順ザヤと逆ザヤ サヤすべり取り売買の基本
サヤすべり取り売買の基本パターンについてまとめました。サヤすべり取りでは、順ザヤなのか逆ザヤなのかで仕掛け方や考え方が全く別のものとなります。それぞれのケースに分けて説明させていただきます。
順ザヤ期は売り
既に何度か書いていますが、私のコーン売買は以下を基本とします。
「順ザヤ期は売りから仕掛ける」
現在のように売りポジションで価格調整額を受け取れる時期は「売り」を基本とします。これで問題はありません。売る時期さえ間違えなければ手堅くやっていけます。
繰り返しになりますが、順ザヤ期とは以下のような状況のことです。
- 17年3月期 369
- 17年5月期 376
- 17年7月期 383
- 17年9月期 389
- 17年12月期 396
17年3月期<17年5月期<17年7月期・・・という具合に、先の限月ほど値が高くなっている状況です。この順ザヤ環境が続くうちは「売りから仕掛ける」ことになります。
コーン市場においては、この順ザヤ期が通常の姿であることはすでに書いたとおりです。いつもの安定した時期は「売り」に徹することで利益を積み上げていくのがサヤすべり取りの売買です。
しかしながら、何年も何十年も順ザヤ期が続くわけではありません。
天候不順や需給要因などがきっかけとなり、コ−ンが暴騰すると順ザヤ期は終わりを告げて、逆ザヤ期へと突入していくことになります。
逆ザヤ期の対応
問題は、相場が「逆ザヤ期」に入ってきたときです。対応策は2つです。
- 「買い」に変更する
- 「休む」
基本は「休む」です。逆ザヤ期はポジションを全て決済して運用資金を休ませておくのが最も安全で手堅い方法です。
「休む」と聞くと、運用資金を遊ばせているなんて勿体ないという意見もでてきそうです。運用資金を口座に入れておくだけでは1円も増えないのでその意見も当然です。
また、順ザヤ期には「売り」で儲けたのだから逆ザヤ期には「買い」で儲かると考える方もいます。
でも、その目論見は大体失敗します。
なぜかというと、逆ザヤ期は売買判断がとても難しいからです。
これも考えてみると当然なのです。
逆ザヤ期というのは基本的に大暴騰期または大暴騰した後に発生します。連載中にも書きましたが農産物系銘柄には価格的な上限があり、大暴騰といってもどこまでも上昇することはありません。
現在1玉200円のキャベツが2000円になったら、おそらくキャベツは売れなくなります。
牛丼に置き換えれば、吉野家だけが1杯1000円に値上げすれば顧客は松屋やすき屋に流れていくため、価格を維持することは困難になります。
更に話を飛躍させて、牛丼屋がみんな1000円に値上げすれば牛丼そのものが売れなくなって顧客は他のレストランへと流れてしまうことになります。
そうなれば、牛丼もキャベツも値段を下げざるを得ません。
コーンも同様です。米国のコーンが大不作だからといって翌年も暴騰が続くことは稀です。
他の農産物を作っていた生産者が、コーンの高値にあやかろうと新規でコーンを作ったりするため、高値が何年も続くことは稀で翌年くらいには崩れだしまず。
コーンの大生産地は米国ですが、米国以外でもコーン生産できる農家は沢山いるからです。
このため、大暴騰の後は大暴落または長期下落が続くというのがお決まりのパターンです。
「逆ザヤを買いで攻める」ということは、こういう大暴落のリスクが高いときに買いポジションを持つということです。
そして、頼みの逆ザヤも大暴落になると順ザヤに解消したりします。
結果として、売買利益も取れず価格調整額もとれない「只の大損」ということにもなりかねません。
「逆ザヤ期の買い」は、かなりのリスクがあるので十分な検討が必要です。それでも、たまに「買いでも取れそうだ」ということもあります。なので、逆ザヤ期は「基本は休み」といて例外的に出動ということにしています。
この辺の判断も「場帖」で行います。
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2017年現在、使用している3つのCFD口座