは破滅のみ
- おまけ:住宅ローン 審査の緩い銀行の探し方
FX税金に関する記事は下記にてまとめてあります。