バスケット通貨運用 税金のかからない範囲でやるFX FX税金2015第16回
前回まで税金のかからない範囲でやるFX投資としてスワップ放置投資のやり方をご紹介しました。今回は、視点を変えた放置装置として「バスケット通貨運用」について書かせて頂きます。
税金のかからない範囲でやるFX もう一つの発想
私のブログ・メルマ読者の方であれば、スワップ放置投資のやり方の基本形はすでにやっている方も多いだろうと思います。当メルマガでも10年近く前より紹介し続けています。このブログ・メルマガも発行開始して10年以上たつんですよねぇ。
ここまで応援して頂きありがとうございます。
ただ、今のようにスワップポイントが少なくなってしまった状況でのスワップ放置投資では、資金効率が悪いと感じている方もいるかもしれません。
とはいえ、通常の裁量トレードでは堅実にやっていくのには個人差が大きくでてしまいます。税金のかからない範囲で手堅くやるFXの最低条件は損失リスクを抑え込めるものでなければいけません。
スワップ投資対象通貨を複数通貨でやってみたいという方もいるかもしれません。そこでご紹介したいのが「バスケット通貨運用」です。
バスケット通貨という発想
バスケット通貨運用は、 複数通貨運用の代表格でもあります。これは、いくつもの通貨に分散投資をしてリスクを押さえていくやり方です。現状のように、資源国通貨が軟調気味に推移しているような時に全体の含み損を抑える効果が期待できます。
大口投資家や国際企業や機関投資家などが資産価値を維持する方法としてもバスケット通貨の考え方は使われていますが、個人で似たようなこともできる時代となりました。
個人でバスケット通貨運用をする場合に使えるツールがこれです。
参考:tradable無料アプリ Basket Trader(バスケットトレーダー)
tradableというのは、マネックス証券が提供するデンマーク発のFX口座です。口座開設後にアプリを入れていくことで自分仕様のFX口座を作っていけるという特徴を持ちます。
Basket Trader(バスケットトレーダー)は、無料アプリの一つで簡単な操作で導入できます。
100万円の運用資産でレバレッジ2倍程度でするとすれば200万円相当のポジションを持つことになります。割合は、例えば以下のような感じで決めます。
- 米ドル円5割
- ユーロ円1割
- 豪ドル円2割
- 南アフリカランド円2割
Basket Trader(バスケットトレーダー)は、その200万円を以上のような割合で保有するとした場合のポジション数量を計算してくれます。今後の米国金利引き上げなども想定して、通貨の分散割合を決めて長期間ポジションを保有することになります。
ある程度利益が貯まったら一旦決済して、再度組みなおすという感じで続けていきます。このやり方は、スワップポイントで年間30万円貯めるという感じにはなりません。全体に占める高スワップポイント通貨ペアである豪ドル円や南アフリカランド円などの割合がどうしても小さくなりがちだからです。
そして毎年30万円きっちり利益を出すという形にもなりません。ただ、現在のスワップポイント水準で低レバレッジスワップ放置投資で専業主婦で税金のかからない範囲上限の年間30万円相当くらいのスワップポイントを受け取るには必要資金が500〜1000万円くらいと大きくなってしまいます。
これに比べると、バスケット通貨運用は、少額でも税金のかからない範囲である無税枠に近い利益を出しやすい傾向にあります。そして、現在の日本と世界の状況から考えれば長期間保有検討して利益を出す組み合わせは作り易いだろうと思っています。
米国利上げを想定して設定
ここでバスケット通貨運用を設定するとすれば、米国利上げを想定したものが良さそうです。。今は一息ついていますが米国が利上げ開始する時期は確実に近づいてきているからです。
これに、投資信託業界でよく使われている「先進国7+新興国3」という割合を目安に組み合わせを検討します。長期保有が前提なので新興国通貨に偏りすぎないように注意します。世界情勢を長期展望でみて低レバレッジでバスケット通貨運用をしていけば、大きな怪我をする可能性は小さくなります。
バスケット通貨運用では、スワップポイントはおまけ程度のやり方となります。それでも、税金のかからない範囲でやる方法としては一考の価値はあります。
FX税金2015 目次
連載FX税金2015の目次です。
- 第1回:勢い止めるべからず FX税金対策禁止事項
- 第2回:株式投資家は税金払い過ぎになりやすいのはなぜ?
- 第3回:未決済ポジションの為替差益に税金が発生するケース
- 第4回:スワップポイント税金は2種類
- 第5回:FX利益20万円以下なら無税の誤信
- 第6回:確定申告しないFX 2つの方法
- 第7回:住宅ローンと専業トレーダー
- 第8回:税金のかからないスワップ投資7つのポイント 準備編
- 第9回:【その1:FX口座選定】税金のかからないスワップ投資7つのポイント
- 第10回:【その2:通貨ペア選定】税金のかからないスワップ投資7つのポイント
- 第11回:【その3:ポジションは未決済のままにする】税金のかからないスワップ投資7つのポイント
- 第12回:【その4:年間スワップポイントの把握】税金のかからないスワップ投資7つのポイント
- 第13回:【その5:決済ポジションの把握】税金のかからないスワップ投資7つのポイント
- 第14回:【その6:含み益が大きくなった場合】税金のかからないスワップ投資7つのポイント
- 第15回:【その7:含み損が大きくなった場合】税金のかからないスワップ投資7つのポイント
- 第16回:バスケット通貨運用 個人でのやり方と無料ツ−ル
- 第17回:株券でのスワップFX メリットと注意点
- 第18回:「米ドル売らず 南アフリカランド買わず」スワップ投資通貨ペア選びの基本基準
- 第19回:スワップポイント振替制度 2社比較
- 第20回:税金のかからない範囲でやる「スワップポイントサヤ取り」
- 第21回:スワップポイントサヤ取り 心理面で大切な2つのポイント
- 第22回:スワップポイント変動への対応 スワップポイントサヤ取り(異業者両建て)
- 第23回:利益の出しすぎ注意 税金の範囲でやるスワップポイントサヤ取り
- 第24回:画餅の高利回りにご注意
- 第25回:スワップポイントサヤ取り 絶対禁止事項
- 第26回:スワップポイントサヤ取り まとめと念のための資金的余裕記事
- 第27回:税金のかからないFX 2つの方法メリット・デメリット
- 第28回:専業主婦が最初に運用方針を決めないといけない理由
- 第29回:FX法人口座の長所・短所
- 第30回:FX専業トレーダーよりも兼業トレーダ 断然有利の現実
- 第31回:FX税金を減らす基本 必要経費と税額控除
- 第32回:ふるさと納税 なぜお得なの?
- 第33回:ふるさと納税015年改正点「控除上限2倍」
- 第34回:ふるさと納税ワンストップ特例制度
- 第35回:1万円寄付で後世に名を残す 2015年ユニークなふるさと納税事例
- 第36回:国民年金基金 確定という安心感とリスク
- 第37回:確定拠出年金(401K) インフレ時代にも対応できる制度
- 第38回:勝者の鉄則 FX投資家が1月に必ずすべき事
- 最終回:驕兵必敗 驕れるFX投資家に訪れるのは破滅のみ
- おまけ:住宅ローン 審査の緩い銀行の探し方
FX税金に関する記事は下記にてまとめてあります。